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韓国農業を襲う「尿素大乱」…肥料の値上がりと購入制限


尿素の品切れによる「尿素大乱」が農家にまで打撃を与えるという懸念が高まっているなかで、一部地域の農協は肥料店での買い占めと売り惜しみを防ぐために、一人当たりの購入数量を制限する措置をとり始めた。 去る5日、京畿道浦川(ぽちょん)市のある肥料工場の前に、生産された肥料の一部が積まれている。 [パク・ヒョンギ記者]
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「尿素水のために貨物業界が苦労していると言うが、地域の農協ではもっと難しい。肥料価格が上がると考えて、あらかじめ在庫を確保しようとする人々で騒がしい」。

中国の海管総署が先月11日(現地時間)に尿素とカリウム肥料やリン酸肥料など、総29種の肥料品目に対する輸出検疫の管理方式を強化し始めたことから、「尿素品不足現象」が国内経済を揺るがしている。中国に輸入依存度の高い自動車用尿素が底を尽き始めて物流業界が困難を訴えるなかで、肥料の主原料である農業用尿素まで需給難が現実化している。

政府は農業用尿素は中国の輸入比重は半分ほどに過ぎず、車両用尿素とは事情が異なると説明したが、国内肥料業界では「現実を知らない話」だという抗弁が出ている。

去る5日の業界によると、国内肥料メーカーのファーム韓農は来週から蔚山肥料工場の稼働を中断する予定だ。同社はすでに去る9月以降、農業用尿素を輸入できなかった。現在、蔚山工場に残っている尿素の在庫量は通常の肥料に使用される一日あたりの分量にも満たない300トンに落ちた。農林畜産食品部と中国を除外した代替輸入先の確保を議論しているが、明らかな対策がなく、いつ再び肥料工場を稼働するか分からない状態だと伝えられた。

ファーム韓農の関係者は「中国が尿素だけでなくリン酸二アンモニウム(DAP)の輸出まで規制したことで、リン酸質肥料も生産支障をきたしている」とし、「世界3大カリウム輸出国であるベラルーシに対する米国・欧州連合(EU)の経済制裁が来月に現実化すれば、カリ肥料も原材料の需給難をきたすしかない」と憂慮した。

肥料業界では、農閑期である11月は幸いなことに肥料需要が多くないが、来年初めの農耕機に突入すると、需給悪化で農家の被害が現実化するおそれが高まっている。国内の農家では尿素を主原料とする硝酸質肥料とリン酸質肥料、カリ肥料などを主に使用するが、硝酸質肥料の市場シェアは50%に達することが分かった。

韓国肥料協会の関係者は「農業用尿素の1トン当たりの取引き価格は先月末に900ドルで、年初との比較で3倍近く跳ね上がったが、肥料メーカーが輸入できずに在庫は底をつく状況」だとし、「来年は農家が希望する肥料量をきちんと納品できるか不確実だ」と吐露した。

実際に、買い占めと売り惜しみに対する政府の取り締まりにもかかわらず、農家の現場では混乱が大きくなっている。一部の肥料販売店では硝酸質肥料の販売を制限するところまで現れている。尿素不足事態の長期化に備え、来年に使う肥料をあらかじめ購入しようとする農民と、硝酸質肥料を利用して尿素水を作ろうとする貨物車のドライバーが押し寄せた余波と考えられる。

今回の尿素品切れ事態が肥料業界にまで広がり、農林畜産食品部も事案を鋭意注視している。農食品部の関係者は「最近、車両用尿素水不足の問題が広がり、農民の不安が大きくなっている」とし、「一部では過需要まで発生する雰囲気なので、買いだめができないように農協にも協力を求めた」と語った。

一般的に韓国の農民は、肥料を耕作地付近の地域農協を通じて購入する。農協中央会が地域農協の肥料需給を把握し、ファーム韓農、南海化学(NAMHAE CHEMICAL)、プンノン(Pungmomg)、チョビ(CHOBI)、韓国協和、KGケミカルなどの肥料業者を対象に一括購入した後、地域農協を通じて農民に配布する方式だ。農協中央会は現在、肥料在庫量に対して「過大需要を発生させることがありうるため、外部に公開できない」と語った。

一方、産業通商資源部は今回の尿素品切れ事態の根本的な原因は中国に対する高すぎる輸入依存度にあると見て、尿素の輸入先の多様化を積極的に検討している。現在、中国を代替できる国としてはロシアやカタールなどがあげられる。ただし中国産尿素に比べて経済性が落ちるなどの指摘が多く、実際に効果があるかどうかは見守らなければならないというのが業界関係者らの意見だ。
  • 毎日経済 | パク・ユング記者/ソン・グァンソプ記者/カン・ミンホ記者
  • 入力 2021-11-06 11:18:19