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【韓国コラム】一言で名節にたまったストレスを発散する


週末まで合わせてなんと5日間の長い秋夕(チュソク、旧盆)の連休が終わった。新型コロナウイルスの影響で帰省は閑散としていただけに交通事故も減ったが、いつものように今年も満月を見るのが恥ずかしいと感じるような傷跡も残した。

警察の集計によると、名節(旧盆と旧正月を意味する)の連休中に112番に通報された事件が、昨年の秋夕よりも1日平均11.8%増加した。犯罪の通報は1.2%増え昨年とほぼ同じ水準だったが、家庭内暴力は平均3.6%増えた。特に児童虐待の通報は59.9%増加した。

児童虐待の通報が急増した理由について警察はこのように説明している。

児童虐待に対する社会的関心が高まり少し疑いを抱いただけでも周りが通報するため通報件数が増えた。

通報件数が増えたからといって子供を虐待する親が多くなったとは断定できないという意味だ。しかし、周囲の人々が疑いを抱くくらいであれば、日頃親が子どもに接する態度に問題があったり傍から見て親の行動が度を過ぎていると感じたに違いない。

そのため、いくら好意的に解釈しても児童虐待がいくら話題となっても、親が子供に接する態度が変わったとは考えにくい。

一家3人が命を絶ったという極端な事件は全羅南道(チョルラナムド)長城(チャンソン)で発生した。秋夕連休の初日である18日の朝に起こったことだ。

50代の夫婦と70代の老母が亡くなり夫は倉庫で、妻は車両の後部座席で、老母は奥の間で死亡した姿が見つかった。遺体が発見された場所がそれぞれ異なることから、夫が妻と老母を殺害した後、自ら命を絶ったものと考えられる。

大田(テジョン)に住むこの夫婦は同日未明、老母の住む故郷の家を訪れたが、なぜこのような惨劇が起こったのか、まだ確かな原因は明らかになっていない。

警察は嫁姑の葛藤によるものではないとみているが、帰省が影響したのは明らかなようだ。

長い連休に一つの家で過ごすと大小の争いが起こるに決まっている。嫁と姑の仲が良くても義理の姉妹、兄弟姉妹の間でも張り詰めた緊張が漂ったりする。家族の支えとなり和気あいあいとした雰囲気にしてくれる誰かの存在が切実に感じられる。

そんな人が1人でもいると、緊張は和らぎ久しぶりに兄弟姉妹、一家、親戚が集まって良かったという気がする。

このような武器を持つためには犠牲が必要だ。時間を作らなくてはならないし、お金を十分に出す余裕も持たなければならないし、人それぞれ違う事情を察することもできなければならない。

犠牲になる気持ちさえあれば誰でもその誰かになれる。しかし、容易なことではない。

名節を過ごした後、腹を立てる妻に「君だけが大変なのか。僕も死にそう」と言わなければいい。

イライラも不満も伝染し笑いも伝染する。笑ってて喧嘩になると大きな禍に広がるように、悔しい気持ちを慰めてあげると温もりは冷たいリビングも温かくする。

連休明け、名節の後遺症を克服するための様々な方法が紹介されている。

外食すること、妻に休息を与えること、財布をプレゼントすること、思いっきりショッピングを楽しむこと、普段好きな音楽を聞きながらお茶を飲むこと、書店や美術館、図書館に行くこと、自分より苦しい境遇の人のことを考えること、無理にでも笑いクールに忘れること…。

しかし、温かい一言よりも良い方法を見つけるのは難しいだろう。

「名節を過ごすのが大変だっただろう。僕が何をしてあげようか?掃除、皿洗い、ゴミ捨て、洗濯、全部してあげるよ!」

「腹を立ててごめんよ。君も大変だったろうに」
  • Lim, Chul
  • 入力 2021-09-25 00:00:00




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