トップ > コラム > 「速い」はずの5Gだが利用者は不満…「体感速度上がらず」

「速い」はずの5Gだが利用者は不満…「体感速度上がらず」


  • 「速い」はずの5Gだが利用者は不満…「体感速度上がらず」

■ 体感速度「上がらず」

導入3年めを迎える第5世代(5G)通信の平均転送速度は、従来の4G(LTE)よりも最大で5倍まで速くなったと調査された。しかし国民が主に利用する、映像をはじめとするサービスの速度は依然として4Gと同様の水準にとどまっており、体感速度の向上は遅いと分析された。ネットフリックスやYouTubeのような付加通信事業者が、既存の4Gと同等の速度を維持しているからだ。

政府はメタバースと高画質動画サービスを5Gで利用すれば体感速度は速くなるという立場だが、そのためには産業がより成熟して多くの消費者が使うことのできる環境が造成されなければならない。このように5Gの高い速度をすぐさま体感することが困難な状況であり、「5G集団訴訟」のような消費者の不満が続く可能性もある。

31日の科学技術情報通信部が発表した今年の5G品質評価の中間結果報告書によると、移動通信3社の転送速度はダウンロードは平均808.45Mbpsで、アップロードは平均83.93Mbpsを記録した。昨年よりも17~30%ほど性能改善された数値だ。 SKテレコムがダウンロード923.20Mbpsで、通信3社の中では最も速度が速かった。

これは4Gに比べて大幅に改善された数値だ。昨年の下半期の時点で、LTEのダウンロード速度は平均153.10Mbpsで、アップロード速度は平均39.31Mbpsだ。業界の関係者は「LTEは基地局を新たに設置せずに維持・補修だけしている」とし、「スピードと品質を維持するだけのレベル」だと語った。今年も似たような水準を維持したと仮定した場合、5Gは4Gに比べてダウンロード速度は5.2倍に、アップロード速度は2.1倍にさらに速くなる。

■ コンテンツはまだ「4G」レベル

ただし現在は5Gネットワーク速度を消費者が直接的に体感することは難しい状況だ。ネットワークが高速道路であるとすれば、この「高速道路」上をYouTubeやネイバーとネットフリックスなどの付加通信事業者が「自動車」を運転する構造だが、自動車の速度を大幅に高めていないからだ。

前回の通信サービスの品質レポートを見ると、YouTubeとネイバーTVやカカオTVなどのモバイルビデオサービスの転送速度は16.63Mbps(2019年)~19.36Mbps(2020年)にとどまった。

科技情報通信部のチョン・チャンリム通信政策官は「利用者が主に使うメッセンジャーと動画ストリーミングは20Mbpsなら充分に利用可能なため、既存の4Gと比較したときの体感品質の差は大きくならないことがある」とし、「今後は拡張現実(AR)と仮想現実(VR)や高画質動画など、5Gに特化したサービスが拡大されると4Gとの比較で体感品質が良くなるだろう」と明らかにした。

しかしメタバースの場合はまだ産業の初期段階であり利用する人もあまりいないばかりか、4Gの時にはメタバスサービス自体がなかったので、4Gを使用している途中により高価な5G料金制に乗り換えても速度の向上を体感できない消費者の不満は続くと予想される。韓国消費者連盟をはじめとする消費者団体によると、5G消費者の苦情は昨年は1995件に達している。

■ 拡張される5Gインフラ

品質論争にもかかわらず、5Gインフラは徐々に拡大される傾向にある。

通信3社のカバレッジ範囲は平均で約6271.12平方キロメートルだ。これはソウル市と6つの広域市はすべて5Gがカバーし、地方の中小都市にも流動人口の密集地域には5Gがサービスされることを意味する。 LGユープラスが6805.25平方キロメートルで、最もカバレッジ範囲が広かった。デパートと空港など複数の利用施設4500ヶ所の中で5Gを利用することができるのは、3社で平均3707ヶ所だった。 KTが4205ヶ所に設置して、最も多くのサービスを提供した。
  • 毎日経済 | ナ・ヒョンジュン記者
  • 入力 2021-08-31 19:58:15




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア