世界と反対に向かう韓国自動車市場



現代・起亜自、「軽量化にまい進する」としながらも重量増のモデル発売


ルノーサムスン・韓国GM、新車出せず輸入販売...5大生産国の名声にひびが

「韓国は世界5位の自動車生産国だ。ところで新車のトレンドはもちろん、消費者の購買パターンまで世界的な傾向とは別に一人遊びの感じだ」。

ある輸入車ブランドの役員は、私的な席でこのような話を持ち出した。彼の言葉通りに、韓国は年間450万台を生産する自動車大国として浮上した。輸入車の販売が活気を帯びるやいなや、現代と起亜の車一色だった道路も多彩になった。

しかし、内幕をうかがうと何かすっきりしない。国内市場の70%を掌握した現代・起亜自動車は、「軽量化」という世界的な開発傾向とは逆に「ぶくぶくした」車ばかりを出す。輸入車市場は15%の市場シェアをねらうまでに急成長したが、ドイツ製ディーゼル車への偏り現象が度を越しているという声が大きい。ルノーサムスンと韓国GMは国内で全く新車を出せず、下請け基地に転落するだろうとの懸念が後を絶たない。完成車の市場が大きくなり、自然に成長するはずのチューニング市場は、そもそも芽を出すこともできない状況だ。

現代自、「軽量化」しないのかできないのか


現代製鉄、まずは鋼板処理?

新型「ソナタ(LF)」を本格的に販売する前の去る3月4日、現代自動車の南陽研究所は記者らを対象に事前公開イベントを開催した。この席で「空車重量」をめぐって論議が起こった。現代自の黄貞烈(ファン・ヂョンヨル)常務が空車重量を以前のモデル(YFソナタ・141キロ)よりも45キログラム増えた1460キログラムと明かすやいなや質問が殺到した。「世界の自動車業界の趨勢はエンジンのダウンサイジングと軽量化だが、現代自はなぜこれに追随しないのか」というのが要旨だった。回答に乗り出したファン常務は、「燃費を向上させることは軽量化のみでなされるのではない。燃費を向上させるための特別な装置を組み込むと重量は増えるしかない」と明らかにした。

昨年の「ジェネシス」発売時も以前のモデルよりも重量が大きく増え、口の端にあがった。ジェネシスは軽いアルミよりも、超高張力鋼板の使用を増やした。9年ぶりにすっかり変わったモデルとして出した第3世代の「オールニュー・カーニバル」も、小幅だが(2110キロ→2137キロ)重量が増えた。自動車業界では、系列会社の現代製鉄が生産しはじめた自動車用鋼板を消化するために、鋼板等の使用を増やしたと分析する。結果的に現代・起亜自が最近出した3つの新車はぜんぶ重量が増えた。

このような動きは、現代・起亜自動車が過去明らかにした開発計画ともそぐわない。昨年秋の「自動車部品産業の発展戦略セミナー」でイム・ヂョンデ現代自動車材料開発1室長(理事)は、「軽量化は自動車の燃費向上、二酸化炭素排出の削減、走行性能の改善などのために必要だ」とし、「車両に組み込まれる2万個あまりの部品すべての軽量化がR&Dの最優先課題」だと語った。

鉄の代わりに炭素繊維の使用量増加


環境汚染・燃費向上を考慮したため

世界の自動車開発の明確なトレンドは「尖端軽量化」ということに異見をとなえる者はない。各メーカーは基本的な素材を、鉄の代わりにアルミニウムやプラスチック、炭素繊維などに変え、設計を変更して贅肉を落としている。

1974年にフォルクスワーゲンが初めて登場した時の重量は780キロだった。以来、エアバッグ・エアコン・オーディオなどの補助装置が追加され、大きさは同じようなものだが重さが2倍にふくれた。しかし、最近10年のあいだに高強度の「ダイエット」を断行して、第7世代モデルは以前よりも100キロ減らすことに成功した。

メルセデス・ベンツが2012年末に国内発売した「SL63 AMG」は、量産モデルの中で初めて車体全体をアルミで製作して有名になった。アルミ車体の重量は256キロで、従来モデルと比較して110キロ軽くなった。

