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広州窯のチョ・テグォン会長「ミシュランの星は韓国料理の哲学が認められたもの」

陶器を超えて総合文化企業を夢見るチョ・テグォン広州窯会長 

  • 広州窯のチョ・テグォン会長「ミシュランの星は韓国料理の哲学が認められたもの」
△趙太権(チョ・テグォン)広州窯会長がミシュランガイド3つ星を受けた高級韓国料理店「カオン」で、今後推進する韓国料理の普及事業のための青写真を語る。 [ハン・ジュヒョン記者]

「これからはビジネスに向かわなくては。大衆的な韓国料理の事業を展開するつもりです」。高級陶磁器メーカーの広州窯が運営する韓食レストラン「カオン」が、ミシュランガイドの最高等級である3つ星を受けて一ヶ月ほど経った。去る2日、カオンで会ったチョ・テグォン広州窯会長(68)は、ミシュランガイドの選定後はさらに忙しい日々を送っていた。

チョ会長は「赤字を出しながらも信念を持って推進してきた韓国料理の哲学を認められて嬉しい」とし、「韓国料理は文化産業として、国内外の市場はさらに成長するだろう」と期待した。

カオンの稼働率は以前は平均35%水準だったが、いまや100%フル稼働している。外国人団体観光客や味の名店をめぐる「独り顧客」も大幅に増えた。来週には地方から上京してくる一行と、韓国料理加盟事業関連の会議も予定されている。

チョ会長は「今は団体客用の客室のみを備えているが、独り・二人の顧客が増えていま内部空間を調整している」と語る。グラスで酒を飲むことのできる既存の「バー」のスペースを、独り・二人連れの顧客のためのホール空間に改造している。

チョ会長は「ミシュラン3つ星レストランに選ばれた後、肩の荷はさらに重くなった」と語る。味を「評価する」鋭い味覚を持つ客が増えたからだ。このために以前にもそうだったが、一日一日がお客様に評価を受ける感じだとした。

「高級韓定食事業を拡大しよう」と提案する企業やシェフも現れた。しかし、チョ会長は「カオン」ブランドを国内に拡大しない考えだ。チョ会長は「高級韓定食はすぐには大きな利益が出ないので、大企業が進めることは難しいだろう」とし、「他の企業と国内外食事業を協業することはないだろう」と語った。代わりに「ニューヨークやパリ、ロンドンのようなグローバル都市にカオンの支店を出すことは、他の企業と一緒にできるだろう」と可能性を開いておいた。

チョ会長はカオンが世界的に認められただけに、次の10年間の目標に「韓国料理の大衆化」を立てた。

日本の「寿司」が高級料理として世界的に認められ、回転寿司・弁当・寿司などの大衆的な市場が広がった。また日本の食材や酒、衣装や伝統文化なども食文化とともに海外に広く知られている。チョ会長も高級韓国料理の味を3万ウォン前後で楽しむことができる、韓国料理のフランチャイズ事業を構想中だ。

このために全国228の地方文化院のスペースを活用する案を考えている。チョ会長は6年目で城北文化院長を務めている。チョ会長は「希望する地方文化院から、現地の食材を活用した韓国料理のフランチャイズを行う計画」だとし、「料理はいまや食事ではなく楽しい文化になるだろう」と強調した。

いまもチョ会長は海外に出て行けば、最高のレストランをわざわざ訪ねて行く。世界の有名な料理の味はほとんど味わったと言う。それでも幼い時、母が作ってくれた料理がいちばんおいしかったと語った。釜山で生まれたチョ会長は、幼い頃にチャガルチ市場の近くで成長した。

在日同胞出身だった母親はキムチを漬け込む時も食材を厳しく選んだが、料理を盛る食器も慎重に選んだという。

チョ会長はミシュランガイドの選定を契機に「私たちもできる」とし、競争する韓国式レストランが多くなったら良いとした。韓国の料理文化が全体的にアップグレードされ、市場も大きくなることを期待した。チョ会長は「昨年、ファヨ(火堯)焼酎が初の黒字を記録し、今年は陶磁器の売上げも超えた」とし、「いまや広州窯は陶磁器メーカーではなく、総合文化企業」だと強調した。
  • 毎日経済_ソ・チャンドン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-12-10 08:51:13




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