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人気ウェブトゥーン「フリードロー」チョン・ソンウク作家

10代のどろどろした現実をそのまま描いたら...ヒットした 

  • 人気ウェブトゥーン「フリードロー」チョン・ソンウク作家

毎週土曜日アップデートされるたびに「リアルタイム検索語」にあがり話題


毎週土曜日になると、ポータルサイトのネイバーではリアルタイム検索語に「フリードロー」が出る。既製世代には見慣れない単語だ。「バスケットボール競技で素晴らしいフリースロー(Free throw)があったのか」と推察するかもしれない。しかし、大韓民国の中・高校生なら皆知っている。フリースローではなく、ウェブトゥーンの「フリードロー(Freedraw)」だという事実を。

不良青少年のハン・テソンが漫画部に加入し、夢を求めていく学園ものだが、毎週土曜日にネイバーにアップデートされるたびに話題を集める。昨年、アマチュアのウェブトゥーンが競争する「ベスト挑戦」コーナーに連載された時、70万件を越える爆発的な照会数を記録し、正式ウェブトゥーンに昇格した後には10代の文化コードのうちの一つとして定着した。

青少年を揺るがしたウェブトゥーンの作家は、ちょうど大学(京畿大学アニメーション映像科)を卒業した20代の青年チョン・ソンウク(27)だ。ゲームグラフィック学院に通いながら就職準備をしていた彼は、このウェブトゥーン一編で就職の悩みを吹き飛ばした。ユン・テホ、カンプルに継ぐ次世代期待株として言及される。去る4日、ソウル忠正路の作業室で会った彼は、「ある日、父親が私の漫画を見て、後押しするから挑戦してみろと激励した」とし、「最後の挑戦だと考えた作品が良い反応を得た」と語った。

仲間はずれ・暴力など青少年の問題を細かく描写し、好評得る


「フリードロー」の面白さの8割は、魅力あふれるキャラクターだ。学校の一陣(校内暴力サークル)のリーダーだが、家ではこっそり漫画を描くハン・テソン、家柄が良く顔はかわいいが性格がおてんばなク・ハリンなど、全ての人物が反転した魅力で溢れる。

「初めての構想は2009年の軍隊ででした。学校では仲間はずれだが、外では英雄の『スパイダーマン』のように反転のあるキャラクターを描きたかったんです」

この漫画を見ると、最近の10代の関心事が分かる。厚いアイライナーを描いた女学生が時をわきまえず「自分撮り」をし、男子学生がゲーム「リーグ・オブ・レジェンド『(LOL)』」にどっぷりはまっている姿は10代の現実と一致する。

「『学校のチャン』(喧嘩がうまい友達)のズボンにタックを描いたが、10代の読者が"一陣はタックのあるズボンをはかない"と指摘し、本当に恥ずかしかったです。最大限、彼らの姿をリアルに盛り込もうと努力します」

ゲーム・アニメーションオタクに対する描写も鳥肌が立つほどに生々しい。「LOLオタク」のイム・ジェイクが、仲間の部屋でゲームをしながら一人でぶつぶつとつぶやく台詞は、「LOL」をしてみた人だけが理解できる。

「私が『LOL』オタクではないのかと誤解されますが、私はゲームをしません。周囲にゲームが好きな友達が多く、台詞を画いてほしいと言いました。『LOL』を知らない人が見ると意味がわからず、『LOL』をする人が見ると笑わなければならないのがポイントです」。それ以外にも「シャベルタイガー」のリーダー、イ・ジフンが興奮するとおのずと出る馬山方言は、馬山出身の知人が書いてくれた台詞だと作家は耳打ちした。

10代の興味に合うストーリテリング能力だけでなく、繊細な絵もこの作家の主な特技だ。無彩色の粗い線で描いたウェブトゥーンが溢れ返っているが、「フリードロー」は背景がどこかわかるほどに、ワンカットワンカットがリアルで生き生きしている。作家は周囲の風景を写真に撮り、画幅に具現する苦労を好んで耐える。登場人物の多様な表情は、漫画に生動感を与える。ハン・テソンがぼうっとしたり驚く表情は、台詞に劣らない笑いのポイントだ。

「キャラクターが演技をすると考え、表情を最大限あらわにしようと努力します。鏡を見ながら表情を研究します」。ひ弱い友達にパンの使い走りをさせ、知能的に「仲間はずれ」をつくる10代の悪徳な文化も濾過なしに盛り込む。1話で作家は、「学校は社会の縮小版」だと宣言する。

このウェブトゥーンが単純な学園ものでないことが推察できる。今後、彼は学校の非理・入試競争など巨視的な問題にも手を付ける予定だ。彼は、「どろどろした現実をそのまま見せ、その中で悩む10代を見せる」と語った。

「私が卒業を目前に漫画を放棄し、会社に就職しなければと考えたように、多くの子たちが他人の目を気にするせいで、自分が望むことを見つけられないでいます。青春は白い画用紙のようで、どんな絵を描くかによって人生は変わるのだという事実を、10代の子たちに私の漫画を見て目覚めてもらえればと思います」
  • 毎日経済_イ・ソニ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-05-06 17:08:18