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キム・サンベMIT教授…高性能四足ロボット開発者


  • キム・サンベMIT教授…高性能四足ロボット開発者
  • 世界的なロボット工学者のキム・サンベMIT教授(右下)と彼のチームが開発したロボット「チーター」。 写真提供=キム・サンベMIT教授チーム



世界的なロボット工学者であるキム・サンベ米マサチューセッツ工科大学(MIT)機械工学科教授は、超小型の四足歩行ロボット「ミニチーター(Mini Cheeta)」を開発して試験量産に突入した。歩いて走ることができるロボットでありながら超小型なので、災難・災害時の救助はもちろん、今後は配達や物流などの産業にも活用できるものと期待される。

23日(現地時間)、キム・サンベ教授は米マサチューセッツ州所在のマサチューセッツ工科大学で毎日経済とインタビューを行い、「世界最速のロボットである四足歩行ロボットのチーター3を小型化したミニチーターを開発した」とし、「ミニチーターは四足歩行ロボットだが、小さくて安価でさまざまな産業分野に使うことができるだろう」と語った。続けて、「ミニチーターはすでに約10台が初期量産に入った状態だ。今後のロボットプラットフォームでの発展を念頭に置いている」と語った。

キム教授のチームが開発した「ミニチーター」は重量9キログラムと長さ40センチの、動物(チーター)の形のロボットだ。毎秒2.3メートル(約時速8km)で走れるほどの速い足を誇る。既存のロボットはキャスターが付いてこそ移動が可能だが、このロボットは4つの足を利用して迅速に動くことができることから「チーター」という名前がついた。 4本の足の関節を使って体をひねることができ、ほかの物体とぶつかっても起き上がることができる。所定の位置でジャンプをすることができ、70センチほど後ろにタンブリングできるほどの柔軟な動きが自慢だ。このために階段を安定してのぼることができるし、砂利や芝生でも問題なく歩くことができる。

キム教授チームはすでに7月に、長さ80センチと重さ40キログラムの「チーター3」を公開している。今回の「ミニチーター」の開発は、チーター3を公開してから6ヶ月でサイズと重量を半分以上に減らして小型化に成功した快挙だ。今後1~2年の後には現在開発している「ミニチーター」よりもさらに小さくて軽く、速いロボットの製作も可能だろう。

キム教授チームのチーターシリーズの特徴は、電気で駆動するだけでなく四足歩行が可能となり、どこでも歩くことができるという点だ。また外部からの衝撃を吸収できるように製作された。いま出荷されている商業用ロボットが移動に不自由なことに比べ、チーターの活用度は高いという評価だ。

また、カメラセンサーなしに触覚で動くことができることも、これまでのロボットとの違いだ。カメラで周囲の状況を検出しながら動くと、周辺の認知は可能だが移動速度は遅くなる。しかしチーター系列は接触検出アルゴリズムを介して、ロボット自身が足の向きを変えるか、そのまま踏み出すかどうかを決定できるように製作して移動速度を高めた。 2014年に開発したチーター2は時速22㎞で走ることができる。

特に今回開発した「ミニチーター」はまだ実験室レベルだが、初期量産が可能だという点も長所としてあげられる。既存のチーター2と3は大量生産が難しかったが、今回のミニチーターは開発直後に10台を試験量産し、ハードウェアロボットが必要な世界最高水準の研究室に提供するという計画だ。

キム教授は、「今回のミニチーターはハードウェアを必要とするロボット研究室に提供する予定だ。最高レベルのハードウェアとソフトウェアを組み合わせたロボットを作ることができる、プラットフォームになることができる」と語る。続けて、「特にミニチーターはモバイルプラットフォームになれるように開発された。空を飛ぶドローンは安くて簡単だが、長いあいだ飛ぶことはできないし、重い物は持ち上げることができない。しかしチーターのような地上ロボットは、重い荷物をかついでの移動が可能だ。グラウンドドローンになることができるだろう」と説明した。

キム教授は今回開発した「ミニチーター」を含むチーターシリーズを開発することに対して、「四足歩行のチーターを開発している理由は、グラウンドモビリティを解決するためだ。現存するほとんどのロボットは、既存の道路がなければ動くことができない。しかしチーターは道がなくても動くことができ、階段も上り下りすることができる。これは絶対的な差を作る」と強調した。

キム教授は今後、チーターに腕をつけて活用度を高める計画も立てている。今は走って動くために特化されているが、腕をつけることになれば活用度をさらに高めることができるからだ。キム教授は「火災や津波などの災害や事故現場にロボットを送り、人を救うことができようにすることが最終的な目標だ。人間のようなロボットを作って人を代替するのではなく、ロボットならではの機能を実現し、人ができないことをできるようにするべき」だと語る。

キム・サンベ教授はソウルのポソン高校と延世大学機械工学科を卒業し、米国スタンフォード大学で博士号を取得した。 2013年には米国国防総省高等研究計画局(DARPA)から「若い科学者賞(YFA)」を受けた。
  • 毎日経済_ケンブリッジ(米国)=ソン・ヂェグォン特派員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-12-24 19:46:49




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