韓国出版業界 割引やポイント、クーポンによる競争はびこる

定価制に該当しない「実用書」に変えて割引幅増やす/割引クーポン乱発...「これでは共倒れ、定価制強化しなければ」 

『アウトライアー(OUTLIRES)』『転換点(Tipping Point)』で脚光を浴びたマルコム・グラッドウェルの新作出版直後、ベストセラーの上位に躍り出た『ダビデとゴリアテ』は先週、半額で買うことができた。新刊書籍の割引限度である10%とマイレージ積立10%、これに携帯電話の割引クーポン5000ウォンまで発行された。1万7000ウォンの書籍を、実際には8770ウォンで買うことができるわけだ。図書定価制の規制を避ける秘訣は、この本が経済経営書ではなく、実用書に分類されていることにある。実用書は割引幅の制限を受けないという点を利用したものだ。

深刻な不況を経験している出版界で、「出血競争」が度を超えている。現行の書籍定価制が新刊書籍の割引幅を10%(割引)+10%(マイル)に縛った状態で、新たに浮かぶ方法は、実用書に分野を変えて割引クーポンを発行することだ。

「キョウボムンゴ(教保文庫)」で1月4日から2月9日まで行われている新年特別イベントを通じ、自己啓発分野の大型新刊が、割引クーポンをはさんで売っている。トム・ケリーの『愉快なクリエイティブ』、ジョン・マックスウェルの『どのように学ぶか』、ゲイリー・ケラーの『ワンシング』などは従来の割引に加え、2000ウォンクーポンをつけている。新刊だが、30~40%割引された価格で売れるわけだ。

「イエス24」では1月末まで、2014年を迎えてクーポン2014種を発行する、クーポン大イベントを行っている。チェ・ユンシクの『2030大胆な未来』は5000ウォンクーポンをはさんで売っており、ワン・ヂュンチュとチュ・シンウイの共著『パーフェクトワーク』、Jack Nasarの『ディル』などが3000ウォンのクーポンと一緒に売られている。このように破格の割引を用いて、ベストセラーランキングに名を上げる方法をさして「過度なマーケティング」という話も出ている。

割引率の制限を受けない旧刊に対する割引競争も佳境に入った。昨年の半額割引行事で『敵に勝つ対話法』『予感は間違っていない』などがベストセラーに上がり、最近になって、出版社もより積極的に半額競争に乗り出している。

27日、教保文庫では村上春樹の『喪失の時代』は50%割引価格で売るだけでも足りず、500ウォン割引クーポン券まで適用されている。このほかにもチョン・ユジョンの『7年の夜』、村上春樹の『1Q84』、カーレド・ホセイニの『凧を追う人』などの堅実な文学の定番でさえ30%割引されて売られている。イエス24で『喪失の時代』をはじめ、パク・ワンソの『その多かったおおやまそばは、誰がぜんぶ食べたのだろう』、トワイライトシリーズのセットなどが半額で売られている。

出版社間の共食い競争に歯止めをかけられる方法は、「完全書籍定価制」導入だけというのが出版界の大半の意見だ。昨年1月、チェ・ジェチョン民主党議員が代表発議した書籍定価制は新刊と旧刊、分野を問わず、すべて10%割引だけ可能に、割引幅を減らすのが骨子だ。しかし、インターネット書店を中心とした10%のマイル適用論が再び頭を持ち上げて、出版界内部の意見を集められず、法通過ははるかに遠い状況だ。

ペク・ウォングン韓国出版研究所責任研究員は、「出版市場が大変なので、誰かれなくクーポン発行をしているが、非常に憂慮される。割引が必要なら、最初から低い定価をつけるといい。出版界自らが図書定価制改正に対する意志に逆行するということ点からも問題意識が必要だ」と説明した。
  • 毎日経済_キム・スルギ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-01-27 17:03:02