フォードのピックアップトラック「F-150」でのアルミ使用も、業界では軽量化の大きな進展として受け入れている。フォードは前面部と貨物スペースなど外部車体の大部分にアルミを使用して、重量を317キロ減らす予定だ。GMもピックアップトラックの後続モデルの軽量化を推進するとおおやけにした。2014年末、「シルバラード」の新モデルをアルミで開発し、重量を113キロ減らす計画だ。このように世界は全車種に渡って軽量化を試みている。

グローバルメーカーが軽量化に方向を定めた理由は環境規制や燃費競争だ。普通車の重量が100キロ増えれば、キロメートル当たりの二酸化炭素排出量は11グラム増える。EUは1台当たり140グラム(1キロメートル走行基準・2010年)の水準である二酸化炭素の排出量を、2020年から95グラムに削減する方案を出した。この基準に合わせることができなければ、超過したグラム当たり95ユーロの罰金を払わなければならない。米国は2020年の二酸化炭素排出基準を113グラムと定めた。

車体が軽くなるほど燃費が良くなるということは言うまでもない。自動車専門家らは、車の重量を10%減らすと燃費が7%程度向上すると推定する。現代自が「燃費の悪い車」という汚名をかぶったことも、軽量化の趨勢に逆行する流れと無関係ではない。現代自はLFソナタを出して、燃費効率を高める装置を強化して重くなったとしたが、既存のYFソナタに比べて燃費はリッター当たり0.2キロしか向上しなかった。この燃費でさえ幅広タイヤを装着して測定し、実際の改善効果は全くないという見解もある。重さが150キロ以上増加したジェネシスの公認燃費は8.5~9.4㎞/リットルだが、実際は5~6㎞/リットルにもならないという試乗談が後を絶たない。ある輸入メーカーの関係者は、「他のブランドは新車が出るたびに重量が減るのに、安全性や燃費向上のために重量を増やすしかないという現代自の言葉はそのままには受け入れ難い」と語った。

  • 去る4月、輸入ディーゼル車が1万1000台売れ、割合が67%を超えた。<毎経DB>

輸入車市場はドイツ製ディーゼル車に偏る


ヨーロッパでは窒素酸化物の排出で販売伸び悩む

「韓国人のドイツ製ディーゼル車愛好は格別だ。燃費で計算すれば、ハイブリッドも劣らないのに...」。

ハイブリッドに強みを持つトヨタのある関係者が、口惜しさを打ち明けた言葉だ。

韓国の輸入車市場はドイツ・ブランドのディーゼルエンジンが掌握していると言っても過言ではない。2011年は35%に過ぎなかったディーゼルの割合は、2012年には51%と半分を超えた。昨年の全体販売車両(15万6497台)の62%に上昇した。4月の販売でもディーゼル車は1万1000台あまりが売れ、その割合は67%を超えた。10台のうち7台はディーゼル車という意味だ。

このようなディーゼルブームはBMWやフォルクスワーゲン、アウディなど、ドイツ・ブランドが主導する。これらのブランドはディーゼル車の販売順位10位圏をすべて席巻した。ドイツ車が早目にディーゼルエンジンを開発し、技術力に優れるのは事実だ。ガソリン車に比べて燃費が良く、トルクが太くて加速が良いというのがディーゼルの長所だ。現代・起亜自は相対的にディーゼル車の開発に遅れて競争に乗り出せなかったという点も、ドイツ製ディーゼル車への偏り現象をあおった理由の一つだ。

このような流れなので、好況という輸入車市場でも「貧益貧、富益富」現象が顕著だ。今年の1~4月、ドイツ車の販売台数は前年より32%増え、シェアは72%を記録した。かつてよく売れた日本車の販売台数は4.6%増加したが、シェアは14.2%から11.8%に低下した。

