トップ > コラム > FOCUS > 韓国でも「マイボトル」ブーム 日本の製品を高価で取引

韓国でも「マイボトル」ブーム 日本の製品を高価で取引

スティーブ・ジョブズが持っていそうなボトル 

奇抜なデザインではないけれど韓国へ正規輸入できずプレミアまで付いて取引
ロック&ロック、マンゴーシックス...韓国メーカーら「類似品」続々

「これのどこが特別なのか…」日本のある生活用品メーカーが作った水筒「マイボトル(MYBOTTLE)」に対するほとんどの反応だ。透明な容器にくねくねと書かれた文字。特異なところを見つけるのが難しいほど平凡な水筒だ。

平凡なデザインの力は怖かった。今年の初めからうわさに乗って広がったこの水筒は、オンラインで7倍までプレミアムをつけて販売されるほど、人気が出た。この製品の日本定価は約1512円(1万5000ウォン)だ。本社の直営オンラインストアでは品切れになり、日本国内でも販売店は二ヶ所に過ぎない。韓国国内に正式に輸入されておらず、プレミアを上乗せしてでも買いたいという人々が増えたわけだ。日本現地では大量に仕入れていく韓国人たちが増えたため、販売店トゥデイズスペシャル(today's special)は1人2個までと購入数量を制限する方針まで決めた。業界関係者によると、購入個数に制限ができたため服を着替えてまで買いにくる人がいるほどだ。既存の水筒では作られなかった「マニア市場」が形成されたわけだ。

  • 韓国でも「マイボトル」ブーム 日本の製品を高価で取引
  • 平凡なデザインでマニア層を作り、透明水筒ブームを呼んで来た「マイボトル」。[写真提供=トゥデイズスペシャル]

「マイボトル」ブームは「水筒」が一つのファッションアイテムとして浮上していることを示している。どこでも持ち歩くことができ、外部への露出頻度が高いという特徴のおかげで、水筒のデザインに気を使う人が多くなったというわけだ。「マイボトル」デザインの最大の特徴は、「透明感」と「シンプルさ」だ。色とりどりの色を自慢する不透明な容器で作られた既存の水筒とは異なり、マイボトルは透明な材質のため中身に応じて、容器の感じが違ってくる。また、環境ホルモンが検出されない「トライタン」素材で作られており、この素材は耐熱温度が摂氏マイナス40度から100度なので、冷たい飲み物や熱い飲み物の両方を入れることができる。口も広く、果物など使用者が望む多様な内容物を保管できる。中に入れるものに応じて「外から見える部分が変わる点」が際立ち、自然にデザインが引き立つようになるのだ。実際、この製品が人気を博したのも、マイボトルに飲み物や果物を入れた写真がソーシャルネットワークサービス(SNS)を通して有名になってからだ。

また、無駄のないすっきりとしたデザインのおかげで「第2のiPhone」のような感じを与えるという評も出ている。製品の外観デザインは、飲み物を入れる水筒機能に忠実だ。利便性を高めるための取っ手など、付加的な機能がないのでデザインもシンプルだ。むしろこの点が活用性を高め「シンプル」を好む人々の心をとらえたという分析だ。

「誇示的消費」という指摘を避けることはできない。中古ブランド品を販売していたネイロのイ・ソンジン代表は、マイボトルを輸入して販売する事業が成功するや否や、最近は水筒の輸入と製造に事業の方向を変えた。

イ代表は、「ブランド品販売に現れる誇示的消費性向が“マイボトル”現象に現れる」とし、「低価格で買うことができるファッショナブルなアイテムというのがブームを起こしたようだ」と語る。

マイボトルが人気を呼んでから、韓国国内メーカーも素早く動いている。

マイボトルと類似した製品を出したり、独自のデザインを強化した製品を発売している。まず、デザートカフェ「MANGO SIX(マンゴー・シックス)」が4月、マイボトルのメーカーである日本の「リバーズ」に依頼して、同じ材質で「シックスボトル(SIX BOTTLE)」を作った。

デザインはマイボトルのような透明な容器に「SIX BOTTLE」という文字があるのが全てだ。販売価格もマイボトルと同様の1万5000ウォンだ。シックスボトルの販売を開始してすぐに1次は2000個、2次も4000個すべて売れた。現在3次予約購入を実行中で、初日にすでに1万5000個が売れた。マンゴー・シックスの関係者は、「予想以上に反応が爆発的なので、当分のあいだ販売を継続することを検討している」と語った。

生活用品メーカー、ロック&ロック(LOCK&LOCK)も「ビスフリー・イット・ボトル」を発売した。シックスボトルと同じようにトライタン素材の透明水筒に「IT BOTTLE」という文字が書かれている。この製品はシックスボトルよりやや安い1万3000ウォンで販売されており、発売初週に行われた特別割引を適用した3000個限定商品は完売した。

  • 韓国でも「マイボトル」ブーム 日本の製品を高価で取引
  • 「マイボトル」と同じ素材で作られたロック&ロックの「ビスフリーイットボトル」。[写真提供=ロック&ロック]

ロック&ロックはこれにとどまらず、韓国・米国・中国・日本など、各国のカウボーイや海賊やインディアンなどのキャラクターを象徴化した「コレクション水筒」も発売した。個性の強いキャラクターに帽子を蓋で表現するなど、デザイン性を強化して所有価値を高め、水筒を「収集」するマニアを狙った。

これらの中に「英国」「マシュー」「ジャック」など、特に個性の強いデザイン水筒は、発売直後に品切れになった。初期の出荷量は4000個だったが、一週間でこれら3デザインの水筒1万2000個がすべて売り切れた。

  • 韓国でも「マイボトル」ブーム 日本の製品を高価で取引
  • 水筒コレクターに人気を得ているキャラクター水筒シリーズ「コレクション水筒」。[写真提供=ロック&ロック]

ロック&ロックの関係者は、「水筒をファッションアイテムとして持ち歩く人々が増え、個性的な製品が人気を集めている」とし、「夏に別の“コレクション水筒シリーズ”を企画中だ」と語った。

三光グラスは天然ガラス素材の強みを前面に出し、蓋のデザインと色を多様化した水筒を出した。へこんだドーム形状の蓋の「ドームシェーカー」と、平らなフタの「フラットシェーカー」だ。「マイボトル」のような透明な本体デザインは活かしたが、裏面に目盛りを刻んでありミスカルなどを飲むときに便利だ。

この製品は、昨年の「2013ピンナップ(PIN UP)デザインアワード」の「生活用品およびホームオフィス用品デザイン」部門で特別賞を受けた。
  • 毎日経済_キム・ヂア記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-05-30 15:59:44




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア