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金融当局、急激な外貨流出に備え外国為替健全性制度を改編
「各銀行、外貨を充分に」…ドル取り締まりに乗り出した政府
米国の金利引き上げや英国の欧州連合（EU）脱退（Brexit／ブレクシット）など、韓国からドルが大挙流出する危険要因が山積するなかで、金融当局は急激な外貨流出にあらかじめ備えることができるように外国為替健全性制度を改編する。「バーゼルIII」勧告事項の外貨（LCR／Liquidity Coverage Ratio：流動性カバレッジ比率）規制を来年から導入し、各市中銀行が緊急事態に備えて外貨を充分に積んでおくようにしつつも、通貨先物ポジション制度のようにこれまで急激な外貨流入をブロックすることに焦点を合わせて設定した規制は緩和する。
企画財政部と金融委員会、韓国銀行、金融監督院などの金融当局は16日、マクロ経済金融会議を開催して、このような内容を骨子とした外国為替健全性制度の改編案を発表した。
まず政府は、銀行に外貨LCR制度を来年1月から公式規制として導入する。外貨LCRとは、銀行が保有している米ドルや国債・公債などの現金性外貨資産を、30日以内に満期が到来する外貨負債で割った値で、LCRが高いほど危機的状況に対応できる余力が大きいことを意味する。
全北銀行・済州銀行・光州銀行などの外貨負債が小さい一部の銀行を除いて、すべての都市銀行は外貨LCR規制を守らなければならない。特に新韓銀行・国民銀行・ハナ銀行・ウリ銀行などの市中銀行は、来年から外貨LCRが60％を越えなければならない。毎年10％ポイントを上げる方式であることから、2018年には70％、2019年には80％水準に合わせなければならない。企業銀行・農協銀行・漁協銀行などの特殊銀行は、来年の外貨LCRは40％を越えなければならない。毎年20％ポイントを上方修正し、2018年には60％、2019年には80％以上にならなければならない。
すぐさま6ヶ月後からLCR規制が導入されることにより、各市中銀行はLCR基準で流動性の高い外貨資産を確保しつつ、短期の外貨借入を減らしていくと予想される。
政府はまた危機が発生した場合、金融委員会の議決だけで外貨LCRの規制比率を下げることができるようにする予定だ。
金融委員会のカン・ヨンス金融市場分析課長は、「危機の発生時にLCRを下げると、銀行は自分たちの保有する米国債などの高流動性資産を売り、実物部門に供給することになる」とし、「危機時には外貨借入が難しくなって価格も高くなるが、これを緩和できる〈倉庫〉のような役割を銀行に与えるために規制を新設したわけ」だと語った。
政府が外貨LCR規制を導入した背景には、2008年のリーマン・ブラザーズの破産で世界金融危機が始った当時の「くらっとした」経験がある。当時、国内の各銀行は金融当局が設定した外貨流動性規制を満たしていたが、一時的にドル資金源が乾いたところに、外国銀行支店を通じて終日ドル借り入れを行うなど、緊急事態を迎えたことがある。一方、世界金融危機以後の2010年からは、造船業の好況と外国銀行支店の差益取引で短期外債が急速に増えて、いわゆる「マクロ健全性3点セット」が導入された。しかし今回はこの3点セットのうち、通貨先物ポジション（先物外貨資産の負債を差し引いた金額を前月末の自己資本で割った値）の規制をむしろ逆に緩和することにした。
現在、国内銀行は30％で外国銀行の支店は150％に設定されている通貨先物ポジションの上限を、来月から国内銀行40％と外銀支店200％に緩和する。 2010年10月に制度が導入されて以後、ずっと強化されてきた方向を反対に向けたわけだ。企画財政部の関係者は、「今は外貨が急激に流入する時期ではないので、制度を流出と流入の中で〈中立〉方向に改編するわけ」だとし、「現在も大部分で健全性が維持されているため、外国為替市場にすぐさま影響を与えないだろうが、長期的には外貨流入の要因として作用することもありうる」と語った。
政府はマクロ健全性3点セットのうち、非預金性外貨負債に一定の比率で負担金を賦課する「外国為替健全性負担金」制度は、昨年にすでに一回整備したことがあり、改編の効果を当分のあいだは見守るという立場だ。ただし急激な資金流出など有事の際に備えて、一時的に料率を下げられる根拠を外国為替取引法に入れることにした。
