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ソウル汝矣島のランドマーク「国際金融センター」の売却を推進

3兆ウォン「ヨイドIFC」誰の胸に…4日、売却の予備入札 

  • ソウル汝矣島のランドマーク「国際金融センター」の売却を推進
汝矣島(ヨイド)のランドマーク「国際金融センター(IFC)」が着工10年めで新しい所有者を迎える。 IFCは2006年にソウル市が東北アジアの金融ハブ造成を目的として、米国最大の保険会社であるAIGグループと手を組んで、大規模な費用を投入して推進した重要な事業だ。

AIGグループは、今年からIFC全体の売却が可能になるやいなや購買希望者の物色に乗り出し、市場では珍しい超優良不動産物件の登場で国内外の投資家の関心も高まっている。 IFC全体の売り渡し額は最高3兆ウォン台に達する見込みだ。

投資銀行業界によると4日、ソウル市は2003年にヨイドを「アジアのウォールストリート」に育成するというビジョンを提示し、IFC事業を初めて議論した。 IFCが創設されれば雇用創出と海外のビジネス顧客や観光客の増加などの経済効果はもちろん、国際金融ハブとして多様な利益をもたらすものと期待された。このような雰囲気の中でその年の6月、当時のソウル市長だった李明博前大統領と当時のモーリス・グリーンバーグAIG会長はIFC共同開発の覚書(MOU)を締結した。

IFC事業の議論は2006年以来、具体化された。呉世勲(オ・セフン)前ソウル市長はAIGグループと、土地の賃貸と運営条件を盛り込んだ契約を締結した。工事期間5年の間は賃貸料を免除し、賃貸期間の50年が過ぎて特別な事由がなければ49年を追加契約できるが、契約が終わる99年後にはソウル市に寄付採納するという内容だった。民間企業が建設して一定期間の運営収益を収めた後、所有権を政府に渡すBOT方式だ。

IFCは2006年12月、総1兆5000億ウォン規模の事業費をかけて着工した。 2011年11月、オフィスタワーⅠのオープンを皮切りに、2012年までに順次完成された。国内最大のショッピングモールであるロッテワールドモール(42万8934平方メートル)よりも広い土地に、オフィスタワー3棟(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)をはじめ、6つ星ホテルのコンラッドソウルホテルと複合ショッピングセンターであるIFCモールなどが相次いでオープンし、IFCは名実ともに汝矣島のランドマークとしての座を得た。

しかしAIGグループは、最小保持期間(10年)が経過すると資産処分が可能だという当初の契約にしたがって、今年に入って売却を推進して乗り出した。昨年末、米国最大の銀行のウェルズ・ファーゴの子会社イーストディル・セキュアード(Eastdil Secured)を売却主幹事に選定し、先月から国内外の機関投資家を対象に引受提案を受け始めた。各投資家が自由に資産を選択して価格を提案する方式で進めており、詳細は追って決める方針だ。

今回の売却決定に対して不動産投資業界は、今が最も高価な売り値をつけることができる最適の時期なので、早急に手続きを進めていると解釈している。業界関係者は、「ソウル市に所有権を渡す期限が短くなるほど、買い入れを望む投資家が減って資産価値は下落するしかない」とし、「竣工してからあまり経たず、今は建物の状態が非常に良好な方」だと語った。

この何年かのあいだ、新しく国内不動産市場に登場した物件の中では最も優秀な資産としてあげられており、国内外の投資家がかなりの関心を見せていることが分かった。引受け候補としてはグローバル不動産ファンドなどの私募ファンドと、主要国の政府系ファンドなどがあげられている。世界最大の私募ファンドであるブラックストーンが投資に参加する最も有力な候補としてあげられており、国内では国民年金が昨年末から投資を検討している。

ただし、オフィスタワーⅢの高い空室率は依然として負担として作用している。現在、この建物の空室率は約70%に達する。昨年、韓国シティ銀行がオフィスタワーⅢへの移転のためにソウル市茶洞の社屋を売却しようとしたが、優先交渉者のマスターン・リッツ(Mastern REIT's)が資金募集に難航して失敗に終わった影響が大きかった。 2089年以後はソウル市に所有権を渡すという点も、価格決定に少なからぬ影響を与えるだろうという観測だ。また別の業界関係者は、「売渡者と買主の間の希望価格が小さくない差を見せており、意見の相違を狭めることがカギだろう」と分析した。
  • 毎日経済_ソン・グァンソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-04-04 21:17:29




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