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サムスン、「特許怪物」の標的に…「一週間に1回」特許訴訟


  • サムスン、「特許怪物」の標的に…「一週間に1回」特許訴訟

  • サムスン電子のフォルダブルスマートフォン「ギャラクシーZフリップ3」の広告イメージが24日、ソウル市瑞草洞(そちょどん)のサムスン社屋近くの店舗にかかっている。ギャラクシーZフリップ3は、米Scramoge Technology(スクレモジ・テクノロジー)がサムスン電子を相手に米国で提起した特許侵害訴訟の特許侵害品目に含まれた。[イ・スンファン記者]



◆ 特許怪物の標的にされたサムスン電子 ◆

サムスン電子とLG電子や現代自動車などの国内企業は、世界的な特許怪物(パテントトロール)の集中ターゲットとなっている。特許情報分析会社のユナイテッド・パテンツによると、サムスン電子は2017年から最近まで、米国でのみで438件の特許侵害訴訟を受けた。毎週一回ずつ、特許訴訟に苦しんでいるわけだ。

サムスン電子に最も多くの訴訟を提起するのは「特許怪物」と呼ばれるNPE(Non Practicing Entity/特許管理会社)だ。 NPEは直接技術を開発したり製品を生産する代わりに、特許を買った後に訴訟をかけて収益を上げる企業を言う。彼らは主にサムスン電子が属する同じ業種や関連分野の企業で核心特許技術を買い取った後、それを利用してサムスンを攻撃している。サムスンはスマートフォンだけでなく、スマートフォン用有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、システム半導体、音声認識分野でも海外企業の特許攻撃を受けている。

企業が単独で特許怪物の緻密で執拗な攻撃を防げるのは容易ではない。最近の5年間、サムスンの438件の米国特許訴訟のうちでサムスンが勝訴したのはわずか3件に過ぎない。訴訟の長期化に負担を感じたサムスンはたいていの場合、適当な合意や妥協を通じて問題を解決したためだ。

サムスン電子は今回の米Scramoge Technology(スクレモジ·テクノロジー)の攻撃も予め防いでみようとしたが、容易ではない状況だ。昨年のスクレモジの一次訴訟後、サムスンは特許権源泉無効訴訟を提起して対応に乗り出したが、追加提訴を防ぐことに失敗した。

業界の関係者は「今回の特許訴訟の対象である無線充電は、2016年以降に発売されたサムスン電子の主要スマートフォンのほとんどに適用される技術」だとし、「サムスンが敗訴する場合、補償規模が非常に大きくなる可能性がある」と懸念した。この関係者はまた「来月のギャラクシーS22発売など、新製品の発表に合わせて追加的に訴訟を拡大する可能性も大きい」と付け加えた。

特許紛争は結果によっては党外の製品群全体の販売に影響を与えるため、企業に大きな衝撃を与えることもある。実際に、昨年10月には露モスクワ仲裁裁判所がギャラクシーZフォールド3とフリップ3などのサムスン電子製スマートフォン61種に対し、ロシア内の販売禁止判決を下したこともある。サムスンのスマートフォンに搭載されたモバイル決済サービスである「サムスンペイ」が、スイスのモバイル決済会社スクウィン(SQWIN)SAの特許を侵害したという理由だ。控訴審が進行中であることから販売が直ちに中断されたわけではないが、紛争敗訴後の販売中止が現実化する場合、サムスンが受けることになる打撃は小さくないと見られる。

今回のスクレモジの攻撃は、サムスンが内部出身者から提訴され、特許リスクに対する警戒心が表面化してから2ヶ月も経って発生したことであり、内部的にはさらに手痛いという分析だ。

先だってシナジーIPは昨年11月、サムスンが特許10件を故意に侵害したとし、損害賠償訴訟を提起した。シナジーIPはサムスン電子で特許関連分野を総括したアン・スンホ前IPセンター長(副社長)が2020年6月に設立したNPEだ。同社が侵害を主張する特許は「オールウェイズオン ヘッドウェア レコーディングシステム」などで、主に無線イヤホンと音声認識に関連する技術だ。サムスン電子ギャラクシーS20シリーズなどにこの技術が搭載されたという。

特許リスクが増え続けるやいなや、サムスン電子も対応能力の強化に力を入れている。まず知識財産権防御のために、関連する投資を大きく増やしている。サムスン電子の半期報告書によると、サムスンの昨年上半期の保有特許は昨年より8千件以上増え、初めて20万件を超えた。またサムスンは最近、弁理士を公開採用するなどで訴訟対応人材も大きく増やしている。

サムスン電子は無理に法定争いを続ける代わりに、訴訟相手の企業と特許を共同使用する「クロスライセンス」契約も増えている。サムスン電子は去る5月、スウェーデンの通信機器メーカーEricsson(エリクソン)と訴訟の末、お互いの通信装備特許を共有することに合意した。

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  • 毎日経済 | オ・チャンジョン記者
  • 入力 2022-01-25 07:18:29




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