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隠退後の40年、夫ひとりで背負うには重い

中年未来ソリューション 

これは夫だけでなく、全ての家長を念頭に置いた言葉だ。この時代を生きてきた家長に、老後の人生までひとりで責任をとらせるのは明らかに問題だ。老後の備えもまた、ともに準備するのが当然のことだ。

老後生活も力を合わせれば幸せが2倍

100歳時代、長寿リスクという言葉を聞くたびにため息がでる。妻が、もしかして私に隠れて老後のための年金でも少しずつ膨らませてはいないだろうか。それならいいが、おそらく違うだろう。今では妻にも時間的余裕が少しできたようだが、隠退後、その長い老後生活まで私がひとりで全て責任を取らなければならないのか?このように考えると、共働きをする友人らがちらっと羨ましくもある。妻に、もしかして仕事をする気がないのか聞いてみたいが、とても話を切り出せない。

結婚15年目、朝に子どもを学校に送り、家事をしたら塾を終えて来る夕食の時間まで余裕の時間だ。専業主婦でいる町内の母親たちに会ったりもするが、毎日交わす似たような話が今では食傷気味だ。もう少し発展的なことをしたいとしきりに思う。しかし、職場を辞めてから10年が過ぎ、40代なので再就職も容易なようではない。また、フルタイムで仕事をするにはまだ母親の手を必要とする子どもも心配になる。創業も考えてみたが、小規模でもお金がかかるのに、下手をしてなんとか少しだけある資産をも失くしたらどうするのか。隠退以降を事前に準備しなければならないのに、夫が適宜うまくやっているのか気になる。一度聞いてみなければと思いながらも、夜遅く疲れた体で退勤する夫を見るたびに申し訳なくて聞けない。

あるポータルサイトで男性を対象に、「男性が望む最高の内助」を調査したところ、「共働きで家計の経済負担を分け合うこと」という回答が最も多かった。「最高の内助は共働き」だということだ。経済不況により心までばたばたした現実に、妻がお金を稼いでくるなら当然喜ぶしかない。一方、共働きをすると家計の収入が増えはするが、それだけ支出も多くなるため、共働きをするからといって貯蓄が必ずしも増えるだけではないという主張もある。統計庁の家計動向調査によると、共働きの家計は片働きの家計より平均月74万ウォンをさらに消費するが、それでも月65万ウォンが貯蓄余力として残る(表1)。あえて具体的な計算をしなくても、毎月65万ウォンずつ貯蓄をすれば、隠退以降の人生に対する負担ははるかに減るだろう。貯蓄だけでなく、夫婦が一緒に職場に通えば国民年金に各自加入するので、隠退後、各自の国民年金を受領するようになり、この点が隠退後の生活におよぼす影響はとても大きい。国民年金の受領額は物価上昇によりともに上がるため、実質的な価値が保障される点を勘案すれば、万が一、夫婦が各自ひと月に約50万ウォン(正確には47万4010ウォン-注1)の国民年金をもらえば、月100万ウォンの実質価値が保障されるため、やや足りなくはあっても、死亡時まで最低限の基本生活費は解決するということだ。

片働きで家長ひとり国民年金に加入して老後に月50万ウォンをもらうなら、このお金ではどれだけ生活費を減らしても基本的な衣食住の解決すら難しい。老後に死亡まで最小限の基本生活費充足可否の問題は、お金だけではない。充足する場合には、心理的な安定を手に入れ健康にも良いが、そうできない場合、続く不安感と貧困感で心身が傷むかもしれない。基本生活費の解決は、幸せのために解決されるべき素地だからだ。万が一、夫婦各自が国民年金以外に退職年金やいくらかの個人年金まで会社で支援されるなら、隠退生活費の準備はある程度可能だろう。このため、妻と共稼ぎをするにしても、貯蓄額が大きく増えないことに心配する必要はない。見えるものはささやかだが見えない部分、すなわち年金などを考えれば、100歳時代が辛くない。

  • 隠退後の40年、夫ひとりで背負うには重い

老後に対して対話し、また対話しよう

隠退後に対して夫婦間の心を開き、対話を交わせばどうだろうか?ともすれば、妻も心の中でそんなふうに考えながらも負担になるかと話せないでいるかもしれない。職場に再就職するのが難しく、出退勤時間が決められ一日中職場に縛られるため、まだ子供が若いなら資本が少なくかかる創業をしてみることも考慮してみる価値がある。家の近所で仕事をすれば、片手間で子どもの面倒を見るのを並行することができる。老齢化が進行するほど私たちの社会で女性の割合が増え、それにより消費の主体としての力も大きくなるだろう。女性の心をよく知り、女性のニーズを充足させる事業アイテムを探すのは、夫より妻がもっとよくないだろうか?女性が多くする創業や就職分野を見れば、教育・保健・社会福祉・IT分野など、女性がもった繊細さを要求したり、女性がよく知っている分野が多いことがわかる(表2参照)。

今まで家にだけいた妻がどのようにして出て創業をするか心配が先立つなら、ハーバード大学神経精神科のルアン・ブリジェンディン博士の脳に関する話をしばし聞いてみよう。年齢を重ねながら、互いに異なる星に住んでいた男女の脳が急速度で近くなるという。更年期以降、男性の脳はエストロゲンとオキシトシンの数値が高くなって感情に敏感になり、テストステロン減少により攻撃性が弱くなる反面、女性はエストロゲンとプロゲステロンの分泌に変化が生じ、激情的な感情の変化が消えながら安定した脳になる。中年と老年の男性は女性らしくなるが、反対に女性は家族に対する関心から抜け出して自由を求めるようになり、子女を心配して配慮する気持ちもともに減退するという。このため中年以降、女性は事業家的な発想や熱情をさらに燃やせる脳構造を持つようになるということだ。

まず、夫は定年時まで月給をもらい、妻は創業をして小さく定着してから、夫の退職後に夫婦が一緒に事業を育む戦略も立ててみることができる。夫婦がひとつの家で10年以上暮らしながら、未だにお互いを見て心がどきどきするのを望むのは正直欲心だ。これからは、互いを見るより一つの所をともに見て胸をどきどきさせる時になったのではないだろうか。未来の計画をともに立ててその道をともに歩むなら、夫婦はもう一度揺るぎないひとつになれるのではないかと願ってみる。
  • Citylife_ノ・ギョンスン(フリーランサー)/資料提供_ウリ投資証券、ペクセ時代研究所、中央ウィズ出版
  • 入力 2014-04-30 14:29:17




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