トップ > コラム > FOCUS > [揺れ動く韓国ブランド市場 ⑤] 20・30代を掴む「自分だけのブランド」

[揺れ動く韓国ブランド市場 ⑤] 20・30代を掴む「自分だけのブランド」

⑤ これから注目を浴びる新しい高級ブランド 

  • [揺れ動く韓国ブランド市場 ⑤] 20・30代を掴む「自分だけのブランド」
  • < 新世界百貨店のコンテンポラリーファッション専門館「フォーアンドファイブ(4n5)」 >

「3秒バック」と呼ばれるほど、すでに国内の消費者に広まったいくつかの伝統的な高級ブランドが「普及逆風」を迎え、自分だけのブランド品を求める消費者が増えている。これらの商品群は、新しい高級、新興高級として、いつの間にかジャンルまで形成した。現在流行している新興の製品という意味で「コンテンポラリーファッション」という修飾語も付いた。

注目を浴びる新興の高級ブランド

伝統的な高級ブランドの位置が揺れる一方、これらの新しいラグジュアリーは「高級ブランド春秋戦国時代」を開いていっている。特にファッションや雑貨だけでなく、アクセサリー、時計、ジュエリーの分野にも新しい高級ブランドの手が伸びている。ニューラグジュアリーの製品が脚光を浴びる理由は、ブランド名と同じくらい多様だ。まず、世界的にファッションのカジュアル化が進んでいるという事実である。シャネルやルイ・ヴィトンなどが硬いスーツを連想させるとすれば、最近の消費者は、ジーンズにジャケットだけを着ても十分オシャレになれるカジュアルな高級ブランドに慣れている。

カジュアルをベースとした「ジャディクエンヴォルテール」はロック音楽のように伝統を拒否しているスタイルを強調し、頭蓋骨、アライグマ、蝶の羽など、毎年新しいキャラクターを活用した衣類・アクセサリー製品を提供している。特に現代百貨店のソウル狎鴎亭店のジャディクエンヴォルテールの店舗は月平均3億ウォンを超える売上高を記録している。大抵のファッションブランドが一店舗で月1億ウォンの売上高も収めにくい点を考慮すれば、新生ラグジュアリーブランドとしては驚くべき数値だ。

  • [揺れ動く韓国ブランド市場 ⑤] 20・30代を掴む「自分だけのブランド」
  • < イザベルマラン >

ニューラグジュアリーで最も魅力的なのはまさに常に創出される新しいデザインである。伝統の逸品との最大の違いでもある。フランスのブランド、「イザベルマラン」は最近SPA(製造·流通一括衣類)会社のH&Mと共同デザインの製品を出してすぐにマニア層を確保した。

ロゴの力ではなく、自分の色で勝負

新世界インターナショナルマーケティングチームのキム・ソンヘチーム長は、「伝統的な高級ブランドが前面にロゴを掲げた製品で人気を集めたのとは異なり、最近の新興高級ブランドはロゴの代わりにブランドならではの独特なデザインで勝負をかけている」とし「ファッションに興味がある人ならデザインだけ見てもどのブランドなのかわかるほど、自分だけの色を明らかに持っているのが新興高級ブランドの特徴」と説明した。

ニューラグジュアリーブランドがあふれ続けるぶん、輸入国も多様化している。コンテンポラリーファッションの始まりともいえるアメリカのブランド「アレクサンダー・ワン」はもう国内でも伝統的な高級ブランドに劣らない名声がある。しかし、最近の新しい高級ブランドの生産拠点は、英国、フランス、ドイツ、スウェーデンなどへ拡大している。昨年、韓国に初めて登場した「アクネスタジオ」はスウェーデンのニューラグジュアリーブランドであることが消費者の視線をひきつけた。

ロッテ百貨店商品企画のイ・ジュヒョン氏は、「2000年代半ばに米国ニューヨークを中心とした都会的な感性のコンテンポラリーファッションが登場した後、今は北欧などからの輸入が増えてスタイルも多様化している」とし「それほどに、新しいという点から、新しい高級ファッションの人気はしばらく続くだろう」と展望した。

合理的消費にも影響

価格部門でも魅力的である。 500万ウォン台を遥かに超えるシャネルやルイ・ヴィトンなどの高級バッグの代わりにアレキサンダー・ワンのバッグは100万ウォン台前後で消費者に人気だ。価格は安いがデザインも伝統的な高級ブランドに負けないため、消費者が熱狂するのは当然だ。 「経済的な高級ブランド」の登場は20・30代のような若い世代をさらに引き込んでいるという点で注目される。国内初のコンテンポラリーファッション専門館の新世界百貨店本店フォーアンドファイブ(4N5)は、ここ1年間(昨年9月~今年8月)は前年に比べて20%に達する売上高成長率を記録した。同じ期間、新世界百貨店内のファッション衣類全体の売上高成長率が2%余りであった​​点を考慮すれば、平均よりも10倍も高い成長を達成したものだ。

このような成長の原動力もまさに20・30代の消費者だ。新世界百貨店本店の年齢別のファッション商品の購入の割合をみると、20・30代が2012年9月から昨年8月まで36.7%だったが、1年後には41.1%に増加した。この期間、40代の割合が22.8%から22.3%へ、50代が22%から20.4%に減少したことに比べると確かに若い世代の躍進が目立つ。

ファッション流通環境が急変している点も伝統的な高級ブランドではなく、ニューラグジュアリーブランドに有利である。代表的なものが編集ショップ(流通専門店)の勢力拡大だ。最近、ソウル弘大や狎鴎亭カロスキルには、単独ブランドの店舗はほとんどなく、編集ショップだけが並んでいる。複数のブランドを一か所に集め、消費者に選択肢を広げてくれるものが、ファッション流通の主流として浮び上がったのだ。編集ショップのコンセプトは、デパートにも適用されている。デパートの関係者は、「編集ショップの拡大は、春秋戦国のような新興高級ブランド現象を最もよく表している要素」と述べた。
  • 毎日経済_ソ・ジヌ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-09-28 17:58:29




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア