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LG電子、チョ・ソンジン副会長…極めの精神


  • LG電子、チョ・ソンジン副会長…極めの精神
過去2014年にチョ・ソンジンLG電子副会長に初めて会った。彼がHA(Home Appliance)事業本部長だった時だ。一緒に夕食を食べ、彼はずっと洗濯機の話だけをした。洗濯機に搭載される「DD(ダイレクトドライブ/Direct Drive)モーター」を説明するくだりでは、無我の境地に陥ったかのようだった。DDモーターは彼が1998年に世界に先駆けて開発したもので、洗濯機の性能を画期的に高めた部品だ。これで世の中にない洗濯機を作っているとし、彼は興奮した。後で分かったのだが、その時に彼が誇った洗濯機は、2015年に発売された「ツインウォッシュ」だ。上には大容量のドラム洗濯機、下には水槽式を組み合わせた製品だ。テーマを他の事案に回そうとしたが、けっきょく会話は再び洗濯機に戻った。チョ副会長を「洗濯機に狂った人」と記憶するようになった経緯だ。

去る17日、彼は株主総会で単独で最高経営責任者の席に上がった。1つのことに没頭して極めてしまう彼の性向が、LG電子をどのように変えるかは見守るべきだろうが、製品の完成度が高くなることは確かだ。チョ副会長の「極めの精神」は1976年に龍山工高を卒業して、LG電子の前身である金星社に研修生として入社して以来、40年のあいだ変わっていない。彼は陶器職人の父親のDNAをそのまま受け継いだ。

彼がLGの洗濯機を世界的レベルに引き上げたのは、日本を越えなければならないと決心したことがきっかけになった。「10年間洗濯機にしがみついて得られた結論だった。この志を達成しようと、工場に寝床と台所を設置して、開発チームと夜も寝ずに研究した」と当時の彼は回顧した。

彼の執念は、2000年代に入って実を結び始めた。二重噴射スチーム洗濯機と人間の手で洗濯する効果を出す6モーション洗濯機がそれだ。しかし、彼が最も力を入れた作品は「ツインウォッシュ」だ。開発過程は至難だった。垂直に回るドラムと水平に回転する水槽式を結合する時の最も大きな悩みの種は、ひどく震える共振現象だった。チョ副会長は苦心を重ね、DDモーターのサイズを40%削減し、自動車のダンパー技術を適用して問題を解決した。8年間で150人の人力と200億ウォンを投入し、457件の特許を出願した。

最近彼は、このような言葉をよく口にする。「スマートフォン30台をいつもそばに置いて、分解しては再び組み立てて研究している。執念・情熱・没入を通じて(スマートフォンにも)勝つ精神を植えつける」チョ・ソンジンスタイルの、「極めのスマートフォン」の誕生を予告する言葉に聞こえる。
  • 毎日経済 チャン・バクウオン論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-03-25 07:38:42




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