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[揺れ動く韓国ブランド市場 ①] ロレックスは古臭い、シャネルとヴィトンも中古ショップへ

① 永遠の勝者はいない 

韓国の高級ブランド品市場の構造変化は、ほぼすべての商品群で現れている。伝統の逸品だからと無条件に売れる時代は過ぎている。代表的なのが、国内高価輸入時計市場だ。ロレックスなどの伝統的な時計ブランドの百貨店売上高の上昇幅は大きく減る一方、ウブロ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど、韓国市場では新興の高級時計として知られているブランドがこぞって躍進しているのだ。

  • [揺れ動く韓国ブランド市場 ①] ロレックスは古臭い、シャネルとヴィトンも中古ショップへ
  • < 19日昼、ソウル市内百貨店の閑散としたロレックス時計売り場の様子 >

伝統時計の保守的で固いイメージを脱げず

A百貨店によると、今年1~8月の百貨店内ロレックス売場の時計の売上高は、前年同期比でわずか4.2%増えたことが分かった。注目すべきはA百貨店の前年対比でのロレックスの売上高成長率が2011年28.6%、2012年19.8%、昨年5.6%などと毎年大幅に減少している点だ。

一方、ロレックスと同じように1000万ウォン台の主力商品を販売するオメガ、カルティエ、IWCなどの後続走者たちは今年1~8月にA百貨店でそれぞれ31.5%、13%、15.8%ずつ売上が増えた。さらに、前述のブランドより価格が2000万ウォン台とより高く、しかも韓国市場で最近認知度を広げているウブロ(10.1%)とヴァシュロン·コンスタンタン(33%)などの時計も二桁の売上成長率を記録し、既存のブランドを急速に追い上げている。

もちろんロレックスはデパート内店舗あたりの売上高基準ではまだ韓国市場1位を走っている。昨年、韓国支社全体の売上高も2012年より10%増の859億ウォンと最大値を記録した。しかし、韓国の輸入腕時計の市場のパイが、ここ数年の間に急激に大きくなり、新興ブランドが多く流入したことから、ロレックスのような1位のブランドの地位も揺らいでいる。

A百貨店の関係者は「新しいブランド時計が百貨店に続々と出店し、消費者が選択できる幅が増えた上、新興の時計ブランドの製品価格が高くても時計を頻繁に消費する人は気にしない」とし「時計も自分だけの個性を追求する消費傾向が強く現れており、伝統的な時計がやや停滞している」と説明した。

B百貨店の場合、2008年からロレックスなどの伝統的な時計ブランドは、ソウル店舗からすべて抜け、地方に移動した。その代わりに、この百貨店は価格がはるかに高い2000万~3000万ウォン台の超高価新興ブランドを中心に、ソウル店舗の売り場を飾った。

B百貨店側は「ロレックスのようなデザインが多少固陋した感じを与える古典的な時計は、売上高の増加幅が小さく、首都圏の店舗からは、ずいぶん前に撤退した」とし「新興時計は値が高くても、さまざまなデザインを披露するハイエンドの時計なので、購買力の高い消費者に脚光を浴びている」と述べた。 C百貨店でも今年1~8月時計の売上高は、ロレックス、カルティエ、IWC、オメガ、タグホイヤーの順に高いが一桁の売上成長率を見せたロレックスに比べて2位カルティエは、昨年より10%以上売上高が増加した。

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  • < 新興時計ブランドの躍進でロレックスの地位が揺れる / ロレックス百貨店売上高成長率 >

猫も杓子も持っている「3秒バック」の人気もストップ

高級ブランド市場が成熟期に入った状態で、景気低迷まで重なり、服・雑貨部門の3大ブルーチップとして通っていたシャネル、ルイヴィトン、エルメスも最近では、下り坂を歩いている。

「3秒バッグ」(韓国で3秒ごとに見ることができ、それほどありふれているバッグ)の代名詞ルイヴィトンはここ3年以上、主要百貨店ごとに売上高の逆伸長を記録している。昨年、数回価格を上げてから買い占め効果を誘導していたシャネルもA百貨店で今年1~8月の営業期間の半分またはマイナスの売上を出した。残りの月も1~2%台の小さな実績を記録しただけだ。

流通業界の関係者は、「シャネルの製品は、これまで価格に関係なくよく売れたが、今年に入っマイナスの売上を出す店がたくさん出ている」とし「数年前にルイ・ヴィトンに見られた現象だが、シャネルも市場に多く流通し『3秒バッグ』隊列に入る兆しを見せている」と雰囲気を伝えた。

ルイ・ヴィトンは、B百貨店で今年1ㆍ2月を除いて、6か月連続マイナスの売上高を記録した。さらに、二桁台の逆伸長を記録した月もあった。エルメスは、主要なデパートで二桁台の売上高成長率を出しているが、コアアイテムであるバーキンバッグとケリーバッグの国内供給を全面中断した。希少価値が下がると、今後、ブランドイメージの低下という大きな危機を座礁する可能性があるという判断による措置と見られる。

特にシャネルとエルメス製品は、最近、中古販売店でもあふれ出てきて、伝統的ブランド品の地位の低下をそのまま示している。ベイン·アンド·カンパニーのソン・ジヘパートナーは「高価なブランド品を主に購入する30代後半~40代前半の消費者が教育費支出と老後の備えなどの理由で高価で伝統的なブランド品の消費には財布を開かずにいる」と述べた。

ニューラグジュアリーファッションの売上は跳ね上がる

名前は多少なじみがうすいが、異色なデザインで武装したコンテンポラリーファッションブランドは、ニューラグジュアリーとも呼ばれ、消費者に脚光を浴びている。

現代百貨店のブランド品部門の売上高成長率は、2012年までは19.4%でコンテンポラリーファッション部門の15.3%を上回ったが、昨年12.4%に減った後、今年も1~9月現在までに11.2%を記録している。一方、コンテンポラリーファッションは昨年22.8%で、高級部門の成長率を破った後、今年も1~9月23.8%と高空飛行中だ。

現代百貨店ソウル狎鴎亭本店のジャディク・アンド・ヴォルテール店舗の場合、月平均3億ウォンを超える売上を記録して、この百貨店のコンテンポラリーファッションブランドの1位を走っている。該当の百貨店はトムグレーハウンド、ムイ、PH3.0など、コンテンポラリーファッションブランドだけを別に集めた編集ショップまで主要店舗を中心に運営し始めた。現代百貨店の関係者は、「既存のコンテンポラリーファッションの主な購入年齢層は30・40代だったが、最近では、年齢層が大幅に拡大されている」とし「伝統ブランド品より価格は安く、自分だけのスタイルを演出してくれることもあり、安定した愛を受けている」と語った。
  • 毎日経済_キム・ジミ記者 / ソ・ジンウ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-09-23 17:23:57




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