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KT黄昌圭会長の破壊的思考


  • KT黄昌圭会長の破壊的思考
KTがオンライン広告代理店であるエヌサーチマーケティングを600億ウォンで買収すると去る26日に明らかにした時、市場では意外だという反応が出た。広告代行はKTの本業である通信サービスとは全く別の領域であるためだ。

しかし、黄昌圭(ファン・チャンギュ)KT会長の考えは違った。「通信事業者がネットワークだけを提供するダムパイプ(Dumb Pipe / 単純網プロバイダ)に転落してはならない。速度を高める水準を超えて、ネットワークが融合ソリューションと結合する方式に進化しなければならない」去る20日、黄会長がハーバード大学の特別講演で強調した部分だが、彼が広告会社を抱えた理由を垣間見ることができる。黄会長が新成長動力のうちの1つとして注力する分野がビッグデータだ。広告の生産と消費の経路は、ビッグデータと深い関連がある。そのため、国内広告検索1位企業のエヌサーチマーケティングに彼が欲を出したのだ。

黄会長は成長が止まったKTを生かそうとするなら、「破壊的思考」が切実だと考えた。先月26日に開かれた役員ワークショップで彼はこう力説した。「今が今後5年間の持続性の有無を分ける臨界点だ。観点を変えれば不可能はないという破壊的思考で成果創出に乗り出さなければならない」

2014年に黄会長が就任後、変化したKTの姿は「破壊的思考」の軌跡をそのまま見せる。料金ではなく、データに対してだけ課金する「データ料金制」を初めて導入すると、動画やウェブトゥーン(Web漫画)などのコンテンツに事業領域を拡大していった。

積極的な投資のために、KTレンタルとKTキャピタルのような非核心部門を整理し、56社に達していた系列会社を40社に減らした。実績も大幅に改善され、昨年には3年ぶりに営業利益1兆ウォンクラブに復帰し、連結基準売上高も22兆2812億ウォンに達した。

破壊的事思考は「黄の法則」を発見した洞察力から出た。サムスン電子の半導体総括兼メモリ事業部長として在職していた頃の2002年、黄会長は国際半導体回路の学術会議で、半導体の集積度が2倍で増加する速度が1年に短縮されたと宣言した。半導体チップの容量が18カ月ごとに2倍ずつ増えるという「ムーアの法則」を破った発表だった。

当時、業界はもちろん、半導体の専門家らでさえ半信半疑だったが、黄会長はその後、自身の発表を実際の商品に証明してみせた。破壊的思考と強力な実行力が「黄の法則」を作ったわけだ。「今、私たちは目に見える成果以上の変化を目撃している」黄会長が今年4月に従業員に送ったメッセージだが、破壊的思考が思いがけない贈り物を与えられることを暗示する言葉に聞こえる。
  • 毎日経済 チャン・バクウォン論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-10-03 09:28:02




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