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【韓国コラム】スポンサー検事


スポンサー。

辞書的定義は、こうなっている。

「イベント、慈善事業などに寄付金を出して助ける人、広告主」

このような定義に否定的な意味は全くない。

市民はこのような辞書的定義をそのまま受け入れるのだろうか。

街角で肯定、否定を問うなら、70~80%が否定的な単語ととらえるだろう。

他の国は分からないが少なくとも韓国社会ではそうだ。

以前、高位公職者、判事、検事、ジャーナリスト、そして教授が金や接待を受けるのは当然のことのように思われていた。スポンサーがいなければ無能だという意味も含まれていた。将来出世する可能性があまりないので、大切な存在だと感じてお金を与えて接待する人もいないという意味だ。

成功してお金を貯めた事業家の中で、検事、記者、教授と親しくなろうとする人が少なくなかった。別に助けを求めて小遣いをあげたわけでもない。ただ検事、教授、記者とお酒を一杯飲むと、いつの間にか自分がかなり有能に見え上流社会の一員になったような気分になるからだ。

昔は検事や判事、記者、教授たちの給与が多くなかったため、スポンサーの誘惑を振り切ることも容易ではなかった。特に何かを望むわけでもないのに渡されるお金と供応を断ることも容易ではなかった。頑なに断れば世間知らずで、一人で生き残ろうとする一匹狼のように思われることもあるからだ。

接待やお金を受け取っているうちに慣れてくる。お酒を飲んでいる時、その代金を出せと自ら要求するまでになった。

世の中の物事がそうであるように、もらうものがあればあげる時もあるものだ。事業が何の問題もなくうまく行くとは限らない。窮地に追い込まれたスポンサーはこれまで投資した代価を受け取ろうとする。

そうなると事件が起こる。

法とは全く関係のない記者や教授たちも、でたらめな記事や良心に反する研究報告書で物議をかもすが、判事や検事たちが支払う代価は法治社会の根幹を揺さぶることになる。特に捜査権と起訴権を握っている検事たちはない罪も作り出し、ある罪を覆ってしまう恩返しをするようになる。

キム・ヒョンジュン検事スポンサー疑惑、ベンツ女性検事、釜山(プサン)地検の性接待スキャンダル、株式大当りスポンサー事件は、このような経路で起きた事件だ。

公職者やジャーナリストに接待を禁止する「金英蘭法」が発動したにもかかわらず、スポンサー文化は依然として健在している。物質万能主義の社会で金銭の誘惑を振り切ることは簡単ではない。そのうえ、たまたま事件が起きても同じ釜の飯を食った仲間の検事たちが押しつぶしてくれるので最悪の場合でも当てにするものがある。

スポンサー検事が消えない理由でもある。

韓国人たちが見るに韓国の検察は腐敗した組職だ。忘れかけているとスポンサー検事が登場する。

自分を水産業者だと騙し100億ウォン台の詐欺容疑を受けているキム某氏は、これまでジャーナリスト、政治家、女性芸能人に金品や供応を提供した。現職検事も含まれている。

最高検察庁が見るに忍びなかったのか組職の問題を診断するための目的だったのか、全国の検察にスポンサーがいるのかを尋ねた。この調査に答えた検察組織員は20%しかいない。

調査に答えない検事の8割はスポンサーがいるということだろうか。
  • Lim, Chul
  • 入力 2021-09-11 00:00:00




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