トップ >
コラム > FOCUS > 創造経済・安全・福祉…政府の政策樹立にもビッグデータを活用するべき
◆公共データと未来戦略
「ビッグデータは意思決定のすべての段階に活用することができます。問題の診断、ソリューション設計、モニタリングと価値評価などで助けになります」
「ビッグデータ世界大会(BWC)2014」第3セッション「公共データと未来戦略」に参加した世界銀行のピエール・クィスラン投資環境局長は、政策立案の過程でのビッグデータの重要性に対してこのように説明した。クィスラン投資環境局長は、「公共部門のビッグデータを通じて市民の行動をよりよく理解できるようになり、インフラストラクチャの改善プロジェクト作業をより効率的に行えるようになる」と付け加えた。
このセッションではクィスラン局長とともに、ツーイーコンサルティング(2e consulting)のキム・インヒョン代表、米ピュアストレージ社のマイケル・コーンウェル アジア・太平洋および日本担当最高技術責任者(CTO)、ファン・ヂョンソン韓国情報化振興院ビッグデータ戦略センター長らが演壇に立った。彼らは、意思決定プロセスにビッグデータが幅広く活用され得る可能性が高いだけに、高度なデータ分析方法が創造経済のような国家戦略や国家安全・福祉政策を実現するために重要な役割をはたすと予想した。
ファン・ヂョンソン ビッグデータ戦略センター長は、ビッグデータ分析を通じてソウル市の深夜バスが誕生した事例を提示し、「良質のデータとその分野の専門知識を多く確保すべきだ」と述べた。ファン センター長は「公共部門のビッグデータと関連した、政府機関と民間企業のコラボレーションも急がれる」とし、「民間からデータ提供専門の産業を育てなければならない」と提案した。データを精製して加工する企業が生まれれば、国家レベルの長期計画も策定できるという意味だ。続けて、「ビッグデータ分析の課題は一回性で終わってはならない。試行錯誤を経て整えていく過程が必要」だと強調した。
キム・インヒョン代表はビッグデータの分析に基盤した、韓国政府の未来戦略策定プロジェクトを紹介した。関税庁の輸出入データベースとホライゾンスキャンを通じた創業有望商品を予測し、女性家族部の求人・求職データベースを通じて経歴断絶女性の失業要因を分析するなど、さまざまな事例の発表が行われた。キム代表は、「いまやビッグデータを通じて予測される未来ではなく、望む未来を作ることができるようになった」とし、「ビッグデータ分析基盤の未来戦略プロジェクトはより活性化されるべきだ」と述べた。
膨大な量のデータを迅速かつ効率的に処理するストレージ(記憶装置)の必要性も提示された。ビッグデータなど、数多くの情報がストレージに入ってきて、これを効率的に活用する方法が企業の競争力であるだけに、フラッシュストレージの役割がますます大きくなるだろうという話だ。
コーンウェルCTOは自社のストレージシステムが顧客社に、維持・管理費用などの全体的コストを下げるために役立っているとし、フラッシュメモリとSSDを基盤とした高速のデータ処理速度、信頼性の高いインフラストラクチャが、熾烈なビジネスの世界で差別化をもたらす要素となっていると説明した。