トップ >
コラム > FOCUS > 「NFT、不慣れで導入をためらう? Netflixのように新市場を開拓」
◆NFTカンファレンス◆
「NFT(非代替性トークン)市場に明確なガイドラインを提示し新金融産業として育成できるならば、今後グローバルコンテンツ市場を先導する韓国だけの強力な武器として生まれ変わるでしょう」
NFTが単純芸術品投資を越えて「未来産業」として定着するためには、どんな政策が必要だろうか。毎経エコノミーは5日「NFT強国が文化強国」というテーマで創刊43周年カンファレンスを開き、経済・産業観点でNFTが持つ意味と成長可能性を集中的に話した。
「NFTの制度化が国内コンテンツ・金融産業発展につながるだろう」というのが骨子だ。何よりもNFTが持つ経済的効果に注目するべきだ。グローバル統計サイト「スタティスタ(Statista)」とジェフリーズ投資銀行が推算した今年の全世界NFT市場規模は約45兆ウォン(350億ドル)だ。3年前の2019年と比べると1500倍近く急増した。
企業はNFTで新規売上が期待できる。今年3月、全世界の有名ベンチャーキャピタル(VC)から初期投資4億5000万ドル(約5500億ウォン)を調達し、一気にユニコーン企業に浮上したYUGALABSが代表的だ。YUGALABSはサルキャラクターNFTで有名な「BAYC」制作会社で、NFT販売を通じて昨年だけで1億2500万ドル(約1600億ウォン)の純売上を記録した。
新規雇用創出効果もある。NFT発行支援プラットフォームを運営しているラムダ256が良い事例だ。2019年資本金20億ウォン、役職員10人で出発したラムダ256は、NFT発行需要が急増したことにより現在の企業価値3400億ウォン、役職員80人の企業に成長した。
しかし、まだ数多くの企業がNFT事業への進出を憚っている。最も大きな理由の1つはNFTが依然として「不慣れに」感じられるためだ。概念自体が不慣れなだけでなく複雑なブロックチェーン技術も企業の立場では参入する時の障壁となる。
これを克服し、NFT市場の未来革新産業をリードするために毎経エコノミーは3つを提案した。第1に「明確なガイドライン」の確立である。現在はNFTに関連するガイドラインが皆無の状況である。官民タスクフォース(TF)がNFT発行・流通ガイドラインを作り、さらにデジタル資産基本法制定を通じてNFTも1つの金融資産として認められる必要がある。
第2に「新金融産業」への育成だ。透明な資本が集中してこそ、市場も活性化するためだ。NFTを1つの資産として認めれば、多様な金融商品を活性化することができる。例えば「NFT担保貸出」、「コンテンツNFT ETF」、「NFT集合投資」などだ。
最後に「積極的な海外進出」だ。NFTファンディングが活性化すれば、海外進出の機会もそれだけ増える。仮想資産取引所アップビット(Upbit)を運営するドゥナム(Dunamu)と防弾少年団(BTS)の所属事務所HYBEがNFT新事業のために米国LAに合弁法人を設立したのが代表的だ。政府支援も重要だ。
発表でパク・スホ毎経エコノミー次長は「デジタル資産基本法などNFTの制度権編入を通じて新しい金融市場が形成されれば、その成長可能性は無限だ。NFT発行で企業は新規売上はもちろんグローバルファンを作れる機会を得ることができる」と強調した。
同日のカンファレンスでは、NFT成功事例の発表も続いた。アーティスト「ソンミ」を前面に掲げたNFTプロジェクト「ソンミヤクラブ」を運営中のFSNのイ・サンソク代表は「今年初めソンミIPを活用して制作したNFT1万個を1個当り50万ウォンで販売したが、0.3秒で完売した」として「メタバース時代にNFTは企業の新しいファンとコミュニティを作るのに大きな役割を果たすだろう」と話した。
デジタルアートスタートアップ「ニオ(Niio)」を創立したロブ・アンダースCEOは「NFTの潜在性」を強調した。「ニオ」はデジタルアート作品をストリーミングで楽しむサービスを提供するプラットフォームで、現在全世界102か国で8500人を越えるデジタル作家と協業中だ。彼は「Spotify、Netflixも最初は皆、懐疑的に見た」として「NFTを中心としたデジタル作品エコシステムが完成すれば、以前にはなかった新しい巨大なコンテンツ市場がもう一つ開かれるだろう」と展望した。