トップ > コラム > FOCUS > [揺れ動く韓国ブランド市場 ②] 30~40代はブランド名よりデザインと個性を重視

[揺れ動く韓国ブランド市場 ②] 30~40代はブランド名よりデザインと個性を重視

② 喜悲が分かれる高級ブランド・ニューラグジュアリー売上成長率 

  • [揺れ動く韓国ブランド市場 ②] 30~40代はブランド名よりデザインと個性を重視
  • < 昨年の国家別ブランド品市場規模 >

ここ最近、高級品の消費者がブランドの新しい製品に熱狂し、「個人輸入・並行輸入」も台頭したことで、高級品業界に赤信号が灯った。大半のブランドは、2012年以降に売上減少を経験し始め、売上高が増えても営業利益減少を避けることができなかった。いくつかのブランドは、百貨店から撤退するという屈辱も経験している。

▶ 高級品不敗は昔話…売上げ伸び率、一桁下がる

級品市場の成長が限界にぶつかっている問題はなにも韓国だけでなく世界的にも提起されている。グローバルコンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーによると、昨年、全世界の高級品市場規模は合計2170億ユーロ(約290兆ウォン)で前年度2120億ユーロ(約283兆ウォン)より2%増えた水準にとどまった。2009年1530億ユーロ(約204兆ウォン)、2010年1730億ユーロ(約231兆ウォン)、2011年1920億ユーロ(約256兆ウォン)など、不況の中でも10~13%ずつの2桁の成長率を続けてきた世界の高級品市場は、最近に入って成長が大きく停滞している。

特に韓国の高級品市場の規模は、2013年83億ユーロ(約11兆1000億ウォン)で、前年度よりわずか1%しか増えなかった。 2012年には前年より13%増え、初めて80億ユーロになったが、その後は成長が足踏み状態を示している。

最近、韓国関税庁が公開した輸出入貿易統計でも外国産のハンドバッグの輸入額は2009年の1億9385万ドル、2010年は2億9519万ドル、2011年は4億8461万ドルと、毎年50~60%ずつ増えたが、2012年には5億6423万ドルと、成長率が16%台に急減し、昨年は5億8768万ドルで4%増にとどまった。今年の輸入額も合計6億ドルで2%余りの成長にとどまる見通しだ。

ベイン・アンド・カンパニーのソン・ジヘパートナーは「高級ブランドの国内新規出店が激減し、デパートの投資もわずかとなり、アジア市場で唯一韓国の高級品部門の売上高が相対的に低迷している方だ」と指摘した。ロッテ百貨店海外ファッションチームのユン・ウオクチーム長も「輸入バッグなど高級品への韓国人の愛は相変わらずだが、この市場も不況の影響や他の新興ブランドの追随を避けることができないだけに、過去のように爆発的な成長は期待しにくくなった」と話した。

高級品の消費層が大幅に若くなっている点も、市場の変化の主要な様相である。

韓国の1世代高級品消費群は現在ほとんど60代以上で、すでに多くのバッグや時計を保持しており、これ以上、高級品購買欲求が高くない。一方、2000年代に入って高級品ファッションの主力消費群に浮上した30・40代はブランド名だけでは高級品の価値を区別しない。ボストンコンサルティンググループのキム・ユルリパートナーは「30・40代は投資や保有への関心が少なく、消費や瞬間の楽しさを追求する傾向が強い」とし「そのため、既存の高級品も中古品で使用したり、レンタル・共有することで、消費するだけでなく、価格が安くて個性が一段強くなった製品に特に熱狂する」と説明した。

  • [揺れ動く韓国ブランド市場 ②] 30~40代はブランド名よりデザインと個性を重視
  • < 喜悲が分かれる高級ブランド・ニューラグジュアリー売上成長率 >

▶ シャネル敗けてニューラグジュアリーに「世代交代」

かつてブランドマニアを自認していた主婦の某チョンさん(38)は、500万ウォン台を遥かに超えるシャネルやルイ・ヴィトンなどの高級バッグの代わりに、最近は100万ウォン内外のアレキサンダー・ワンのバッグの魅力にすっかりはまった。いわゆるニューラグジュアリー(コンテンポラリー)に属するブランド製品を、トートバッグとショルダーバッグに分けて2つほど購入した。チョンさんは、「ブランドバッグはもういくつも持っていて、むしろ価格帯はずっと低くてもデザインが一味違った製品を選んだ」と語る。

韓国の高級品市場が乱高下している。少数のブランドが名前だけで君臨していた時代は過ぎ、新興ブランドがファッション・雑貨・アクセサリーを問わず、各商品群であふれているからだ。韓国市場で疾走していたいくつかの伝統高級ブランドは、これらの新興ブランドの勢力拡大で、売上げ停滞や減少傾向を免れなくなっている。

専門家らは韓国の高級品市場が成熟段階に入って成長率は低下し、少数のトップブランドのシェアも少しずつ落ちる現象が現れていると分析する。新世界百貨店名品館の売上げ成長率は2010年の33%でピークに達した後、2011年に29.6%に小幅下落したが、2012年は8.4%、2013年には4.8%に落ちた。

特にバッグ・靴・ジュエリーなどの高級雑貨はさらに深刻で、新世界百貨店の名品雑貨の売上げ成長率は、2010年の40%から2012年に6.4%、昨年は3%台に急落した。

海外直購入と並行輸入などの流通経路が多様化したことも、高級品市場の激変に大きな影響を及ぼしている。韓国の高級品市場に、永遠の強者も永遠の弱者もない時代が来ているわけだ。
  • 毎日経済_ソ・ジヌ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-09-23 17:24:04




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア