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サムスン「すべての被害を積極的に補償する」…二次・三次協力社まで

◆ ギャラクシーノート7中断後の暴風 ◆ 

  • サムスン「すべての被害を積極的に補償する」…二次・三次協力社まで
△写真=ギャラクシーノート7の突然の中断で、携帯電話の小売店も売り上げ不振に苦しんでいる。 16日午後、ソウル市の龍山電子商店街の携帯電話店の棚に、回収を待つギャラクシーノート7が置かれている。 [イ・チュンウ記者]

「本家に不幸があったのにうちの家族が飢えたとかで愚痴を言ってもはじまらないでしょう。なんとか原価でも補償があれば幸いだし、だめだとしても何とか持ちこたえるしか」。サムスン電子の協力社A社の代表は、ギャラクシーノート7製造終了の影響が現実化した14日、記者との電話通話で「ギャラクシーノート7の納品のつまづきで毎月100億ウォン以上の売上げ被害が発生するだろうと推定されるが、補償してほしいという言葉はどうしても口にできずにいる」と語った。

ギャラクシーノート7の製造終了にともなう暴風で混乱に陥った中小の協力社のために、サムスン電子は一次はもちろん二次・三次協力社に対しても、すべての被害を積極的に補償するという立場を内部的に確定した。サムスングループの関係者は16日、毎日経済新聞との通話で「ギャラクシーノート7問題を収拾するために、グループレベルで7兆ウォンの資金を編成することにしただけに、協力企業の苦痛を分担するためには金を惜しまないつもり」だとし「一次はもちろん二次・三次協力社も、ギャラクシーノート7に納品するための製品であった点を立証できる場合は、注文量に対する納品代金を順次支給することを決定した」とした。

サムスンのこのような決定は、ギャラクシーノート7の製造終了決定後に浮上した、協力会社の連鎖不健全化の懸念を鎮めるためのアクションとみられる。協力社はギャラクシーノート7の製造終了後、サムスンからこれといった補償計画の伝達を受けていないが、「乙」の立場から補償に関する問い合わせをすることは難しかった。補償するかどうかが不透明な状況で、業界では「製造原価だけ補償する」「完成品のみ補償する」などのさまざまな説が横行した。比較的規模の大きい一部の一次協力社は、サムスン電子の実務者から「9月までの注文量に代金が支払われていない部分は、補償する計画」だという口頭の助言は受けたが、文書で公式にされていない二次以下の協力社に対する代金決済は凍結するなど、最悪の状況に備えてきたはずだった。


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  • < ギャラクシーノート7中断による協力会社の被害 >

サムスングループが準備した協力社の補償案の核心は「差別のない補償」だ。協力社で製造された製品がサムスンのギャラクシーノート7に納品される予定だったという事実だけを確認れれば、その企業が一次協力社でも三次協力社でも差別せずに補償する。取引規模や協力社の企業規模も関係ない。サムスンのスマートフォンは小さな部品の一つまで徹底した履歴管理が行われるため、グループレベルで協力社に職員を派遣して、簡単なチェックのみを実施すれば補償範囲は簡単に算出することができる見込みだ。

協力社のあいだで焦眉の関心事であった補償基準は、「納品価格」と「原価」がともに適用される。サムスン電子の関係者は、「協力社から納品する品目が製品の場合は納品を基準に、原・副資材の場合は原価を基準に補償することに方針を決めた」と説明した。納品価格基準の補償とは、協力社に製造原価に営業利益率までを加えて補償するという意味で、今回のギャラクシーノート7問題のすべての責任をサムスン側で負うという意味でもある。大企業の需要予測に失敗した協力社の在庫負担が大きくなったときに、これを補償する事例は時折あるが、製造原価だけを保全するケースがほとんどだった。今回のギャラクシーノート7問題によって、協力社の生態系に伝播する衝撃を最小限に抑えることで、成功裏に再起に乗り出すというサムスンの意志が示された部分だ。

サムスングループは協力社が事前に生産しておいた「安全在庫」に対しても、規定にしたがって可能な限り補償する方針だ。安全在庫とは顧客の注文が急増する状況に備え、協力社が独自の判断に基づいて確保する在庫であり、厳密にいえば顧客社が責任を負うべき部分ではない。サムスングループの関係者は、「安全在庫もサムスンのニーズに緊密に対応しようとする協力社の努力であるため、補償することにした」とし「注文量と同様に履歴を確認した後、契約条件にしたがって定められた部分を補償する」と説明した。

サムスングループでこのように前向きな内容の協力社補償案を整えたが、製造中断初期から協力社に伝わらなかったことは残念なところだ。また、サムスンが内部的に用意した指示が、どこまで誠実に遂行されるかもまだ未知数だ。協力社B社の関係者は「まだ公式に伝達されたものはなく、もう少し状況を見守らなければならないようだ」とした。サムスンの宣言とは異なり補償が適切に行われないならば、協力社に残った最後の希望は他の納品先を探すことだ。これまでにもサムスンは、戦略スマートフォンの販売台数が予想よりも低調する場合にギャラクシーAとギャラクシーJなどの普及型モデルを発売し、協力社が在庫部品を納品することができるように道を開いたりもした。

サムスン電子のスマートフォン事業に関連する一次協力社は100社前後、協力社全体では約1000社に達することが分かった。業界ではギャラクシーノート7の終了で、協力社の被害は1兆ウォンに達すると推定している。
  • 毎日経済_イ・スンフン記者/チョン・スノ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-10-16 21:46:50




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