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[コラム] オットゥギ会長のスキンシップ経営


  • [コラム] オットゥギ会長のスキンシップ経営
今日行われる文在寅(ムン・ジェイン)大統領と企業人の出会いに特別招待されたオットゥギのハム・ヨンジュン会長は、一般人にはよく知られていない企業家だ。ほぼすべての職員を正規職に採用して正直に相続税を納付したという美談に、ソーシャルネットワークサービス(SNS)上で「優しい企業人」と噂が立ったが、マスコミのインタビューや対外活動を避けているためだ。

しかし、会社の中で彼ほど活発に動く人は珍しい。オフィスに留まらず、工場、取引先、代理店に通って現場の人々と対話をすることを楽しむ。若い職員たちと一緒にグルメ探訪をしながら隔意なく会話を交わすという姿もしばしば見ることができる。

このような行動は、水平的コミュニケーションとスキンシップを重視する彼の経営哲学から出たものだ。彼が最も好きな言葉は「共に、一緒に」という意味の「Let`s」だ。社内の会議にも「Let`s GO」「Let`s TASTE」「Let`s ECO」のような名前をつけた。

コミュニケーションについて、彼はこのような言葉を口にしたことがある。「案件ごとに上に上げたり、下げたりする疎通は間違っている。すべての部門を一貫する水平的な疎通が重要だ」

ハム会長のスキンシップ経営は実績につながった。彼は現場と密接にコミュニケーションをし、総合食品会社へと発展する必要性を感じた。そして事業の多角化に乗り出したのだ。カレーやマヨネーズから乾燥食品、調味料類、冷凍食品まで事業を拡大した。

その結果、現在のオットゥギが生産する製品は2000を超える。ラーメンは彼が2010年に父親から会長を受け継いだあと、最も力を注いだ事業だ。

農心と三養の壁を越えるため、2014年に英国のマンチェスター・Uとマーケティング契約を締結するかと思うと、米国メジャーリーグに進出した柳賢振(リュ・ヒョンジン)を広告モデルとして起用もした。

味を改善するために頻繁に試食会を開き、10年間のあいだ価格を凍結した。このような努力に支えられ、オットゥギはラーメン市場で2位に上がったのだ。ハム会長の就任当時には1兆ウォンをかすかに上回っていた全体の売上高も、昨年には2兆ウォンを突破した。

「食べ物は人類と共に存在し、私たちに与えた最も根本的なものは幸福だ。嬉しいときや涙を流すとき、どんな瞬間にも食べ物は幸せを与える。オットゥギはまさにこのような幸せの瞬間を提供する会社だ。研究員は幸せな瞬間を開発する場所で、工場ではそのような幸せな瞬間を作り、営業は幸せを顧客に伝えることだ」

昨年の新年の辞で明らかにしたこの言葉は、ハム会長のスキンシップ経営の目的が何なのかを教えてくれている。
  • 毎日経済 チャン・パグォン 論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-08-05 09:00:00




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