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【韓国コラム】手先の器用な兄弟の金持ち遊び


農村に手先の器用な兄弟が暮らしていた。農期には強い日差しの中で汗を流すが収穫が終わると、兄は家具を作り弟は陶磁器を焼くため、とても忙しく過ごしている。

自分たちの目にはなかなかいい家具や陶磁器が作られたが、売るところがない。自分たちが使ったり、親戚や隣人に分けてあげるだけだ。優れた手先の器用さも兄弟たちを豊かにすることはできないだろう。

しんしんと降り注ぐ雪で道が塞がってしまった冬の日、兄が突然こんな問いを投げかけた。

「僕が作ったこの椅子なんだけど、売ったらいくらもらえるんだろう?」
「そうだね。僕は知らないよ。買ってみないと分からない」
「君ならいくらで買う?」
「そうだね、1万ウォン」
「それはとても安い。10万ウォン以下なら売らない」
「よし、10万ウォンで買った」

兄は椅子を渡しながらお金をくれと手を差し出した。すると弟は自分が焼いた皿を差し出して「これ15万ウォンだから、おつりを下さい」と答えた。

冗談で家具や陶磁器の値段を上げると兄が作った家具のうち高いものは2千万ウォンまで上昇し弟が作った花瓶は高麗青磁よりも高い億ウォン台に達した。

「俺たち、すごい金持ちだ。そうだろう?」
取引が終わりに近づくと弟が笑いながら言った。
「金持ちじゃなくて財閥だよ、財閥!」
兄はさらに欲を出した。

最近、韓国の住宅価格を見ると人足が途絶えた冬の日、兄弟がしでかした「金持ち遊び」のように感じる。近くに高速鉄道の停車場ができたり何か少しでも理由ができれば住民たちは一致団結して住宅価格を引き上げるのに必死になる。

頭に来たほかの町も一緒に値上げする。
住宅価格を上げる理由がなくても大丈夫だ。
まあ、「傾向」だから。

兄弟の「金持ち遊び」は一時的な余興だったが、住宅価格は遊びでは終わらない。誰かには不労所得で笑いを届けるが、誰かには生きている間、生活することができないような絶望を抱かせる。

韓国土地住宅公社(LH)が最近、「現在の住居状況は安定していると思うか?」という質問に対し、チョンセ (伝貰: 賃貸契約時にまとまった保証金を払うことで、月々の家賃を支払う必要がないというシステム) や月払いの家賃の居住者の中で、「はい」と答えた人は33.5%に過ぎない。自分の家に住む人の63.6%が肯定的な答えを選んだのとは差が大きい。

住居に不安を感じない少数の中には住宅を買う余力があるが今すぐ必要がないと感じて買わない人、職場の位置などを理由に他人の家に住んでいる人もいるはずなので、実際は借主のほとんどが住宅に不安な状態だと考えるのが正しいだろう。

韓国で住宅価格は歴代政権に与えられた宿題、どの政権も解決できない宿題だ。マイホームを持っている人を刺激しても票を得るのに良いことはないということが、問題を解くのを難しくさせる。本当に住宅価格を安定させ庶民の住居安定のために政治生命をかける政治家がいるのか疑問が浮かぶ。
  • Lim, Chul
  • 入力 2021-08-21 00:00:00




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