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サムスン電子の5大競争力に警告灯、ベトナム工場も負担になりうる

適宜投資・網の目在庫管理システムの強化 

  • サムスン電子の5大競争力に警告灯、ベトナム工場も負担になりうる
  • < 揺れるサムスンの5大競争力 >

「今日のサムスンを作った強みが、いまや一部では弱さとして作用していますね。研究開発(R&D)投資を多く行っているけれども源泉技術が不足し、先制的投資を行ってきたが、いまや荷物となっています。はやく競争力を回復する必要があります」。

A教授の説明だ。A教授はサムスン電子の、公式・非公式の外部諮問委員会として活動を行ってきた。これまでサムスン電子のために土曜日にも水原事業場に行き、技術と経営全般に関する助言に応じたが、昨年末からは会議ごとに重苦しく感じたと語る。A教授は、「サムスン電子は毎年、天文学的な研究開発費を投資する。しかし世界を驚かせる創意的製品は依然として出てこない。原因が何なのかを再確認しなければ」と強調した。

このように、専門家らは第3四半期の業績が急落することが予想されるサムスン電子の無線事業部で、「一等DNA」を回復できない場合は、長期低迷を抜け出せないと分析している。最も指摘されているのは「源泉技術の不在」だ。

2011年以来10兆ウォン以上を投資して、昨年には14兆7804億ウォンを投資するなど(今年上半期まで7兆7351億ウォン)、技術開発に力を入れているが、リーダーシップと意思疎通の不在で、革新的な技術が市場に出ていないということだ。代表的な例の一つとして「メタル&スリム」フォンが挙げられる。GALAXY ALPHAから核心概念として「メタル&スリム」を掲げたが、すでにアップルと中国のシャオミ(小米科技/Xiaomi)が先取りした分野だ。

前サムスン電子の幹部B氏は、「中国市場でシャオミに1位の座を差し出した原因を分析した結果、シャオミがメタル&スリムフォンを3000元で出したことを挙げ、突然経営陣がこの携帯電話を開発するように指示したと聞いている」とし、「依然としてアップルのアンテナ性能を嘲笑するが、サムスンもまたアンテナ性能を引き上げるために苦労している」と語った。また別の関係者は、「サムスン電子が最近、現場強化の名目で研究開発職をすべて現業に配置しているが、中期課題や将来技術は相対的に弱体化している」と指摘した。

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  • < サムスン電子研究開発費投資 *サムスン電子公示 >

今日のサムスンを作った核心競争力である適宜投資と、網の目のような物流網を作って在庫を減らしたシステムも、動揺することなく維持されなければならないという意見が多い。GALAXY S5の販売が不振で「在庫管理」に警告灯が灯ったためだ。戦略スマートフォンの販売不振で、マーケティング費を過剰に使ったことから業績が悪化した。問題は、年4億台以上のスマートフォンの生産を念頭に置いて投資したベトナム第2工場、システムLSI工場、能動型有機発光ダイオード(AMOLED)工場などが、当分の間少なくない後遺症に苦しむしかないということだ。

IBK投資証券のイ・スンウ研究員は、「システムLSI事業部は、第2四半期に続いて第3四半期にも大規模な赤字が避けられないし、高価格フォンの出荷減少の影響で、AMOLED事業部は赤字転落が予想される」と分析した。

サムスンの内部事情をよく知っているC氏は、「スマートフォンが盛んに売れたときに建てたベトナム・イェンビンの、年間1億2000万台規模の第2携帯電話工場が今年から稼働する。フラッグシップ・スマートフォンの販売が引き続き不振だと、これから大きな負担になりうる」と警告した。

業界ではサムスン電子が「一等DNA」の回復のために実績顕示式の製品発売を止揚して、コンテンツ・サービス・ソフトウェア・プラットフォームに至るまでの生態系をつくるべきだと助言した。アスペック研究所のチャ・ウォニョン所長は、「必ずプラットフォーム中心の生態系を作るべきだ。サムスンは時間がない。サムスンの強みだったスピードを生かして、果敢な買収・合併で2年程度で完成しなければならない。そうでなければ恒久的危機に直面しうる」と語った。
  • 毎日経済_ソン・ヂェグォン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-09-29 17:39:32




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