[韓国はコーヒー共和国 ②/⑤] カプセルコーヒーマシーン毎年30%成長

② 家庭用コーヒーマシーン市場もピックバン 

  • < 現代デパート貿易センター店のネスプレッソ売り場 >

「味がすっきりしていますよ」

平日午後3時、ロッテ百貨店本店「ネスプレッソ」売り場。たった今試飲を終わらせた40代の男性顧客は、思ったより味が良かったのか、非常に満足そうだった。売り場の片側では、店員が熱心にカプセル型コーヒーについて説明をしている。売り場の中は20代女性から50代の夫婦まで多様な年齢層の顧客達でごった返す。この売り場でのみ平日150台、週末400台以上のカプセル型コーヒーマシーンが売れる。

最近のプレミアムコーヒー市場の新しい話題は「カプセルコーヒー」だ。カプセルコーヒーは味と便利性という、二兎を得て、コーヒー愛好家たちの間で人気だ。1杯分のコーヒー豆が入っている小さなカプセルを専用マシーンに入れてボタンだけ押せば、家でもコーヒー専門店で飲む水準のコーヒーを楽しむことが出来る。好みによって多様なプレミアムコーヒー豆を抽出して飲むことができる。カプセルはフィルターの役割をした後、残りかすと一緒に分離することができ、洗浄もまた手軽だ。

カプセルコーヒー人気は、すでに全世界的な傾向だ。全世界のネスプレッソコーヒーカプセル消費量は、2000年の1分当たり868個から2009年には1分当たり1万個に跳ね上がった。

国内にカプセルコーヒー市場が形成されたのは、2007年末、スイスカプセルコーヒーブランド「ネスプレッソ」がロッテ百貨店本店とチャムシル店に売り場を出してからだ。以後、国内カプセルコーヒー市場は、毎年20~30%の成長率を記録しながら、1000億ウォン台規模に広がった。ネスプレッソは3年の間、ロッテ百貨店6か所、現代百貨店5か所に売り場数が増えた。ネスプレッソのほか、イリー、ラバッツァ、イタリコ、カフィッシモなどがカプセルコーヒーを販売している。最近では、コーヒービーン、ネスカフェドルチェグスト、クレメソなどもカプセルコーヒー市場に飛び込んだ。

  • < 主要なカプセルコーヒーの比較(単位:ウォン)>

▶ カプセルコーヒーマシーン市場は毎年30%成長、市場規模1000億ウォン台

カプセルコーヒーマシーンの価格帯は20万~30万ウォン台から80万~90万まで多様だ。高い価格であるにもかかわらず、カプセルコーヒーマシーンの売り上げは毎年30%後半台と、高い成長の勢いを記録している。百貨店内コーヒーマシーンの売り上げが大型家電(TV、冷蔵庫、エアコンなど)を除いた家電売り上げのうち、20%を占めるほど高い。2007年より実に4倍近く増えた。

主要ターゲット層は30代前半だ。20代の時からコーヒー専門店に出入りした別名「スターバックスコーヒー世代」であるうえ、相対的に安定した経済力まで備えたためだ。大韓民国の街の風景をコーヒー専門店天国に置き換えた一等功臣が、今は家でコーヒーを楽しみ始めた。この世代が主導で、ホームメードコーヒー文化は「コーヒー2杯、砂糖2杯」からコーヒー豆からコーヒーを直接淹れて飲む文化へ、さらにカプセルからコーヒーを抽出して飲む文化に変わっている。

主要販売先である百貨店も、やはりこのような雰囲気に便乗して、素早くカプセルコーヒー売り場数を増やしていっている。ロッテ百貨店では、2007年には2か所に過ぎなかったカプセルコーヒー売り場が、ネスプレッソ、ネスカフェドルチェグスト、クレメソ、イリー、ミリタ、イタリコなど6個のブランドの18か所の売り場に増えた。売り場数だけではない。ロッテ百貨店分唐(ブンダン)店の場合、ネスプレッソ売り場が百貨店内の流動人口が最も多い一等地を占めた。ネスプレッソは、国内外有名化粧品ブランドと雑貨商品を抜いて、1階の売り上げ上位を走る。

現代百貨店もやはりカプセルコーヒー売り場の拡大に乗り出した。2008年12月、貿易センター店のネスプレッソ売り場を皮切りに2009年には3か所、昨年だけで5個のカプセルコーヒー売り場が入った。現代百貨店は、今年も蔚山店に「イリー」売り場を新たに開いた。売り上げ成長の勢いもやはり爆発的だ。貿易センター店を基準に、売り上げ増加率は、昨年55%、今年(5月24日基準)35%を記録した。全店舗基準では昨年233%、今年(5月24日基準)82%増加した。

