韓ヤノルジャ社、「世界的なテックプラットフォーム」めざす


  • ヤノルジャ社のキム・ジョンユン部門代表


「ヤノルジャが描く世界テックプラットフォームは、Amazon(アマゾン)が電子商取引を革新した方法と類似していると思ってください」

孫正義会長がひきいるソフトバンク・ビジョン・ファンドから2兆ウォンの投資を誘致し、国内の情報技術(IT)業界で注目を集めたヤノルジャのキム・ジョン部門代表は、アマゾンの話から切り出した。韓国企業がまだ明確に位置づけしていない分野である「世界的なテックプラットフォーム」に堂々と成長するという抱負を何度も示した。

21日、ソウル市の三成駅の近くにあるヤノルジャ本社で行われたインタビューで、キム部門代表は「アマゾンは単純仲介の役割から脱し、物流から決済まですべての過程でデータが切れずに流れるメタプラットフォームを構築し、売り手と消費者の両方が革新を体感した」とし、ヤノルジャが追求するイノベーションの方向を示唆した。同氏は「アマゾンと同じように、ヤノルジャも旅行業界で宿泊・レジャー・レストランを運営する空間事業者からの予約サイトと、旅行までを網羅するプラットフォームを通じて、すべてが物のインターネット(IoT)と人工知能(AI)そしてブロックチェーンのような技術のメリットを体感させる企業になる」と強調した。

キム代表の言う世界的なテックプラットフォームは、これまで知られているビジネスモデルよりはるかに大きかった。同氏は宿所・レジャー・交通・レストラン・ショッピングを網羅する旅行関連のスーパーアプリだけでなく、このような分野でのオフライン事業者をオンラインに接続し、産業の文法を変える世界的なテックプラットフォームになると強調した。キム代表は「電子商取引、配達、モビリティなどの領域では技術企業を通じたデジタル革新が起きたが、空間に関する旅行業界では変化の速度は遅かった」とし、「ヤノルジャは予約から運営・販売・消費まで、旅行業で発生するすべての過程でデータが一つの流れにつながるし、オンラインと非対面ですべてのことが可能になるようにしたい」と語った。

ヤノルジャが定義するプラットフォームは、単に予約サイトやアプリを意味しない。無人キオスクと客室の自動化を支援するIoT機器などのハードウェアから、ソフトウェア的なクラウドソリューションまでを含むデータプラットフォームだ。このためにホテルのような販売者だけでなく、ヤノルジャアプリの競争相手でもあるオンライン旅行代理店(OTA)までが顧客になった。現在、130ヶ所あまりのヤノルジャ・クラウドソリューションの顧客のほとんどがオンライン旅行会社だ。特にヤノルジャはホテルの運営を支援するソリューションから、ホームページ予約を受け付けてさまざまな予約サイトに空室を配置し、最適化された価格を自動的に設定することまで統合ソリューションを提供する世界的にも唯一の事業者だ。

キム代表が構想するように、オフラインで収集されたデータが途切れることなく流れるようになればどうなるだろうか。キム代表は「自動化」「個人」「ESG(環境・責任・透明経営)」の3つの効果を提示した。たとえば宿泊事業者は数百室にも及ぶ予約サービスに空室を登録し、これを販売するすべての過程が自動化される。まだオンラインへの対応余力のない中小の宿泊事業者も、デジタル転換のメリットを享受することができる。旅行者は宿泊施設の予約と交通手段から周辺のグルメまで、カスタム化された正確な情報を提供される。また各種の財貨が浪費される旅行業界で、二酸化炭素の排出量や紙とプラスチックの使用量を大幅に削減することができる。

ソン会長のソフトバンク・ビジョン・ファンドが注目したのも、このような「テックオールイン(Tech All-in)」のビジョンだ。キム代表は、今回の投資は海外市場の拡張、技術的力量の高度化、人材を誘致するための戦略だとした。キム代表は「いまだに単純予約サービスとして過去のヤノルジャを覚えている人は多いが、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資でUber(ウーバー)やDoorDash(ドアダッシュ)のような世界的なテック企業であることを公式に認められた」とし、「すでにヤノルジャにまず事業を提供する所が大幅に増えた」とした。同氏は「ハードウェアとソフトウェアの開発と、そのための研究開発の人材確保に莫大な費用を投じることができるようになった」と説明した。キム代表は「ソフトバンク・ビジョン・ファンドのムン・ギュハク マネージングパートナーとリーダーたちに会ってから5年近くになるが、当時に受けた技術革新のためのアドバイスが大きな助けになった」と付け加えた。

特に今年は飛躍のための優秀な人材確保に力を入れている。長期的には旅行業界で、ESGの実現を支援する企業として生まれ変わることが目標だ。キム代表は「国内にも優れた技術企業は多いが、世界的な技術プラットフォームがなく、ヤノルジャが挑戦してみようとするのに最も必要なのが人材」だとし、「そのために常時在宅勤務を導入したし、これを望まない従業員のためのあちこちに拠点オフィスの設置を推進するなど、最高の職場環境を造成している」と語る。

同氏は続けて「ESG規制が強化されて電気自動車が普及するように、既存の産業のすべての文法が変わっている。旅行業でも効率的で環境に優しい経営が必須となるだろう」とし、「フェイスブックの成長速度が速すぎてGoogleが適時に対応できずにいる社会関係網サービス(SNS)の主導権を奪われたかのようにする必要があり、ヤノルジャは旅行レジャー産業で急成長するロケットになるだろう」と強調した。
  • 毎日経済 | オ・デソク記者
  • 入力 2021-07-21 21:56:25