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【韓国コラム】子どもの日の田舎の風景


先日、江原道(カンウォンド)春川(チュンチョン)の山の麓にある村で男の子の赤ちゃんが生まれたという知らせがニュースで流れた。

33歳のお母さん、平凡なお母さんの出産を報道するほど田舎の村では赤ちゃんの泣き声が珍しい。赤ちゃんも30代夫婦だけの赤ちゃんではない。2年ぶりに泣き声で心を温まらせた、村人たちの宝物だ。

村人が合わせて950人ぐらいだから赤ちゃんは、どこへ行っても貴重な存在としてもてなされるだろう。真夜中に赤ちゃんが泣いていると文句を言う人もいないだろう。

子どもたちのおしゃべりでうるさい子どもの日、寂寞とした村の風景は田舎のおじいさん、おばあさんを一層寂しくさせる。秋夕(チュソク、旧盆)、お正月(ソルナル、旧正月)の風景も昔の賑やかな姿を失ったが、この日の主人公である子どもの影さえ見つからぬ田舎の風景は荒涼としたものだった。

すでに20~30年前、村の子どもはすべて都市に行った状態だった。子どもに会うためには邑や面の事務所がある、小さな繁華街に行かなくてはならない。江原道(カンウォンド)鉄原郡(チョルウォングン)近北面(クンボクミョンクミョン)では最後の子どもが成人したため、村全体に子どもは一人もいない。

せっかく孫たちが遊びに行っても、おもちゃや文房具を買うためには車に乗って都会に行かなければならない。子どもがいないから子ども用品を置いてある店があるはずがない。慶尚北道(キョンサンプクト)鬱陵郡(ウルルングン)も同じように、子どもの日に贈り物を買うためには船に乗って浦項(ポハン)や大邱(テグ)に行かなければならないそうだ。

子どもが減るのは都市でも同じだ。

韓国の17の市道のうち、世宗(セジョン)自治市を除く残りの16の市道において幼少年人口が減少している。

赤ちゃんを産まないのだから当たり前の結果かもしれない。

このような現象が加速化している。

韓国の統計庁が分析した今年2月の出生数は2万1461人と過去最低を更新した。

現在の推移が続くなら月の出生数が2万人を下回る日も、もうすぐやって来るだろう。

出産層である30代の女性の人口減少と子どもを産まない傾向が一番大きな理由という分析だが、このようなパターンが変わらない限り人口絶壁はさらに激しくなるしかない。
  • Lim, Chul
  • 入力 2021-05-09 00:00:00




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