これは、高級化戦略を追求するカプセルコーヒーマシーン会社側と百貨店側のニーズがかみ合わさった結果だ。ロッテ百貨店リビングファッションMDチームのハ・ヨンス課長は「エスプレッソコーヒーが大衆化しながら、コーヒーマシーンに対する関心がここ数年の間に大きく増加している。特に百貨店のコーヒーマシーン売り場を憩いの場として利用しつつ、人気を得ている」と話した。

▶ 全自動エスプレッソマシーン市場は5年の間で113%増加

  • < 韓国エスプレッソマシン市場規模の推移(単位:万ウォン) >

カプセルコーヒーマシンが家庭用コーヒーマシーン市場を率いているならば、伝統的強者である全自動エスプレッソマシーンは、底から支えている形だ。去る5年間の全自動エスプレッソマシーンは113%の成長の勢いを見せた。まさに「エスプレッソ時代」と呼ぶに値する。エスプレッソは熱くて濃い赤褐色の溶液の上が、柔らかく密なクレマに覆われているコーヒー。

スチームを利用した強力な圧力で早い時間に抽出し出すのが特徴だ。エスプレッソがイタリア語で「速い」という意味を持っているのも、これと無関係ではない。プレミアムコーヒーを楽しもうとする消費者が増え、エスプレッソマシーン市場が大きくなっているが、これは「早く早く」を追求する韓国の国民の性向ともかみ合っているということが分かる。

これにより、手で直接落として飲むドリップ式コーヒーの機器は、いつの間にか片隅に押し出された。5年前だけでも、国内コーヒーマシーン機器市場ではドリップ式コーヒー機器が占める割合が90%を越えた。5年の間に状況が完全にひっくり返った。業界ではドリップコーヒーとエスプレッソマシーン(カプセルコーヒーを除く)市場が、オフライン基準170億ウォン規模だと展望している。しかし、成長の勢いだけで見れば、今後家庭用コーヒー市場がどれだけ大きくなるのか予想し難い。昨年家庭用コーヒーマシーン市場は、2009年と対比して64.2%成長した。フィリップスコリア関係者は「今後国内家庭用コーヒーマシーン市場は、2倍近く成長するにあたって、1年もかからないだろう」と述べた。

全自動エスプレッソマシーンは、フィリップスセコ、ユラ、デロンギなどのヨーロッパ有名ブランド製品ががっしりとつかんでいる。国内では「フィリップスセコ」製品が人気だ。2009年フィリップスがイタリア企業「セコ」を買収し「フィリップスセコ」というブランドを掲げて、昨年9月に国内にも進出したが、進出初年度に1位のブランドとして浮かびあがった。去る3月末、フィリップスセコのシェアは34.3%に達した。

▶ 新婚家庭用品として脚光を浴びるエスプレッソマシーン

全自動エスプレッソマシーンが高価でもよく売れる理由として、次の3つを挙げることができる。

まず、ドリップ式コーヒー機器を長い間使用してから、半自動エスプレッソマシーンに乗り換えた消費者達が、エスプレッソの味と趣に酔った。ドリップコーヒーで感じることができなかった濃厚な味と香りに魅了されたのだ。しかし、コーヒー豆を直接ひかなければならず、一度抽出するといちいち洗浄しなければならない煩わしさが大きくなり、全自動エスプレッソマシーンへ乗り換えるようになった。全自動エスプレッソマシーンはボタンひとつだけ押せば、コーヒー豆の粉砕からコーヒーの抽出まで一度に行われる。自動洗浄も欠かせない。

第二に、ドリップ式コーヒー機器、半自動エスプレッソマシーンでは見つけることができなかった多彩な機能が追加された。まず、コーヒー豆をエスプレッソに合わせて挽いてくれるグラインダーを内蔵している。容易な操作で好みに応じて粉砕の太さを調節することができる。ラテ、カプチーノなどを製造することができる牛乳のスチーム機能も追加された。このような高級機能が追加されるほど、価格が高くなるのは当然の事。プレミアム製品は500万ウォン台まで市場に出てきた。

第三に、近頃は新婚家庭用品として脚光を浴び始めた。全自動エスプレッソマシーンは、必ず備えるべき必須アイテムになってしまった。多くの予備新婦達が結婚の贈り物に最も受け取りたい贈り物として、エスプレッソマシーンを挙げるほどだ。

エスプレッソマシーンを購入するのに負担を感じる消費者のために、レンタルサービスも提供される。エンジェリナスは、2年間この会社のコーヒー豆(月1kg以上)を購入する条件で全自動エスプレッソマシーンを無償で貸与する。エンジェリナスコーヒー関係者は「2008年からレンタル事業を開始し、売り上げが確実に増えている」とし、「昨年の売り上げ伸び率は73%」と述べた。
  • 毎経エコノミー_キム・ホンジュ記者 /チョ・ウンア記者
  • 入力 2011-06-08 05:00:32