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「ハンソッ弁当」イ・ヨンドク会長のエッセイ - 「お弁当は私の人生」


  • 「ハンソッ弁当」イ・ヨンドク会長のエッセイ - 「お弁当は私の人生」
人間は生まれてから、多くの事物とぶつかる。その事物のうち1つは、1人の人生を通じて新たに照らされることもあり、それが原因でその人の人生が決定されることもある。このような過程は世界を生きていく体験の中で起こるのだが、無意識のうちに保存されるという体験は自分が直接経験した記憶、誰かから聞いた話、どこかで見たような映像、仮想空間で描く希望のようなものだ。それゆえ人生は、無意識の中で潜在的なことを引き出す「物化作業」なのだ。

私の人生で、体験と抽象的な意識がバランスを成しながら、現実的で具体的な姿で発現されたのがまさにお弁当だ。

私の人生が一編の詩と同じであるのならば、お弁当は詩の中に出てくる永遠に枯れない芳しい花だ。お弁当は私のすべての人生のジャンルの上座に座らせられた花であるのと同時に、漆黒の暗闇の中で航路を開いてくれる明るい灯台でもあり、また現実的な葛藤の中で苦しんでいる霊肉を支えている灯でもある。それゆえお弁当事業の海外進出と成功は、私の人生の最後の夢なのだ。

ハンソッ弁当は、今後2030年までに全世界に2万店舗を開くことが目標だ。お弁当は、米国のハンバーガーやサンドイッチなどのファストフードの欠点を克服し、その市場を代替するに値する最も強力な商品だ。お弁当は、スローフードの利点とファストフードの利点を同時に備えている。米の文化を持った国では米で作ったお弁当商品で攻略し、パンの文化を持つ国ではパンで作ったお弁当で攻略するはずだが、確実にいえることは、いくらパンの文化を持つ国であってもお弁当の特徴を損なうことなく、健康的なフュージョン韓国料理のお弁当の特徴を溶かし出すであろう。

そのため、2014年から20年の中長期ビジョンを達成するために「フレッシュ(F.R.E.S.H.)ハンソッ」という2020ビジョンを宣言し、デザイン、商品の革新に総力を注いでいる。フレッシュ(F.R.E.S.H.)の意味は、フレンドリー(Friendly)・新鮮(Refresh)・楽しい(Enjoy)・安全(Safe)・正直(Honesty)の頭文字を取ったものだ。

私の人生の路程で咲かせたお弁当事業が、他の人の目には単純な外食事業として照らされるかも知れないが、私にとっては私の人生そのものだ。旅の思い出は心を温めてくれ、胸がわくわくし、時には目頭が赤くなって涙までも流れる。私にとってお弁当事業とは世界を眺める私の意識のプリズムで、世界との疎通のための言語でもあり、芸術的インスピレーションを刺激する創作の対象でもある。

だから私はいつもお弁当に熱中している。新しいお弁当をデザインしようとし、美しいお弁当を作り出したいがために昼夜にかけて苦労をしている弁当職人だ。私は世の中の人々が、ハンソッ弁当の店舗ショーウィンドウの前に立って見るだけで「おいしそうだ」と思えるようなお弁当を作りたい。だからいつも、どのようにすれば視覚的・味覚的・嗅覚的に美しいお弁当を作れるのか悩んでいる。浮かんでくるお弁当のアイデアで、眠れない夜を数えきれないほど送った。

トム・ハンクスとメグ・ライアン主演のロマンティックコメディ映画『めぐり逢えたら』(1993作)で、トム・ハンクスとメグ・ライアンがお互いの出会いを夢見ているなか、遭遇したときに言ったセリフ「これは運命だ」のように、私にとってお弁当は人生の運命なのだ。
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  • 入力 2017-08-19 09:00:00




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