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新婚家電も中古品...限界に追い込まれた中産階級

「新チャリンゴビ(どけち)」作戦 

  • 新婚家電も中古品...限界に追い込まれた中産階級
  • 生鮮食品の物価上昇


キムさん(仮名、35)が使うクレジットカードは全部で5枚だ。カードの前面には、そのカードが持つ利点が簡略に書かれている。キムさんは割引きを受けることができる場所ごとに、適切なカードで決済して自分なりの節約精神を発揮している。カードごとに定められた実績と割引き限度があるので、一つ一つ計算することは容易ではないが、使うだけ使って受けられるだけ引き出すというキムさんの意志に、カード割引きでのみ毎月20万ウォン近く節約している。

キムさんは「何枚もカードを持っていて面倒だけど、明細書に記された割引額を見るとこのするしかない」と言う。住宅価格の上昇に金利の引き上げなど、続々と発表される悲観的な経済見通しに危機を感じた庶民が「ホリティ(帯)」をきつく締めている(倹約している)。 1997年の通貨危機と2008年の世界金融危機のトラウマ以降に本格化した「新チャリンゴビ(どけち)」現象だ。

高価な製品を必ず購入しなければならない市民らは「改装製品」と呼ばれる返品・交換製品を買う方式で支出を減らしている。来年1月に結婚を控えた会社員のアンさん(仮名、31)は、昏睡を新調するために最近、予備新婦(婚約者)と一緒に修理品売り場を見て回っている。新居と結婚式場の準備で結婚資金はほとんどなくなり、結婚用品の準備はけちろうと予備新婦と相談したからだ。アンさんは「中古品は使いたくないが、かといっ家事すべてを適正価格で買えるほど余裕がない」とし、「苦肉の策で考えたのが修理品だが、意外と質がいい」と言う。

生活必需品になってしまったスマートフォンやデスクトップあるいはノートパソコンも、中古を求める市民が増えている。会社員のチョンさん(仮名、33)は最近、さがしまわって電子商店街で2016年に発売したスマートフォンを購入した。チョンさんが機器を購入してバッテリーを交換するために支払った金額は20万ウォンを超えなかった。チョンさんは「いま使っているのも3年が過ぎたが、最新のスマートフォンは100万ウォンがを軽く超えつので中古に目を向けた」とし、「職業の特性上、安価な料金プランを使うことができないので、機器にかかる金だけでも削った」と言う。大学生のキムさん(仮名、22)も、復学して最初の学期を迎えて中古ノートパソコンを買った。キムさんは「授業時間にノートパソコンが必要だが、学校で貸すノートパソコンは性能が落ちるので、オンライン中古取引サイトでたった15万ウォンでノートパソコンを買った」とし、「食堂を営む家庭の事情が悪くなり、両親の手にかかることは最大限に減らそうとアルバイトも一つ始めた」と語った。

2年目の短期将校として服務中のユンさん(仮名、28)は、服務期間に5000万ウォンを集めることが目標だ。ユンさんは少尉の時から軍人共済会の会員退職給付を最大値で入れているが、市中銀行が軍人幹部を対象に提供する5%台の金利を見逃すことはできないという考えで、積立金をもう一つかけた。給料の半分以上を貯金に注ぎ込んだせいで、ユンさんが月に使うことができる金額は30万ウォンにもならない。

家計負債を減らそうと職場に戻る主婦の苦労も大きくなっている。京畿道議政府所在のデパート雑貨コーナーでアルバイトをするキムさん(仮名、55)は、2年前まで経歴断絶女性(キョンダンニョ)であり専業主婦だった。キムさんは夫が失業した後に職を得られなかったので、大学生の娘と高校生の息子の学費を用意するためにデパートでアルバイトを始めた。問題は最低賃金が急激に上昇して消費が凍結し、キムさんの勤務形態が不安になったことだ。

キムさんは「昨年まで週に6日ほど働いたのに、今年に入って店主が人件費負担を感じたのか、週3~4日だけ出てこいという」とし、「一ヶ月の収入が50万ウォン近く減って、他のデパートの短期アルバイトまで合間にこなしている」と言う。議政府のデパートで3日ほど働いた後に、残りの日は蘆原で、別の日には蚕室にあるデパートに行って何とか月の収入を間に合わせるという説明だ。

景気低迷で再び就職活動に飛び込む中年女性が増えているが、良質の雇用は非常に不足している。キョンダンニョ(経断女性)の職場マッチングがうまく行われていない中で、最低賃金の引き上げなどによって雇用不安だけが大きくなっているという指摘が出ている。

17日、女性家族部傘下の経断女性再就職支援センターの「女性の新しい仕事センター」によると、求職件数は2015年の28万3119件から昨年は46万9891件に、なんと66%も急増した。同じ期間の求人件数も35万8279件から48万8757件に33%ほど上昇した。

しかし実際に就職・創業につながった件数は2015年は14万40件で、昨年の17万1125件から3万件増えたが微々たる水準だ。求職者のうちで就職・創業に成功した割合で計算すれば、2015年の49%から昨年は36%へと大幅に低下したわけだ。求人求職業の関係者は、「依然として多くの女性会社員は、経歴が断絶すると再就職は不可能だと恐れている」とし、「女性会社員の恐怖は出生率の低下につながり、最終的には国家競争力にも影響を与える」と分析した。

  • 毎日経済企画取材チーム_イ・ヨンゴン(チーム長)記者ほか | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-10-17 22:02:20




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