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【韓国コラム】占いを受けに行く人々


韓国の有力な大統領候補が巫俗にハマったという話がしばらく取りざたされたことがある。手の平に「王」という字を書いてインタビューをして物議を醸したりもした。

韓国の有力な政治家、実業家が暦術に依存するという話は昨日今日の話ではない。韓国最大の財閥サムスン家(三星家)の創業主、故イ・ビョンチョル(李秉喆)会長が暦述家をそばに置き、人を選んで使ったという話は、ほとんどの人が知っている、

大統領選挙が目前に近づいているので、企業の将来を任せる人を選ぶことなので、あらゆる手段を講じてみるだろう。

いや、そうではない。
財閥や権力者が暦術に依存するからといって悪口を言う韓国人があまりいないというのが、より大きな問題だろう。民草たちも競って占いを受けに行くため将来、国母になるかもしれない人が占いにハマっていると悪口を言うのも難しいという話だ。

韓国人はかなり宗教的(?)だ。西欧から伝来したプロテスタントやカトリック教徒が全国民の40%近くいる。一時は半分を超えたこともある。それなのに新年早々から占いを受けに行く人があふれている。

市場調査企業のエムブレインが全国の成人男女1000人を対象に占いサービスの利用実態を調べた結果、回答者の84.5%が占いサービスを利用した経験があると打ち明けた。

2人に1人(49.1%)が「普段から占いサービスを利用している」と答えた。

占いを受ける理由は簡単だ。不安だからだ。社会が、家庭が、自分自身が自分の未来を保障してくれないという心配が占いに向けられる。

アンケート調査に応じた回答者たちも、そのような心境を打ち明けている。「どうして運勢を占うのか?」という質問に対し、ほとんどの人(86.7%)が「心の癒しを得て心配を軽くするため」と答えた。回答者の79.9%は「社会が不安であるほど運勢を占おうとする人が多くなるのは当然のことだ」という反応を見せたりもした。

そうだ。ほとんどの韓国人が占いに依存するほど韓国社会は不安なのだ。

韓国の社会体制、街ごとに立ち並ぶ教会、山奥にあるお寺も韓国人の弱い心を癒すことができないのだ。

占いサービスを受けた回答者の81パーセントが心の安定を得たというため、占いを受けに行く人が当分減らない気がする。

ポルノの接近禁止、禁煙、同性愛者に対する敵対的な態度など根本主義的な考え方が支配的な韓国社会で占い店が人気な理由を、どこで探せばいいのだろうか。

様々な分析が飛び交うが、韓国人の宗教が祈福信仰的(福を祈願する目的で信じる信仰)であるためという意見に納得できる。現世で豊かに暮らせるようにしてほしいと願うためなら教会やお寺に行くことと占いを受けに行くことは特に変わらないからだ。

占いを受けに行く人々が最も知りたいと思う運勢も、財運(70.6%)だったそうだ。
  • Lim, Chul
  • 入力 2022-02-05 00:00:00




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