また、外国人の債券課税はそのまま残すことにした。 2011年1月から外国人にも内国人と同じく利子所得税と譲渡所得税を賦課した外国人債券投資非課税の廃止は、「非正常を正常化」させたという次元から元に戻す理由がないからだ。
企画財政部と金融委員会、韓国銀行、金融監督院などの金融当局は16日、マクロ経済金融会議を開催して、このような内容を骨子とした外国為替健全性制度の改編案を発表した。
まず政府は、銀行に外貨LCR制度を来年1月から公式規制として導入する。外貨LCRとは、銀行が保有している米ドルや国債・公債などの現金性外貨資産を、30日以内に満期が到来する外貨負債で割った値で、LCRが高いほど危機的状況に対応できる余力が大きいことを意味する。
全北銀行・済州銀行・光州銀行などの外貨負債が小さい一部の銀行を除いて、すべての都市銀行は外貨LCR規制を守らなければならない。特に新韓銀行・国民銀行・ハナ銀行・ウリ銀行などの市中銀行は、来年から外貨LCRが60％を越えなければならない。毎年10％ポイントを上げる方式であることから、2018年には70％、2019年には80％水準に合わせなければならない。企業銀行・農協銀行・漁協銀行などの特殊銀行は、来年の外貨LCRは40％を越えなければならない。毎年20％ポイントを上方修正し、2018年には60％、2019年には80％以上にならなければならない。
すぐさま6ヶ月後からLCR規制が導入されることにより、各市中銀行はLCR基準で流動性の高い外貨資産を確保しつつ、短期の外貨借入を減らしていくと予想される。
政府はまた危機が発生した場合、金融委員会の議決だけで外貨LCRの規制比率を下げることができるようにする予定だ。
金融委員会のカン・ヨンス金融市場分析課長は、「危機の発生時にLCRを下げると、銀行は自分たちの保有する米国債などの高流動性資産を売り、実物部門に供給することになる」とし、「危機時には外貨借入が難しくなって価格も高くなるが、これを緩和できる〈倉庫〉のような役割を銀行に与えるために規制を新設したわけ」だと語った。
政府が外貨LCR規制を導入した背景には、2008年のリーマン・ブラザーズの破産で世界金融危機が始った当時の「くらっとした」経験がある。当時、国内の各銀行は金融当局が設定した外貨流動性規制を満たしていたが、一時的にドル資金源が乾いたところに、外国銀行支店を通じて終日ドル借り入れを行うなど、緊急事態を迎えたことがある。一方、世界金融危機以後の2010年からは、造船業の好況と外国銀行支店の差益取引で短期外債が急速に増えて、いわゆる「マクロ健全性3点セット」が導入された。しかし今回はこの3点セットのうち、通貨先物ポジション（先物外貨資産の負債を差し引いた金額を前月末の自己資本で割った値）の規制をむしろ逆に緩和することにした。
現在、国内銀行は30％で外国銀行の支店は150％に設定されている通貨先物ポジションの上限を、来月から国内銀行40％と外銀支店200％に緩和する。 2010年10月に制度が導入されて以後、ずっと強化されてきた方向を反対に向けたわけだ。企画財政部の関係者は、「今は外貨が急激に流入する時期ではないので、制度を流出と流入の中で〈中立〉方向に改編するわけ」だとし、「現在も大部分で健全性が維持されているため、外国為替市場にすぐさま影響を与えないだろうが、長期的には外貨流入の要因として作用することもありうる」と語った。
政府はマクロ健全性3点セットのうち、非預金性外貨負債に一定の比率で負担金を賦課する「外国為替健全性負担金」制度は、昨年にすでに一回整備したことがあり、改編の効果を当分のあいだは見守るという立場だ。ただし急激な資金流出など有事の際に備えて、一時的に料率を下げられる根拠を外国為替取引法に入れることにした。
また、外国人の債券課税はそのまま残すことにした。 2011年1月から外国人にも内国人と同じく利子所得税と譲渡所得税を賦課した外国人債券投資非課税の廃止は、「非正常を正常化」させたという次元から元に戻す理由がないからだ。
- 毎日経済_キム・ヒョソン記者／イ・スンユン記者 | (C) mk.co.kr
- 入力 2016-06-16 22:35:38
