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現代重工業労組、20年ぶりにストライキを決めた重要な理由は?

増える現代重工業、人件費の割合…3兆赤字 

  • 現代重工業労組、20年ぶりにストライキを決めた重要な理由は?
△写真=現代重工業労組が年俸制移行等に反発して20年ぶりにストライキを決定した。19日、組合員らが、ソウル・鍾路区桂洞の社屋前で上京デモをしている。 [イ・チュンウ記者]

「困難だという話をいつも持ち出すが、その原因は私たちではなく会社にある」。

今年、会社創立最大の赤字が予想されている現代重工業の労組は19日、ソウル市の桂洞(ケドン)にある現代重工業ソウル事務所に集まって上京闘争デモを行った。現代重工業労組はこの日、労組の執行幹部と代議員らが7時間の拡大幹部ストライキを行い、今後は事実上のストライキ手順を踏むことにした。これにより、20年近く続いてきた現代重工業の労使共生記録も、蜃気楼にもどる危機に瀕している。現代重工業は1995年以来、最近まで20年のあいだ無紛糾を記録中だった。

19日午後3時30分、ソウル市桂洞に位置した現代重工業ソウル社屋の前に集結した約160人の現代重工業労組員は、決議文で「(会社)の危機の実相は旧時代的労務政策と、非正規職の雇用構造、タコ足式のグループ経営構造にある」と主張した。会社がうまく行っているあいだ、労使は争議もなく平和に過ごしてきた。しかし、最近になって会社の経営状態が難しくなるやいなや、鉢巻きを巻いて街に出たわけだ。

現代重工業をはじめとする造船業界の危機が、労働組合の言葉通りに「旧時代的労務政策」や「非正規職の雇用構造」のためだと見る経済専門家は珍しい。中国の造船会社の供給過剰が一次的な原因であり、日本の円安による船舶の価格下落が加わった。第3四半期までの現代重工業が、3兆2000億ウォンの営業赤字を記録した理由は、貸倒引当金を積んだためでもあるが、労働者と協力会社を配慮して、工場を稼働させるためにあえて低価格船舶であっても受注したからというのが専門家らの分析だ。

むしろ史上最大の赤字の沼にはまった現代重工業の問題解決は、労働組合の主張とは裏腹に、高賃金・高コスト構造の改革、抜本的な構造調整を通じた先制的対応だという主張が多い。現代重工業の関係者は、「過去20年の間にストライキが行われなかった理由は、雇用の安定と社内福祉の向上など、労使の信頼向上のための努力のためだった」とし、「このような信頼を守っていくとしても、年俸制移行などの経営効率化努力は継続しなければならない」と語った。

現代重工業労組が20年ぶりにストライキを決めた重要な理由は、権五甲(クォン・オガプ)社長が持ち出した年俸制移行だと伝えられた。すでに日本の造船業界が構造調整を終えたという点も、このまま韓国の造船業が労使問題に足首をつかまれて無駄にする時間がないことを示唆している。

これまで経営陣が労働者の福祉向上のために努力したならば、いまは労働者が会社を救うための実践に乗り出す必要があるという指摘も出ている。2001年の初め、BMW労組が見せたライプツィヒ・モデルが代表的事例だ。当初、BMWの中小型自動車工場は、チェコ共和国のコリンに建設することになっていた。
  • 現代重工業労組、20年ぶりにストライキを決めた重要な理由は?
  • < 増える現代重工業、人件費の割合 * 資料=金融監督院 電子公示 >

しかし、労組は生産拠点の海外移転ではなく、労働の柔軟性を拡大する譲歩案を提示した。他のBMW工場より労働時間を週当たり3時間増やし、土曜日にも平日報酬を受けることとし、弾力的な労働時間の延長にも同意した。

ボブ・キング全米自動車労組(UAW)委員長とGMの経営陣が、2008年の金融危機以降、ストライキを行わないことに合意し、危機に共同で対応するという宣言を行ったことも有名な話だ。以来、GMは回生基盤を磨いている。

日本のホンダ労組は1957年以来、ストライキを行っていない。半世紀以上のスト無しの歴史は逆説的だが、いまの現代重工業労組が忘れているように見える主人意識に基盤している。ホンダには「ストライキは自傷行為」という認識が敷かれている。こうしたなか、現代重工業の経営陣は、会社の正常化のための意志の表現として、自社株の購入を19日に決定した。現代重工業は公示を通じて崔吉善(チェ・ギルソン)会長とクォン・オガプ社長がそれぞれ2億ウォン規模の株式(1719株、1721株)を場内で買い入れたと明らかにした。

現代重工業は、「経営トップの株式買い入れは、会社の正常化と株価回復のための強力な意志を表現したもの」とし、「責任経営を実践するために、両最高経営責任者が株式買収を決定した」と明らかにした。これに対して現代重工業労組は20日、1時間残業も拒否することにした。労組はこの日に争議対策委員会を開き、闘争日程を決める予定だ。現代重工業労組の今回の拡大幹部ストライキをめぐって、労使間には適法性論議がおきている。
  • 毎日経済_蔚山=ソ・デヒョン記者/ソウル=シン・ヒョンギュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-19 17:45:32




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