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沈む韓国の海運…海運連合体「チームコリア」で危機突破

現代商船+3社のミニ同盟実験中/ 中小の国内船社、黒字倒産の危機…合従連衡で活路求める 

「コリョ海運」「フンア海運」「チャングム商船」などの中小規模の海運会社を一つにまとめた「チームコリア」形態の海運連合体結成が推進される。韓進海運の法廷管理で韓国の国籍船社の位相が大きく弱体化した中で、グローバルな競争に対応する一方で国内船社の過当競争を防ぐためだ。

政府の関係者は19日、「韓進海運の法定管理で生じた空白を埋めるために、既存の国籍船社である現代商船の能力を強化する一方で、中小の海運会社を連携した〈チームコリア〉形態の第2国籍船社の構成方案を模索中」だとし「現在、すでに東南アジア航路の中小船社が運営しているミニアライアンスをさらに拡大するということ」だと説明した。

特に船主協会や韓国海洋水産開発院(KMI)などの民間でも、中小の各船社間の共同販売や共同運営協議体作りの必要性について声を高めており、議論が加速している。

「現代商船ワントップ+チームコリア」の形で国内各船社を組もうという議論に速度が加わるやいなや、今月末に政府が発表する「海運業の競争力強化策」も、国内の各船社間の協力への金融支援を拡大するところに力点が置かれているようだ。韓進海運の運命が不透明な状況だが、既存の韓進海運の空席を埋める国籍船社の船腹量の確保は政府の重要な課題だ。

政府の関係者は「現代商船と韓進海運の二大国籍船社体制におけるこれまでの海運物流システムを改革する一方で、これを支えることができるように船舶・ターミナルなどのすべての分野で金融支援を網羅するのが海運業の競争力強化策の中核となる」と明らかにした。

これと関連し、カナダのシースパン(Seaspan)社やギリシャのナビオス(Navios)社のように、国内でも船舶の貸与を専門とする船主会社を作ろうという主張が民間から提起されて注目される。

チョン・ヒョンジンKMI海運市場分析センター長は、19日に開かれた海運業界の最高経営責任者(CEO)招待セミナーで、「国籍船社間のアライアンス構成と共同運航を通じたコスト競争力の確保が活発になり、遠洋海運及び近海海運が協力する形になければならない」とし、「中・長期的に政策金融を投入して、船舶貸与専門の船主会社を設立すると競争力の強化に役立つだろう」と述べた。

船主協会も最近、国内の各船社が連合体を構成して「単一販売会社と単一運営会社」体制を導入するべきだと主張している。キム・ヨンム船主協会副会長はこの日、「過当競争の防止次元でイントラアジアを中心に、販売または運営を共同で行う共同運営体制の導入を検討するべき」だとし、「二大国籍船社が担当していた100万TEU(1TEUは20フィートの長さのコンテナ1個規模)の船腹量のうちから韓進海運の分である60万TEUの船腹量が消えた状態で、このまま各社それぞれが生きる道を図るなら2~3年を持ちこたえることも難しいという危機意識が広まった状態」だと明らかにした。

現代商船と韓進海運は米国・ヨーロッパまで遠洋路線を運営するコンテナ船社であることに対して、コリョ海運とチャングム商船やフンア海運などの中小船社は東南アジアなどの近海を主に海運ルートを運営している。

中小船社が運営する沿・近海は遠洋に比べると一種の路地商圏で、別個のアライアンス内で競争しており、負債比率などの財務構造も比較的良好だ。しかしパナマ運河の開通後には大型船が近海路線にまで越えてくる可能性が高まり、東南アジア市場でも過当競争の脅威が大きくなった。このまま行けば中小船社どうしの出血競争で共倒れする可能性が高まったわけだ。

しかし沿・近海船社がチームを成すようにすると韓進海運の海外現地人材と協力して、近海・遠洋を網羅する路線を構成する案も検討できるようになる。まずは回生に成功した現代商船を強化しつつ、同時に第2の国籍船社連合で韓進海運の営業網と協力して韓進海運の回生あるいは吸収を助ける方案だ。

実際に、国内の中小船社間の同盟体制は先月に始まった。韓進海運の法定管理(会社更生手続)で国籍船社1位になった現代商船は、先月8日からコリョ海運とチャングム商船やフンア海運などの中小海運会社3社と提携し、海運同盟(アライアンス)を結成した。

アジア(光陽・釜山)~ベトナム・タイ路線を新設してこれまで韓進海運が運航していた東南アジア路線を代替し、アジア(光陽・釜山)~シンガポール・マレーシア、アジア(光陽・釜山・蔚山)~インドネシア、アジア(仁川・釜山)~インドネシア路線新をたに敷いた。現在、海運4社の船舶15隻を投入して、東南アジア4路線を運営している。主力の現代商船は5000TEU級のコンテナ船1隻と2800TEU級を1隻、2200TEU級を2隻、1700TEU級1隻などのコンテナ船を新たに投入した。現代商船の関係者は、「韓進海運の法定管理に起因する東南アジア路線の荷主被害を最小限に抑え、遠洋航路の積み替え機能を強化するために同盟を結成した」とし「グローバルな船社との競争にも対応する」と述べた。

一方、一部では中小の船社が自らの骨を削る自助努力なしに、金融機関の支援のみを要求することは望ましくないという指摘も提起されている。国内の不透明な業務慣行も運賃値上げや競争力悪化の要因として指摘されるが、業界が大々的な自浄の声をあげたことはないからだ。 「チームコリア」構想も沿・近海船社が既存の営業網を守るためにのみ利用され、国家競争力を強化するための遠洋の支援にまでつながらない場合、最終的に「自分の茶碗だけ」という非難を免れない。

一方、政府は今月末に造船業の構造調整案とともに「海運業競争力強化策」を発表する予定だ。

業界では政府が追加の金融支援策を出すかに神経をとがらせている。政府は昨年末、11兆ウォン規模の国策銀行の船舶ファンド運営案を発表したが、いまのところ発注されていない。現代商船が条件を整えたが、海運運賃の安価な状況で船を直接発注して所有することに利点があるのか、借りて使うことに利点があるのか、ポートフォリオ分析が不十分だからだ。

政府が先だって海運業強化案を出したのは世界金融危機後の2009年、金融委員会が海運業の構造調整の推進方向を発表(3月5日)した後に海運産業の競争力向上策(4月23日)を提示した。

船舶投資会社の活性化、国籍貨物輸送基盤の構築(国内大量荷主と海運会社間の船貨主協議体の活性化)などの内容で船舶の拡充を支援し、貨物を増やすという点は今年に入って政府が推進した政策と枠組みが同じだ。

この日、海運業界は「韓進海運の法定管理の後に市中銀行が新規融資を拒否し、優良中堅海運会社が黒字倒産する危機に瀕している」とし、海運会社の金融取引の正常化への支援を政府に公式に要請した。

船主協会によると今年の上半期、50の国内海運会社のうち80%(法定管理体制船社などを除く)が営業利益を出していることが分かった。

■ 用語説明
チームコリア:海運業の長期不況や過当競争の懸念の中で、沿・近海の中小海運船社の力を合わせて第2の国籍船社を支援する案。ミニアライアンスから船舶の共同運営と共同販売(単一運賃)などが段階的に議論されうる。
  • 毎日経済_キム・ジョンファン記者/イ・スンユン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-10-20 07:00:06




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