特異な点は、燃費で十分に競争力のあるハイブリッド車が大きく成長していないということだ。ディーゼル人気は爆発してハイブリッド車が嫌われる極端なコントラストは、ハイブリッド車市場が年率10%以上成長している世界的な流れとそぐわない。昨年、輸入ハイブリッド車は5800台あまりが売れたがシェアは3.7%に過ぎない。やはり昨年、ハイブリッド車は2万9000台が新規登録されたが、前年に比べて20%以上減った数値だ。現代・起亜自はソナタ・K5などの中型に続き、中・大型の「グレンジャー」でもハイブリッド車を出したが、反応は熱くない。あるアンケート調査によると、国内消費者の10人中6人が次世代自動車としてハイブリッドをあげ、高い燃費効率を理由に購入意向を明らかにしているが、実際の販売にはつながらない。このような雰囲気を反映するように、「フォルテ・ハイブリッド」と「アバンテ・ハイブリッド」はまったく廃止された。

業界関係者はハイブリッド車に関する「誤解」を売上増加の障害とみなす。バッテリー交換のコストが大きく、燃費節減効果がないというのが代表的な例だ。しかし、メーカーのほとんどが10年または生涯保証を掲げており、バッテリーに関する問題はない。

ディーゼル車の増加現象は、社会的にも嬉しい現象ではない。ディーゼルはガソリンよりも二酸化炭素や一酸化炭素の排出量は少ない。しかし、オゾンを生成しスモッグの原因となる窒素酸化物(NOx)を多く排出する。国立環境科学院によると2011年、国内運行中のディーゼル車が排出した窒素酸化物は26万トンを超え、国内産業全体の排出量の4分の1を占める。国内全体の微細粉塵の9.9%、超微細粉塵の14.7%がディーゼル車から出てくる。一方、ガソリン車は微細粉塵をほとんど排出しない。

ディーゼルの本場ヨーロッパでは、窒素酸化物が環境に悪影響を与えるという理由で販売がとどこおっている。輸入車業界の関係者は、「偏り現象が激しく、ディーゼルに対する環境規制が強化されれば輸入車市場が急激に沈む可能性がある」と明らかにした。

ルノーサムスンとGMの新車開発能力は?


輸入販売に依存...生産基地に転落という目つき

ルノーサムスン自動車は4月、過去最大の販売台数を記録した。昨年の同じ期間に比べて15%増え、1万2500台あまりを販売した。特に内需で35%増の6100台あまりを販売し、はっきりした回復傾向を示した。韓国GMも国内で1万3000台あまりを販売し、良い成績を出した。しかし、なんとなく気になるところがある。このように良い成績が、海外モデルを輸入して販売した成果であるからだ。さらに、両社とも国内での新車開発能力があるのか、疑いの目つきが後を絶たない。

ルノーサムスン復活の旗を上げた小型クロスオーバー・ユーティリティ・ビークル(CUV)「QM3」は、国内では全く生産しない、それこそ純粋な「輸入車」だ。ヨーロッパでは「キャプチャ(CAPTUR)」というモデル名で出荷されて人気を呼んだモデルで、スペインのルノー工場から直輸入する。20㎞/リットル近い燃費で、国内消費者の反応もいい。しかし、ルノーサムスンは去る2011年の「SM7」を最後に3年のあいだ新車がなく、今後の計画も不透明だ。このために、輸入に依存しては韓国市場で持ちこたえることは困難だという憂慮が相次ぐ。

最近、「マリブ・ディーゼル」が人気を呼んで韓国GMの雰囲気も悪くない。400億ウォンを投資して仁川市富平(プピョン)にデザインセンターを拡張し、慶南・昌原工場に軽商用車の生産ラインを構築する。しかし、ルノーサムスンと同様に新車開発の可能性は未知数だ。

人気車種であるマリブ・ディーゼルを詳しく見ると、ドイツのオペル社から空輸された2.0リッター・ディーゼルエンジンと、トヨタグループの系列会社であるアイシンの6段自動変速機を装着する。QM3のような直輸入車ではなくても、輸入部品で組み立てられるわけだ。このような雰囲気なので、「新車開発―内需・輸出販売―再投資―新車開発」につながる好循環を期待することは難しい。

そのうえ韓国GMは希望退職を断行し、若い研究開発人材の相当数が会社を出た状態だ。GMは最近、中国に2017年までに120億ドル(約12兆4500億ウォン)を投資して5つの工場を建てることにした。韓国GMが担ってきた小型車開発も、中国のR&Dセンターに移す雰囲気だ。このようなわけで、韓国GMはGMの「生産基地」に転落したという話が後を絶たない。

