新世界グループ、攻撃的な投資で「新世界ユニバース」構築



「オンラインとオフラインのすべての道は新世界に通じる」

今年に入って旺盛な食欲で新世界グループの全方位的な買収・合併(M&A)を陣頭指揮する鄭溶鎭(チョン・ヨンジン)新世界グループ副会長が夢見る「新世界ユニバース(universe)」を表現する言葉だ。

「ヨンジン兄さん(チョン副会長の別称)」の今年の上半期におけるM&Aの動きは、一見すると「衆口難防」であるかのように思われる。しかし、よく見てみると「流通」というカテゴリーの中でオン・オフラインコマースとスポーツやテーマパークなど、可能な限りすべてが顧客と接するチャンネルを確保すると同時に、分野間の事業連携によって相乗効果を最大化できる業種に集中していることがわかる。顧客が食べて、寝て、見て、買って、楽しむ活動をする際に他の選択をしなくても、新世界グループの系列会社の商品や店とサービスだけですべて解決できる世界を作るという同氏の目標に正確に合致する。

28日の流通業界や新世界グループによると、今年を大型のM&A元年としたチョン副会長が定めたM&Aでのツートラック戦略は、オンラインビジネスの規模と良質の人的資源を一度に得ることができるEコマース企業の買収、そして強力なブランドを前面に出して顧客に新しい経験を与えることができるライフスタイル企業の買収だ。

新世界グループはグループ史上最大のビッグディールであるeBayコリア買収に飛び込んだこともこのためだ。取引き額だけでなく顧客とセラーそして情報技術(IT)人材まで、オンライン事業の規模を一度に増やせる圧縮成長の機会としたわけだ。果敢な賭けのおかげで、SSGドットコムとeBayコリアを合わせた新世界グループの国内Eコマース市場の取引額は年間23兆9000億ウォンに、シェアは14.8%に増えた。これによってこれまでオフライン流通強者だった新世界グループは「国内Eコマース2位」というタイトルまでを握り、オン・オフラインを統合した国内1位の流通事業者としての地位を固めることになった。

Wコンセプト(W Concept)の買収は、最近のオンラインショッピング市場で注目される優れた「バーチカルプラットフォーム」を事前に確保するための試みとして解釈される。バーチカルプラットフォームは、食品・ファッションなどの特定の分野に特化したオンラインプラットフォームで、特に将来の顧客層であるMZ世代(ミレーニオル+Z世代)の忠誠度が高いことが長所だ。

また新世界は人材を引き寄せるブラックホールの役割を果たしている。 IT人材はeBayコリアで900人あまりが、Wコンセプトで200人あまりなど総1100人を補充した。顧客数も270万人の有料会員を含む2100万人をeBayコリアで、490万人はWコンセプトで確保した。

新世界グループが投資を集中したライフスタイル領域では、「オフライン流通業の未来は、顧客に新たな体験を提供することにある」というチョン副会長の特命に合わせ、さまざまな体験型コンテンツを強化している。新世界グループ固有の領域である流通業もまた、顧客の時間を取得するための競争という点では、本質的にスポーツやテーマパークとは異なるところがないと見たわけだ。

今年初めにSKワイバーンズを買収した後に新しい野球チーム「SSGランダース(SSG Landers)」を発足させ、今後はゆかりの地である仁川の青羅国際都市にドーム球場の建設計画までを明らかにしたことが代表的だ。さらに2031年に全体オープンを目指して「韓国版ディズニーランド」と呼ばれる華城国際テーマパーク事業を推進する。去る3月に用紙の買い取り費用として支払った8669億ウォンを含め、今後の新世界グループがテーマパーク開場まで投入する費用は総4兆ウォンを超えるものと予想される。

グランド朝鮮釜山とグランド朝鮮済州に続き、最上級の自社ブランドである「朝鮮パレス」を付けた一流ホテルをソウル市江南区のテヘラン路にオープンするなど、昨年から現在までに5つの新しいホテルをオープンし、来る8月に扉を開くリゾート「パラスパラソウル(PARASPARA SEOUL)」の委託運営に乗り出すこともオフラインでの顧客経験を拡大するための腹案だ。

系列会社間の連携マーケティングを通じてシナジー効果を出すことも、このような大規模なM&A戦略の重要な目標にあげられる。最近、スターバックスコーヒーコリアの株式を追加で取得してイーマートの子会社に編入させたことは、今後スターバックスブランドを活用した他の系列会社との多様なコラボレーション事業を強化するという意図と解釈される。

今回の持分の拡大によって、イーマートはスターバックスの国内販売関連の独占権を保有することになった。スターバックスを利用した既存の連携マーケティングに加え、独自の商品開発などに拍車をかけることができるようになったわけだ。

先だって新世界グループはSSGドットコムにスターバックスオンラインショップをオープンしたことに続き、最近ではスターバックス限定グッズをSSGドットコムで販売して良い反応を得た。 SSGランダースの本拠地にスターバックスとノーブランドのハンバーガー店を開く「野球マーケティング」にも乗り出した。今回の株式追加取得を踏み台にして今後はこのようなマーケティングをさらに強化し、スターバックスブランドを通じて新世界グループ全体のブランド価値を高める効果を狙うものと見られる。

業界では新世界グループの幅広い投資はしばらく続くだろうと見ている。まずオンラインショッピングの発送能力を高めるために、物流センターの建設に拍車をかける予定だ。これと関連し、グループ側は今後4年間で1兆ウォン以上のSSGドットコム物流センター「ネオ」に集中投資すると明らかにした。さらに一家族となったeBayコリア、戦略的提携関係にあるネイバーショッピングの大規模な物量までを、SSGドットコム物流センターを通じて処理して投資効率を最大化するという戦略だ。

またオンライン領土拡張のために追加のEコマース企業の買収にも力を注ぐ予定だ。グループの関係者は「不動産中心のグループ資産を戦略的に再配置してデジタル資産化を行ったり、顧客に体験を提供する事業に投資するつもり」だと説明した。
  • 毎日経済 | キム・テソン記者
  • 入力 2021-07-28 22:53:59