トップ > コラム > FOCUS > [FOCUS] 生活芸術 ②、演奏の理由は違っても情熱は同じ
釜山市の東莱（トンネ）に暮らすチョ・ボクトクさん（76）は、2年前に肺がんの手術をした。退院後2カ月ぶりに彼が駆けつけたところは「海雲台No老（ヘウンデノーノー）シルバー合唱団」。手術の後遺症で息が上がったが、歌を歌いながら痛みを忘れていた。団員たちと和音を合わせていれば寂しさも消える。音楽は癒しの力を持っている。忠清北道・清州（チョンヂュ）の「清老（チョンノ）合唱団」員のイ・ヨンヂャさん（70）は、歌でうつ病を乗り越えた。幼稚園長を隠退したイさんは、喪失感に耐えることができなかった。しかし、11年前から合唱団活動を開始したイさんは、歌で慰安を得て所属感を得た。
チョンノ合唱団はがん闘病とうつ病に苦しむ高齢者の、生の希望を取り戻している。また、地域社会への奉仕活動を通じてやりがいを得る。ヘウンデノーノーシルバー合唱団も特別養護老人ホームと養老院ごとのサービスコンサートを開いて、幸せな老年期を送っている。
音楽は生の虚無を消し去り、ストレス指数を下げる。忙しい会社員が暇を作って楽器を学び、オーケストラ活動を行う理由でもある。
設計会社ペムコエンジニアリングで理事として在職中のチョ・ソンヨンさん（58）は、6年前にコントラバスを学んだ後、新しい世界が開かれている。
会社員アマチュアオーケストラの「テヘランバレー・シンフォニー」で演奏するチョさんは、「ハーモニーのベース（低音）を敷いてやると、香り高い土地にきれいな花が咲くように、私の存在感が感じられる」とし、「メンバーとコミュニケーションしつつ人の大切さも知り、良いものをいっぱい得る」と語った。
テヘランバレー・シンフォニーの団員は38人。毎週土曜日の午後4時に集まって、2時間以上練習する。演奏終了後は打ち上げをしながら、悩みとアドバイスをやりとりする。レーザー＆フィジックス社のハン・ギグァン代表（56）は「城南ウインドオーケストラ」の活動に、ビジネスのストレスを忘れる。30年前からクラリネットを学んでいたハン代表は、「毎日同じような繰り返しの生活の中で、何かが待ってくれているようで良い」とし、「演奏する瞬間だけは業務の緊張から逃れることができる」と語る。
1994年に創団した「城南ウインドオーケストラ」は、アマチュア奏者60人余りの会費で運営されている。2004年に社団法人として再創団するときも、団員たちが「十匙一飯」で資本金1000万ウォンを集めたほど一体感が強い。
ソン・ヨンヒ団長（41）は、「団員は上下構造の組織体系である職場でストレスを受け、水平構造的なオーケストラでハーモニーを作りながら喜びを感じる」とし、「ますます困難な曲に発展していくときに自信がわく」と説明した。「京畿シニアアンサンブル」の団長を務めているソウル大教授のキム・ドファン数学科教授（64）は、「14年前に始めたクラリネットが幸せを運んでくれる」とし、「年のせいでなかなか上手にならないが、努力しただけ少しずつ音が柔らかくなるのが楽しい」と語った。
音楽が第2の人生の道を開くこともある。「ソウル市民交響楽団」のコントラバス奏者イ・チャンヂンさん（40）は、成均館大学で芸術学博士号を取得した後、文化経済学を講義している。ソウル大の都市工学科を卒業した後、MDSテクノロジー事業開発チーム課長として働いているが、2003年にこのオーケストラに参加した後は、文化芸術を深く勉強したくなった。イさんは、「オーケストラで演奏してこそ一週間を締めくくる気がする」とし、「生活の余裕と安定感をもたらしてくれる」と説明した。
音楽は単なる趣味のレベルを超え、世の中と呼吸を合わせるための手段ともなっている。病院や孤児院・老人ホームや疎外隣人を訪ね、音楽を共有するアマチュアオーケストラが多い。
「ソニトゥース・フルートオーケストラ」のパク・ヘヂン団長（50）は、「演奏をしながら、人々の間で断絶していた心の掛け金を開くことになる」と語った。
この団体は2009年、高陽市女性福祉会館でフルートを習った人々が志を合わせて結成した。団員は50人で、毎週土曜日の午前10時30分に高陽市イエスの教会に集まって練習する。
