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「テスラよさらば」…完成車世界トップ5、EVカーで反撃


  • 「テスラよさらば」…完成車世界トップ5、EVカーで反撃

世界の電気自動車市場でテスラの独走はいつまで続くか?内燃機関車中心の乗用車を製造する「ビッグ5」が続々と完成度の高い電気自動車(EVカー)を生産し、その間隙をすばやく狭めている。韓国の現代・キア自動車とヨーロッパを代表する独フォルクスワーゲングループ、米国ビッグ2のジェネラルモーターズ(GM)とフォード、日トヨタはそれぞれ異なる「5社5色」戦略を掲げる。

16日の業界によると、現代・キア自動車の潜在成長力が高く評価される理由は「S・T・P戦略」に忠実なためだ。市場を細分化(Segmentation)した後、主要消費者層を定立(Targeting)し、電気自動車を差別化(Positioning)する戦略を掲げる。

今年の現代自動車「IONIQ 5(アイオニック5)」とキア自動車「EV6」、ジェネシス「GV60」などの専用電気自動車を相次いで出した現代自動車グループは、自社プラットフォーム「E-GMP」でこれらの車両を生産する。現在、総合完成車企業の中で最も優れた電気自動車プラットフォームには、現代自のE-GMPとフォルクスワーゲングループの「MEB(Modular electric drive matrix)」そしてGMの「Ultium(アルティアム)」などがあげられる。

この中でE-GMPが最も目立つのは、ホイールベース(軸距)が長いという点だ。ホイールベースが長いほど室内空間は広くなる。準中型スポーツユーティリティ車両(SUV)であるアイオニック5はホイールベースが3メートルで、大型SUVの「Palisade(パリセード)」(2.9m)よりも長い。デリム大学未来自動車学部のキム・ピルス教授は、「ホイールベースを少しでも長くするにはバッテリーの配置も調整しなければならないだけに、決して容易な作業ではない」と語る。

現代自動車は電気自動車の需要層をまずは「外形優先」と「室内空間優先」に区分(S)した後、キャンプなどの各種野外活動に関心が多い国内外の30~50代の消費者を狙い(T)、室内空間と走行便宜性に注目した電気自動車を出した。前車との走行間隔を調整していき、自動的に進む・停まるを繰り返す現代自動車グループの「スマートクルーズ」機能は、他の輸入車を圧倒するという評価だ。

カギはやはり差別化(P)だ。これには「サービス」の概念が入る。現代車はアイオニック5を自律走行基盤のロボタクシーとして開発し、来年はソウルでパイロットサービスを展開する。乗用車と商用車、特殊目的車(PBV)、都心航空交通(UAM)、ロボティクスなど、すべての移動手段で一つの統合データプラットフォームを構築している。ネイバーの最高技術責任者出身で、今年4月に現代自動車グループに迎え入れられたソン・チャンヒョン社長は「すべての移動手段内のデータをひとつにまとめると、スマートフォンアプリのようにドライバーは車両の各種情報とサービスをいつでもどこでも利用できるようになるだろう」と説明した。

専門家らは現代自動車グループがソフトウェア開発に注目することが、他の未来自動車の開発業者と区別されると見ている。デリム大キム教授は「単純に車両だけを作るのではなく、消費者との接点を広げ、ブランド価値と消費者の忠誠心を引き上げる事こそ現代自動車グループのS・T・P戦略の頂点」だと分析した。

現代・キア自動車には競争者を追撃し、はじきとばさなければならない課題が残っている。

世界の完成車企業1位の独フォルクスワーゲングループは、ドイツのヴォルフスブルク本社近郊に新しい最尖端技術工場を建てる。この工場では高度な自律走行機能を搭載した電気自動車をすばやく大量に生産する「トリニティ」企画が採用される。GMは最近、独自プラットフォームのアルティアムの実物を公開し、これまで出荷した車両もアルティアムを通じて電気自動車に切り替える予定だと明らかにした。フォードは米国パーデュー大学と共同で電気自動車の充電時間を短縮する特殊ケーブル(充電ケーブル)の開発に乗り出して注目を集めている。日トヨタは最近、歩行脆弱者のための衝突防止システムと自律走行車両の開発に今後5年間で3000万ドルを投資すると明らかにした。
  • 毎日経済 | ソ・ジヌ記者
  • 入力 2021-11-16 18:12:26




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