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ロッテと新世界…eBayコリアの買収戦で激突


  • ロッテと新世界…eBayコリアの買収戦で激突

Eコマース業界最高の大魚であるeBayコリアの買収戦候補は、最終的に流通業界の伝統的ライバルであるロッテ(ロッテショッピング)と新世界グループ(イーマート)に絞られたなかで、業界では今後買収戦の最終的な勝者が誰になるかによって市場の支配権が急変すると見ている。

7日の流通業界によると、ロッテショッピングの流通系列社の統合オンラインショッピングモール「ロッテオン」と新世界グループのEコマース会社「SSGドットコム」が、昨年に収めた取引き額はそれぞれ7兆6000億ウォンと3兆9000億ウォンだ。昨年は161兆ウォンを記録した国内全体のオンラインショッピング市場で、両社のシェアはそれぞれ4.7%と2.4%に過ぎない。取引き額20兆ウォンを誇るeBayコリアを胸に抱いたなら、ロッテの市場シェアは17.1%に、新世界グループは14.8%にまで上昇する。買収だけで業界首位のネイバーショッピング(16.6%)とクーパン(13%)を超え、一気にオンラインショッピングの最強者になりうるわけだ。

その反対に、買収に失敗した場合はEコマース市場で規模を大きくする絶好の機会を逃すだけでなく、ロッテか新世界と言われる、最も強力なライバルの力を大きくする悪手になる。このために両社は3月に行われた予備入札の段階から「絶対に奪われてはならない」とし、強力な買収の意志を示したことが分かった。

ロッテショッピングはロッテオンの不振を克服すると同時に、eBayコリア買収に力を入れるための緊急処方を吐き出した。最近、eBayコリアの戦略事業本部長を務めていたナ・ヨンホ副社長をロッテオンの新しい代表として迎え入れたことが代表的だ。これは当時ロッテショッピングが買収戦予備入札に参加した状態で行われた破格の外部人事スカウトだっただけに、業界ではeBaコリア買収を念頭に置いた動きだと解釈した。続いて最近ではこれまで専務クラスだったロッテオンの首長の職級を、ロッテショッピング内の他の事業部門である百貨店と同じ副社長級に格上げして力を添えた。

イーマートは最近、ファッションプラットフォームの「Wコンセプト」を買収し、SSGドットコムの事業領域拡大に乗り出した。さらに、これまでイーマートと新世界百貨店などのグループ系列会社の商品を中心に販売していたことから脱して、外部製品も販売できるオープンマーケットサービスをSSGコムに導入した。業界ではこの動きを、SSGドットコムの品揃えを従来よりも増やす一方で、国内最大のオープンマーケットであるeBayコリア買収のための準備作業として解釈する。

今回の買収戦の勝者を決定するカギは金額だ。 eBayコリア側は4兆5000億~5兆ウォンの価格を要求していると伝えられた。これはeBayコリアの昨年の償却前営業利益(EBITDA)である1500億ウォンの30倍の水準だ。 30年を営業してこそ投資した元金を回収できるという意味だ。

金融投資(IB)業界の関係者は「クーパンをはじめとするEコマース企業が赤字を出しているにもかかわらず、数兆ウォンの企業価値を認められているとはいえ、eBayコリアの市場シェアは持続して減少しており、物流インフラなどを備えていない点から金額は高いと見ている」と語った。このためにロッテショッピングとイーマートが今回の本入札で提示した価格に差があるだろうという分析も出ている。

買収戦の結果は、両候補の資金調達力に応じて異なると思われる。 IB業界によると、eBayコリアを買収するためには貸出(買収金融)を除いた2兆8000億~3兆8000億ウォンを買収側で用意できなければならない。

ロッテショッピングは昨年末から不動産を各系列会社に譲渡するなどの方法で、2兆ウォンを超える実弾を用意した。

昨年11月には店舗や物流センターの土地をロッテリッツに譲渡して7300億ウォンの現金を確保し、今年4月にはロッテワールドタワーとロッテワールドモールの株式をロッテ物産に渡して8300億ウォンの資金を追加で用意した。第1四半期の時点におけるロッテショッピングの現金性資産2兆4000億ウォンを勘案すれば、ロッテショッピング単独で整えることができる資金だけで3兆4000億ウォン近くなるわけだ。

イーマートもネイバーという心強い味方がいるだけに、かなりの資金調達能力を備えているという分析だ。 イーマートは今年初め、ネイバーと2500億ウォン規模の株式スワップを断行してコラボレーションを強化し、不動産資産を売却して1兆5000億ウォンの追加現金を用意した。第1四半期の時点で現金資産7300億ウォンに、イーマート加陽店を売却して6800億ウォンの追加資金を調達できるものと思われる。

一方、予備入札に参加したSKテレコムとプライベート・エクイティのMBKパートナーズは、この日の本入札に参加しなかった。 SKテレコムはオープンマーケットの「11番街」、MBKパートナーズは「ホームプラス」との相乗効果を狙ってeBayコリアに関心を持っていると伝えられた。 MBKパートナーズの関係者は「今日はひとまず参加しなかったが、継続して関心を持って見守る予定だ」と語った。

本入札締め切り後の優先交渉対象者の選定は、来週中と伝えられている。米国のeBay本社での理事会後に決定される可能性が高い。 IB業界の関係者は「優先交渉対象者がすぐに選定されるのは難しいものと見られる」と語った。
  • 毎日経済 | キム・テソン記者/カン・インソン記者
  • 入力 2021-06-07 21:41:03




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