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[I ♥ 建築] トイレの数


  • [I ♥ 建築] トイレの数
トイレが1つだけの家で朝に起きるの風景だ。1番上の子どもがトイレに入る。2番目が早く出ろと促す。思春期の子どもは親から独立したがる。だから、自分の部屋に入ってはドアをロックする。カーテンも閉める。親が頻繁にノックしてドアを開けろという。

そのため思春期の子どもの最終手段は、トイレに入ってドアをロックすることだ。少なくともトイレだけは生理的な理由から、個人のプライバシーが保障される空間であるためだ。

過去の歴史を見ると、「蘇塗」という空間があった。蘇塗は犯罪を犯しても、そこに逃げれば処罰を避けることができる治外法権空間だ。思春期の子どもにとってトイレは蘇塗のような空間だ。

最近の住宅の平面図を見ると、トイレがますます増えている。中型マンションはかつてはトイレが2個だったが、最近作られた高級住宅は、部屋ごとに別々のトイレとシャワーを設置しておくことは当たり前となっている。全体的に現代建築は私的な内部空間の面積を増やしていく傾向にある。

複数の人が1つの空間で生きていく方法は2つがある。トイレを継続的に増やすことと、またはトイレに入ってきても問題にならない関係を作ることだ。

現代社会の方向は、トイレを継続的に増やす方法、つまりプライベート空間を絶えず作る方向に発展している。これらの変化の方向は、建築を越えて都市にまで続く。

現代都市は、プライベート空間でいっぱいだ。過去に私的空間と公的空間の中間の性質だった路地は、プライベート空間の代名詞のような自動車が占めている。自動車が占有する空間である道路や駐車場が広がるということは、プライベート空間が都市内に占める割合が高くなるということを意味する。

私たちはこのように、都市で道路の面積が広くなることが効率的で迅速な都市への進化と見なしてきた。しかし、実際にはプライベート空間が広がるだけで、私たちが好んで使用する定住できる公的空間は減ってきた。

同じ面積の家でトイレが占める割合が継続的に高くなると、相対的にリビングルームとダイニングテーブルが置かれる空間は減る。豊かな人生を生きるために、私たちはこの時代に合った私的空間と公的空間の黄金比を見つける必要がある。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン弘益大学建築学科教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-05-20 16:12:25




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