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新世界グループチョン・ヨンジン副会長の新流通


  • 新世界グループチョン・ヨンジン副会長の新流通
チョン・ヨンジン新世界グループ副会長は最近、最も忙しい時間を過ごしている。最初の構想から開館まで10年以上力を注いできた「スターフィールド河南」が9日、グランドオープンを控えているためだ。彼はほぼ毎日現場を訪れ、細部まで確認を行っている。それほど「スターフィールド河南」は、チョン副会長と新世界の未来に重要だ。延べ面積46万平方メートル(サッカー場70個分の規模)。同時駐車可能台数6200台。百貨店、倉庫型ディスカウントストア、ブランドショップ、専門店などのショッピングの集合体。遊びや休憩、ヒーリング体験を提供する複合滞在型空間。1日中の滞在にも退屈しない観光名所。チョン副会長が完成させた「スターフィールド河南」の姿だ。

プロジェクトを最初に構想したのは、量販店の成長が鈍化していた2000年半ばだった。新世界グループは、Eマートの急速な成長に勢い付いていたが、オンラインショッピングモールの脅威を見過ごすことはできなかった。このような危機意識を持って、米国の流通市場を回っていた中、チョン副会長の目を引いた場所があった。郊外に位置する大型ショッピングモールだ。

この時、彼は考えた。「郊外のショッピングモールを複合体験空間に拡張しよう。テーマパークや野球場のような人々が楽しめる施設やさまざまなショッピング店舗を一堂に集めれば勝算がある。これこそオンラインショッピングモールを超えられる新流通ではないか」

彼のアイデアは、冒険を恐れていない「起業家精神」と結合し、実行に移された。初めて構想を明らかにした時は反対もあった。オンラインショッピングが大勢になるだろうに、超大型ショッピングモールの建設は無謀だということだ。投資額が1兆ウォンに達し、ややもすると新世界グループ全体を危機に追い込むリスクも大きかった。

しかし、チョン副会長は自分の判断を信じた。1995年に新世界戦略企画室待遇理事として入社した後、さまざまな試みをしてきたが、この中には大きく成功したことが多かった。ピーコクとノーブランドのような独自ブランド(PB)と量販店のコンセプトを拡張したEマートタウンなどが代表的だ。この経験は彼に勇気を与えた。

「スターフィールド河南」の工事を本格化した2014年、グループ経営戦略ワークショップで彼はこんな言葉で悲壮な覚悟を明らかにした。「新世界は今後10年間で新たな流通業態の発掘と集中投資を通じて、将来の成長動力を確保するだろう。既存の慣行は振り切り、市場の限界を突破する創造と革新を主導しなければならない」

昨年の新入社員研修キャンプでは、「新世界が作れば何か新しく楽しいものだという期待感を植えつけよう」とし、スターフィールド河南の誕生を予告した。

彼の新流通実験の幕が上がる。最安値で最高の商品を売るという流通本来の価値と同時に、顧客にさまざまな体験を提供するというチョン副会長の夢が実現するか、すでに気になる。
  • 毎日経済 チャン・バクウォン論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-09-07 17:27:52




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