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[円安新風俗図 ①] 企業が先を争ってサムライボンド発行

円の安い時に借りよう… 

  • [円安新風俗図 ①] 企業が先を争ってサムライボンド発行
  • < ドルよりも円に対して強い勢いを見せるウォン *資料=韓国銀行 >

アベノミクスが力を得て円安現象が続くやいなや、韓国国内企業の間に円表示債券であるサムライボンド発行が急増した。輸出企業は韓国貿易保険公社を通じた円為替変動保険加入が大きく増えており、円安長期化に備えようと慌ただしい。

9日、投資金融(IB)業界によれば今年の韓国国内企業のサムライボンド発行額は1950億円(約2兆ウォン)に達した。来年のサムライボンド発行額は借換などを事由に2921億円(約3兆ウォン)を超すと見込まれる。企業の円為替変動保険の加入も列を成し、昨年末1216億ウォンに達した円為替変動保険加入額は先月末現在で1576億ウォンと、30%ほど急増した。

ポスコは去る4日、500億円規模のサムライボンドを成功裏に発行した。特に気難しいことで有名な日本の投資家たちは高金利を追って長期物をさがしたせいで、ポスコはこのうち400億円を5年満期として発行した。通常、日本の投資家はサムライボンドに投資する場合、2~3年満期の短期物を好む。

ポスコの他にも去る10月には現代キャピタルが250億円分のサムライボンドを発行し、先立ってはKT・ウリ銀行・産業銀行・新韓銀行が相次いでそれぞれ300億円規模でサムライボンドを発行した事がある。

新年には韓国国内企業のサムライボンド発行がより活発になる見込みだ。来年に満期が到来して韓国国内企業が借換発行する円債券の規模だけでも2921億円に達し、向後の円の弱気によるウォン換算負債の減少効果を勘案する場合、追加発行もあると占われている。

韓国国内企業のサムライボンド発行熱風は、韓国国内企業の円調逹需要と、信用度が良い韓国企業に投資しようとする日本の投資家たちの需要が一致した結果だ。IB業界のある関係者は「円の弱気が長期化すると、サムライボンドで借り入れた国内企業のウォン換算負債額は減る」とし、「相対的に金利が高い韓国企業のサムライボンドに、日本の投資家も大きな関心を見せている」と語った。

サムライボンドと円為替変動保険ともに円の弱気が持続する場合、該当の企業は為替差益を得ることができて利得になる。サムライボンドは日本を除いた韓国などの外国が、日本現地で円として発行する債券で、円の弱気が持続する時、ウォン換算の債務負担を減らす効果がある。円為替変動保険は韓国貿易保険公社で所定の保険料を受け、企業の為替損失を補償する為替ヘッジ商品で、日本への輸出企業には円安対策になる。

IB業界の関係者らは「円が‘高空行進’していた去年、サムライボンドを発行した企業は負債減少効果が大きいだろう」とし、「円が1000ウォン下に落ちるはずだという予想が多く、このような現象は持続するだろう」と見通した。

サムライボンド以外にも、円為替変動保険に加入した企業も安堵の息を吐くだろう。市銀銀行のある関係者は「円為替変動保険は為替変動に脆弱な中小企業が主な対象」としながら、「円の弱気による為替損失を阻んで、これらの企業に大きな力になる」と説明した。円安による輸出中小企業の負担が増えている中で、韓国貿易保険公社がこれら企業に支給した円為替変動保険金は、去年12月の61億ウォンから今年11月末現在で188億ウォンと、3倍ほど増えた状況だ。

一方で、過去に企業が円の弱気による恵みを受けるために愛用した円貸出は、元利金償還が増えつつ縮小される趨勢だ。過去、円の急上昇で国内企業に毒薬として作用した痛い記憶もある。金融監督院によれば、2010年末で163億5000万ドルに達した円貸出は、去る9月末基準で92億ドルと比べものにならない。
  • 毎日経済_イ・ドクチュ記者/チョン・ギョンウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2013-12-09 17:24:49




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