パク団長は、「2002年に二人めが小学校に入学した後、フルートを習い始めた」とし、「普段は忙しく子供たちのめんどうを見て、土曜日は日常から脱出する」と語った。
[FOCUS] 生活芸術 ②、演奏の理由は違っても情熱は同じ
生活芸術全盛時代 ②/②
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チョンノ合唱団はがん闘病とうつ病に苦しむ高齢者の、生の希望を取り戻している。また、地域社会への奉仕活動を通じてやりがいを得る。ヘウンデノーノーシルバー合唱団も特別養護老人ホームと養老院ごとのサービスコンサートを開いて、幸せな老年期を送っている。
音楽は生の虚無を消し去り、ストレス指数を下げる。忙しい会社員が暇を作って楽器を学び、オーケストラ活動を行う理由でもある。
設計会社ペムコエンジニアリングで理事として在職中のチョ・ソンヨンさん（58）は、6年前にコントラバスを学んだ後、新しい世界が開かれている。
会社員アマチュアオーケストラの「テヘランバレー・シンフォニー」で演奏するチョさんは、「ハーモニーのベース（低音）を敷いてやると、香り高い土地にきれいな花が咲くように、私の存在感が感じられる」とし、「メンバーとコミュニケーションしつつ人の大切さも知り、良いものをいっぱい得る」と語った。
テヘランバレー・シンフォニーの団員は38人。毎週土曜日の午後4時に集まって、2時間以上練習する。演奏終了後は打ち上げをしながら、悩みとアドバイスをやりとりする。レーザー＆フィジックス社のハン・ギグァン代表（56）は「城南ウインドオーケストラ」の活動に、ビジネスのストレスを忘れる。30年前からクラリネットを学んでいたハン代表は、「毎日同じような繰り返しの生活の中で、何かが待ってくれているようで良い」とし、「演奏する瞬間だけは業務の緊張から逃れることができる」と語る。
1994年に創団した「城南ウインドオーケストラ」は、アマチュア奏者60人余りの会費で運営されている。2004年に社団法人として再創団するときも、団員たちが「十匙一飯」で資本金1000万ウォンを集めたほど一体感が強い。
ソン・ヨンヒ団長（41）は、「団員は上下構造の組織体系である職場でストレスを受け、水平構造的なオーケストラでハーモニーを作りながら喜びを感じる」とし、「ますます困難な曲に発展していくときに自信がわく」と説明した。「京畿シニアアンサンブル」の団長を務めているソウル大教授のキム・ドファン数学科教授（64）は、「14年前に始めたクラリネットが幸せを運んでくれる」とし、「年のせいでなかなか上手にならないが、努力しただけ少しずつ音が柔らかくなるのが楽しい」と語った。
音楽が第2の人生の道を開くこともある。「ソウル市民交響楽団」のコントラバス奏者イ・チャンヂンさん（40）は、成均館大学で芸術学博士号を取得した後、文化経済学を講義している。ソウル大の都市工学科を卒業した後、MDSテクノロジー事業開発チーム課長として働いているが、2003年にこのオーケストラに参加した後は、文化芸術を深く勉強したくなった。イさんは、「オーケストラで演奏してこそ一週間を締めくくる気がする」とし、「生活の余裕と安定感をもたらしてくれる」と説明した。
音楽は単なる趣味のレベルを超え、世の中と呼吸を合わせるための手段ともなっている。病院や孤児院・老人ホームや疎外隣人を訪ね、音楽を共有するアマチュアオーケストラが多い。
「ソニトゥース・フルートオーケストラ」のパク・ヘヂン団長（50）は、「演奏をしながら、人々の間で断絶していた心の掛け金を開くことになる」と語った。
この団体は2009年、高陽市女性福祉会館でフルートを習った人々が志を合わせて結成した。団員は50人で、毎週土曜日の午前10時30分に高陽市イエスの教会に集まって練習する。
パク団長は、「2002年に二人めが小学校に入学した後、フルートを習い始めた」とし、「普段は忙しく子供たちのめんどうを見て、土曜日は日常から脱出する」と語った。
- 毎日経済 _チョン・ヂヒョン記者 | (C) mk.co.kr
- 入力 2014-10-31 15:38:26
