大英博物館も惚れた「石鹸彫刻」




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「翻訳シリーズ」

1998年、英ロンドン大学のスレード美術大学院(Slade School of Fine Art)。留学生のシン・ミギョン(51)氏は6ヶ月のあいだに、学校のロビーに置かれたイタリアの彫刻家エミリオ・サンタレリー(1801~1886)の大理石像を石鹸で同じように作る作業を進めた。この像だけでなく、大英博物館で見たギリシャやローマの大理石像の質感は石鹸のように感じられたからだ。ほとんど永久的な大理石を見て、なぜ水に触れると消える石鹸を連想したのか。最近、ソウル市大学路のアルコ美術館で会った作家は、「一種の西洋米術の権威に対する挑戦」だと語った。

「西洋美術を勉強したが、私は東洋の若い作家ということを伝えたかった。彼らの歴史の中に全く編入されない、異邦人の視線です。西洋人が永遠で高潔であると考えているギリシャやローマの大理石の彫刻を、そのまま石鹸で作りたくなりました。これはまさに同時代の芸術だと思いますよ」。

このユニークな石鹸彫刻パフォーマンスのおかげで、卒業するとすぐに有名になった。

西洋古典を独特の現代美術として変奏した創造的作品という好評を得た。英国ヘイワードギャラリー「アートとファッション200年」展示の若い芸術家部門に招待され、大英博物館のギリシャ彫刻を石鹸で作った。その展示が話題を起こして、2004年に大英博物館のロビーで石鹸彫刻パフォーマンスを繰り広げた。しゃがみこんだヴィーナスに彼の顔をつけた像を製作して展示した。 2007年には大英博物館韓国館の「タルハンアリ」が展示ツアーに発った空席を、石鹸で作ったタルハンアリで満たした。

限界のない石鹸彫刻で、英国米術界に完全に軟着陸した。 2011年、ベニスビエンナーレ特別展とロンドン人類学博物館、2014年スリッパード国立工芸デザイン美術館などに続き、昨年5月から今年2月までロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で展示した。

20年以上も年間に石鹸30トンを使用して作品熱を続けてきた作家が、今回は建築物に挑戦した。 9月9日まで、ソウル市大学路のアルコ美術館で開催される個展「消えても存在する」で、廃墟の風景を石鹸で演出した。崩れたレンガと柱の間にばらばらになった彫像の顔などが置かれている。廃墟と石鹸は時間が経過すると消えるという共通点を持っている。

作家は「長いあいだ時間性をどのように可視化するか悩んできた。液体のように流れるような時間を固体にした作業だ。日常に存在したが、消滅するものの切ない心を盛り込んだ」と説明した。屋外で風雨に摩耗する石鹸像を設置した「風化プロジェクト」、石鹸の代わりに像をこすり手を洗う「トイレプロジェクト」も時間性を表現する。展示場の入り口に設置された像は、周辺の湿気に耐えて「汗」を流している。保湿剤の役割をするグリセリンがたくさん入った天然石鹸だそうだ。

今回の展示作品は石鹸12トンが使用された。蜂蜜やジャスミン、バジル、マンダリンなどのさまざまな香りを使用して、展示場にいれば心身が穏やかになる。この展示は韓国文化芸術委員会「2018年アルコ美術館重鎮作家シリーズ」の一環だ。
  • 毎日経済_チョン・ヂヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-07-13 17:10:47