韓紙伝道師チュ・ウシク、韓紙服・韓紙スピーカーで新風

全州ペーパーのチュ・ウシク社長兼全州韓紙博物館長 

彼はいきなり履いていた黒い靴下を示した。「これが100%韓紙から作られた靴下です。非常に軽くて暖かいです」ピンクのネクタイに視線を向けるやいなや、韓紙生地にシルクを混合したという。

全州ペーパーのチュ・ウシク社長兼全州韓紙博物館長(55)は、いつのまにか韓紙伝道師になっていた。行政考試をパスしたエリート官僚で、サムスン電子をグローバル企業にするところに一助した企業人から、いまや製紙業に携わってそろそろ6ヶ月が経っただろうか。チュ館長は動物的な感触で、韓紙の利点と可能性を鋭い目で見抜いている。

「高麗紙といえば最高の紙でした。中国・日本の王たちが持っていた紙が高麗紙でした。ハングルのような最高の発明品なのに、いまやこの韓紙が‘絶滅の危機’に置かれています」チュ館長の話によると、国内では韓紙の原料であるコウゾを植えず、原料はタイやベトナムから輸入しなければならない実情だという。韓紙として出てくる物も日本と中国式が結合して、正体不明になって久しい。「15年前には韓紙製造企業が国内に数千あったんです。今はホナム(湖南)とヨンナム(嶺南)に20あまりしか残ってないんです」

新聞用紙業界で不動の1位の全州ペーパーも、韓紙を直接生産はしない。博物館で実演する職人がいるだけだ。「国内需要がないんですよ。書道や東洋画をする人がたいへん少なくなりました。その間に洋紙が入ってきて、韓紙の代わりに画仙紙を使うようになりました」効率性を問題にしたところ、値が多少高い韓紙の居場所がなくなったということだ。10年後にはそこそこ命脈を維持していた韓紙も、痕跡なく消えるかもしれない。そこでチュ館長が韓紙を生かすために乗り出した。

長いあいだ韓紙の特性に没頭した結果、チュ館長は印刷媒体ではなく、多様な材料としての韓紙を考えた。軽くて通気性がよく、環境に優しい韓紙はプラスチックに劣らず、繊維として多様なデザイン製品や、工芸品・衣類としても活用可能だという発想だ。

「昔ならば、韓紙で盾や水を盛るたらいを作ったりもしました。布地の良さと紙の良さを結合したものが韓紙です」チュ館長は韓紙礼賛論にとどまらず、今年は多様な実験を行うつもりだ。工芸作家らに韓紙原料を供給し、創造的な工芸品を制作できるように支援し、博物館で韓紙を材料に使う作家の展示を開く。この2月には洋画家のチェ・パダの個展が予定されているが、さまざまな色の韓紙を重ねてくっつけ、その上にさまざまな物体を積み上げて、画面のテクスチャーは豊富だ。まもなく韓紙の原料であるコウゾも植える計画だ。

「韓紙が服になって、スピーカーになる時代が開かれました。私たちにはハングルと韓国料理、Kポップもありますが、忘れてしまった韓紙があります」韓紙を生かす運動は企業のアイデンティティを追求すると同時に、企業の社会還元でもある。

チュ館長は、「中国の人々は商人気質が強く、日本は武士気質が強いことと比較して、朝鮮人は高潔な気質が強い」と、昔の中国の文献の文章を引用して、「木版印刷や金属活字で、我々の祖先は世界的にリードした。これを再び創造的に継承することが私たちの務め」と声を高めた。
  • 毎日経済_イ・ヒャンフィ記者/写真_イ・チュンウ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-01-27 17:18:35