韓国ITの大物たち、AIにオールイン…人材確保がカギ




金範洙(キム・ボムス)カカオ理事長の最近の話題は人工知能(AI)だ。カカオのスタッフの間では、「キム議長の目にはカカオブレインしか見えていない」という冗談も出ている。カカオの系列会社が60社に達し、キム議長が最も大きな関心を見せるところが、AI技術の開発会社であるカカオブレインだからだ。

ネイバーの創業者である李海珍(イ・ヘヂン)グローバル投資責任者(GIO)は最近、AI技術を確保したいとして社内取締役職からおりた。

「リネージュ」で有名なゲーム会社のNCソフトの金澤辰(キム・テクチン)代表は、直接AI組織を率いている。モバイルゲームを主力とするネットマーブルの房俊赫(パン・ジュニョク)議長はAIを活用したゲームを開発するためにAIセンターを設立し、北米で人材スカウトに乗り出した。

ポータルやゲーム社など、韓国情報通信技術(ICT)で有名な経営者らはみんなAIに陥っている。 AIを活用して新しいサービスと収益モデル、ゲームなどを作り出すために、直接AI関連の組織を率いて人材確保に乗り出すかと思えば、自分自身が研究に乗り出してもいる。ポータルとゲームなどの競争が激しくなって、AI技術が実生活に取り入れられている状況では、この技術を活用したサービスに差別化のポイントを求めているわけだ。

■ カカオのAI専門チーム「カカオブレイン」

昨年2月に設立されたカカオブレインはカカオ内でAI技術を研究する子会社で、30人あまりが勤務している。カカオは設立当時に200億ウォンを出資したことに続き、今年の1月には200億ウォンの投資も行った。

カカオの関係者は、「キム・ボムス議長はアイデアにとりつかれると会社を設立し、その会社を運営しながら市場を育てるスタイル」だとし、「経営の一線から退いているキム議長が、カカオブレインだけは直接代表を務めて実際に運営している」と説明した。この関係者はまた、「AI部門は常に(キム議長に)最優先で報告事項」とし「わが社のAIの再考専門家5人の年俸は、キム議長だが知っているほど細かく取りまとめている」と付け加えた。

■ 西欧を巡る李海珍(イ・ヘヂン)GIO

李海珍(イ・ヘヂン)GIOはAI技術を確保するために最近、ネイバーの社内取締役職から下りた。一部では公正取引委員会の指定を避けるためだと見る視線もあるが、ネイバーの関係者は「ヨーロッパでAIをはじめとする新技術の確保に専念するために、国内事業でから手を引いたという意味」だと説明した。

韓聖淑(ハン・ソンスク)ネイバー代表も先月、「李GIOの最大の関心事はAI」だとし、「イ・ヘヂンGIOは今年もAI投資に対する考えが多い」とした。イ・ヘヂンGIOは2016年に「AI技術の確保がネイバーの生存力」だと宣言した後、欧州市場をまわってAI技術企業を探し始めた。国内に限定していては技術と人材を見つけることができないという切迫だ。

2017年、AI研究機関のゼロックス・リサーチ・センターヨーロッパ(XRCE)を買収し、専門人材80人を確保したことが最初の成果だ。この他にもイ・ヘヂンGIOは、欧州のベンチャーキャピタルとファンド運用会社などを訪問し、技術力を備えた企業をさがしている。

■ 早くからAIに注目したNCソフト

金澤辰(キム・テクチン)NCソフト代表は、脳科学の博士である夫人のユン・ソンイNCソフト社長を通じてAIに目を開くことになった。

MIT(マサチューセッツ工科大学)のコンピュータ神経科学の博士であるユン社長は、AIが国内外になじみのなかった2011年から、キム代表にNCソフトにAI専門組織を設立することを提案した。ユン社長はSKテレコムで一緒に働いていたイ・ヂェヂュン博士を迎え入れてAI研究を開始した。たった一人の従業員でスタートしたAI専門組織は、現在は100人に達する核心的な組織に成長した。

この過程で、キム代表はユン社長と一緒にAIの勉強を行い、NCソフトはゲーム会社から情報技術(IT)の総合技術企業に進まなければならないというビジョンを構想し、AI専門組織をキム代表の直属組織として拡大し、直接ひきいることが伝えられた。

■ 沈思黙考する房俊赫(パン・ジュニョク)議長

ネットマーブルの房俊赫(パン・ジュニョク)議長は本と論文をさがしては読みながら、AI事業を構想するスタイルだ。

ソウル市九老区の社屋執務室から出ないで、AI関連記事を集めて考え込んだ。ネットマーブルの関係者は、「このようにしばらくのあいだ勉強した後に、ある程度の構想がまとまったら担当役員を呼んで組織再編や事業計画についての意見を共有し、実行するスタイル」だと説明した。パン議長は最近、AIを高度化したインテリジェントなゲーム開発のためのAIセンターと、北米の人材を誘致するためのAIラボの設立を決定した。

このように各代表者が乗り出してAI事業拡大のために力を入れているが、一方ではAIの人材確保に苦労している。

■ AI界の人材不足

中国のテンセントと求人・求職サイトのボス(BOSS)が共同で発表した「2017グローバルAI人材白書」によると現在、全世界の市場がさらに要求するAI人材は約100万人であることに対し、グローバルなAI人材は約30万人に過ぎない。

白書によると、全世界でAI研究所を備えた教育機関370カ所から毎年輩出される人材は約2万人で、これではとても足りない。ネイバーはAI人材を確保するために専門チームを別に作った。このチームはヨーロッパの学会や米国の主要名門大学をまわりながら、有望な人材を事前に接触する。また、米スタンフォード大学やハーバード大を訪ね、簡略な就業説明会を開く。 NCソフトはソウル大・カイスト・高麗大などと産学協力を結んで研究し、技術の基礎段階から人材を確保する。

NCソフトの関係者は、「他の企業が関心を持つ前の2011年から、AI組織を運営して比較的AI人材を早期に確保した方」だとし、「既存の人材の紹介で、業界の実力者を確保している」と語った。
  • 毎日経済_イ・ソンヒ記者/イ・ソクヒ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-03-16 17:37:11