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[FOCUS] キダルト産業が注目を浴びる理由、幼年時代が恋しいのか?

キダルト(Kidult=kid+adult) 

  • [FOCUS] キダルト産業が注目を浴びる理由、幼年時代が恋しいのか?
「キダルト(Kidult = kid + adult)」という用語は、1980年米国ニュージャージー州スティーブンス工科大学に在学中だったジム・ワード・ニコルスが初めて使用し、1985年にニューヨーク・タイムズに彼の記事が載り、人びとが使い始めたと知られている。子供のような感受性を持つ大人と呼ばれたり、まだ幼児期の思考から抜け出せていない「ピーターパン症候群」と混用されたりもする。

しかし、「キダルト」が熱狂するおもちゃなどは、彼らにとってはお金の惜しくない趣味であり、「自己実現」の一手段でもある。2000年代から国内でも「キダルト文化」という表現が使用され始めた。草創期の彼らに対する否定的な認識はいまや大きく変わったが、彼らのアイデンティティに関する分析は依然としてスペクトラムが広い。

ソウル大学心理学科のクヮク・グムジュ教授は「競争社会のストレスで疲れ切った大人たちは、ミスが容認されて責任感を減らすことのできる幼年時代の安楽さに戻りたい心理が大きくなる」と「幼少時代を彷彿とさせる媒介物であるおもちゃを介して心身の安定と幸福を切望しながらキダルト文化が定着された」と分析した。

お金なかった幼少時代から今では購買力を備えた大人になった彼らがキダルト産業を支え、キダルト文化は大きく広がっている。

亜州大学社会学科のノ・ミョンウ教授は「消費主義文化が広がり、キダルト文化はほとんどの国で発生している」とし「消費主義が早く定着された米国、日本の場合、すでに10~20年前にキダルト文化が自然な現象になった」と述べた。

しかし、経済的な独立が遅れて発生する「退行現象」という意見もある。翰林大学社会学科のシン・ギョンア教授は「経済的な独立が遅れ、若い世代がより長い時間を親に依存しており、『カンガルー族』となる傾向が濃くなっている」とし、「親から独立が遅くなる世代が量産され、成年に達したが、幼少時代に味わった遊び文化を振り切れない珍現象が発生している」と述べた。
  • 毎日経済_キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-09-26 15:34:10




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