生産量も減少傾向だ。全羅北道・群山工場の欧州輸出用シボレーの生産が年初から中断され、第1四半期の生産量は20%減少した。今年の1~4月の輸出量は20%ほど減った17万台に過ぎなかった。シボレーヨーロッパ法人が撤退を完了する2016年には、より大きな販売減少が予想される。韓国GMは来年から生産に入る「クルーズ後続モデル(J400)」の生産工場からも除外された。これを補完するために「トラックス」の米国向け物量を引き受けることになったが、生産量に大きな助けとなるかは疑問だ。

芽も出ないチューニング市場


各種規制で、ちょっとしたことでも違法

「そもそも構造変更の承認が必要だが、そうする人はいない。取り締まりもあまり無いので心配しなくてよい」。

一線のチューニングメーカーに行って「チューニングのための許可を得なければならないのか」と尋ねると、どこもかしこもこう答える。許可を得にくいために、違法だと知りながらそのまま行ってくれるという話だ。

そもそもチューニングは総合(1級)の整備業者や、小型(2級)の整備業者が実施しなければならない。しかし手続きがめんどうで複雑であり、大部分は小規模のカーセンターで作業が行われる。その後で総合・小型整備業者で行ったように書類を飾り、自動車検査所で承認を受ける。これが国内のチューニング市場の現状だ。あるカーセンターの社長は、「20万~200万ウォンほどの国産マフラーチューニングから、数千万ウォンの輸入車エンジンチューニングまで、ほぼすべてが違法」だと明らかにした。

違法に行われていることから、関連産業が成長できない。業界によると、全世界の自動車チューニング市場は昨年の韓国自動車市場全体の規模とならぶ100兆ウォンに達する。米国など北米市場は44兆ウォンで最も大きく、ドイツの23兆ウォンや日本の14兆ウォンなど、先進国が市場を支配する。世界5大自動車生産国である韓国の国内車のチューニング市場の規模は、世界市場の0.5%の5000億ウォンにしかならない。このようにチューニング市場が芽を出せなかったことも、奇形的な韓国自動車市場の代表的な素顔として挙げられる。

業界では車のチューニング産業が発展すれば、2020年には4兆~5兆ウォン規模に成長すると期待する。3万人以上の新規雇用の創出も期待される。しかし、規制がチューニング産業の成長の足を引っ張っていると口を揃える。

現行法では車両の7つの構造(最低地上高・重量分布・接地部分と接地圧など)のうち、長さ・幅・高さと総重量、動力伝達装置と制動装置等に対し、承認を受けて変更するように規定している。他の領域でも、安全性と関連するという理由で、外国に比べてチューニングが不可能な場合が多い。このために承認対象を拡大して手続きも簡素化するなど、規制をさらに確実に解かなければならないという声が高い。

例えば車のシートは安全性に影響を与えないが、取り外したり追加で取り付けできないように、そもそも法律で禁止している。車両の手動ドアを自動ドアに変えることもできない。構造変更審査を通過したマフラーが、道路交通法に基づいた警察の違法付着物取り締まりの対象となるなど、恣意的な解釈を可能にするあいまいさも問題点として指摘されている。このような部分がなくなってこそ、チューニング市場が大きくなり得るという話だ。

手続きもめんどうだ。構造変更を行うには「承認申請―承認書の交付―変更依頼―変更証明書の交付―変更検査」など、5つのステップを経なければならず、この過程で準備する書類も少なくない。

大林大学自動車学科のキム・ピルス教授は、「海外で認証を受けたチューニング製品であっても、構造変更の承認を受けなければ100万ウォンの過怠料と原状回復命令を受ける違法装着物になる」とし、「このため、自動車検査を受けるときにはチューニング製品をはずしておき、検査が終わった後に再び装着するコメディのようなことが起こっている」と批判した。

チューニング産業を活性化させるためには、現行の「原則不許可、例外許可」の規定を、「原則許可、例外不可」に変える必要があるという話も出ている。先進国のように安全性・排気ガス・騒音などの必須項目だけを規制し、残りは全て解いてこそすっきりするだろう。
  • 毎経エコノミー_ミョン・スンヨン記者/イラスト_チョン・ユンヂョン
  • 入力 2014-06-05 15:20:08