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「40年のLGマン」権映寿氏…ICT事業の総指揮に


  • 「40年のLGマン」権映寿氏…ICT事業の総指揮に

「LGで積んだ40年あまりの経験と、グループ内で最高だとされる電子・通信の専門知識を土台に、長期的な観点から系列社をサポートして相乗効果を高める」。(株)LGの權暎壽(クォン・ヨンス)代表取締役兼最高執行責任者(COO/副会長)は、LGグループの中核事業の軸である電子・通信会社3社の理事会議長を務めることになったことに対して会社内外でこのような評価が出ている。

LG電子とLGディスプレイは15日に株主総会を開き、クォン副会長をその他の非常務取締役に選任した。両社は株主総会に続いてすぐさま理事会を開き、クォン副会長を理事会議長に選任する案件を可決した。

クォン副会長はLGユープラスの最高経営責任者(CEO)に就任した2016年から、同社の取締役会議長も務めている。昨年8月には(株)LGに席を移したが、LGユープラスの取締役会会長は維持している。これにより、クォン副会長はLG電子とLGディスプレイ、LGユープラスなどの主要な系列3社の取締役会議長をすべて担当することになった。

LGグループの事業の軸は大きく△電子(LG電子とLGディスプレイなど)、△通信・IT(LGテレコムなど)、△化学(LG化学など)で構成されている。このことから、クォン副会長が大株主である(株)LGを代表して、グループの中核事業の軸のうちの2つのラインを管轄し、情報通信技術(ICT)事業のコントロールタワーの役割を果たすのだろうという評価が出ている。グループの持株会社である(株)LGの副会長が数ヶ所の系列会社の取締役会議長を務めることはあったが、このように中心的な大規模の系列3社を一度に担当するのは異例だ。

趙聖鎮(チョ・ソンヂン)LG電子CEO(副会長)は昨年3月から取締役会の議長を兼任してきたが、今回の決定で理事会議長を離れて経営に集中する。 LGディスプレイのCEOである 韓相範(ハン・サンボム)副会長も理事会議長職を解かれた。これに対しては、理事会の議長とCEOの役割を分担して均衡感を高め、ビジネスにより速度を加えるための戦略が反映されたという評価だ。クォン副会長を理事長とする委員会は、長期的な観点から新成長動力を発掘・育成することを支援し、大きなイメージで会社経営を行うことになる。チョ・ソンヂン副会長とハン・サンボム副会長はCEOの役割に集中し、経営・営業・製品開発などのビジネスにさらに没入することになる。 (株)LGがLG電子の株式を33.67%保有している最大の株主であることから、責任経営の次元でもクォン副会長が理事会の議長を務めることになったという分析もある。

クォン副会長が3つの系列会社の取締役会議長を務めることになったのは、グループ全体の戦略を立てるCOOの役割を担っているということとあわせて、△グループの電子・通信などICT上の専門家、△LGで40年のキャリア・経験を固めてきた「LGマン」などという点が作用したとみられる。専門性をもとに事業を支援しつつ戦略を立てながら、「LGマン」のキャリアを土台に系列社間のポートフォリオや事業の調整問題にも効果的に乗り出すことができるだろうと思われる。

クォン副会長は1957年ソウル生まれで京畿高・ソウル大学経営学科を卒業した後、韓国科学技術院(KAIST)で生産工学の修士号を取得した。 1979年にLG電子に入社して財経チーム長を経た後、2006年に49歳で社長に昇進した。これはLGグループでの最年少社長記録として残っている。 2007年にはLGフィリップスLCD(現LGディスプレイ)社長に就任して、合弁会社の管理とディスプレイの専門知識を積んだ。 2008~2011年はLGディスプレイのCEOを務めつつ営業・投資・技術開発などを強化し、ディスプレイ事業が世界1位に躍進する足場を作った。特にLGディスプレイ社長時代には3Dパネルをめぐって、サムスン電子と技術の効率議論を展開するほど積極的に事業に取り組んだ。

それ以後はLG化学の電池事業を担当した後、2016年からはLGユープラスのCEOを務めた。 LGユープラスは「通信業界3位」という位相を克服するために、積極的なマーケティングと新事業開発や5Gなどに注力し、特にCJハロービジョン買収のための礎石を磨いた。 LGディスプレイ・LG化学・LGユープラスなどの経験を通じて、中国・日本・ヨーロッパ・米国などの主要な取引先とも密接なビジネス関係を構築した。昨年8月には(株)LGに席を移して代表取締役・COOを務めて具光謨(ク・グァンモ)会長を補佐し、グループの全体的な戦略を立てて事業ポートフォリオを調整する役割を担っている。特にクォン副会長が3社の系列社の理事会議長を務めることになったことにともない、このような役割もさらに強化されるだろうと思われる。

昨年、ク・グァンモ会長は理事会で「グループ運営と戦略に対する新しい方向をつかむべき」だとし、「クォン副会長が新しい視点を吹き込んでくれればうれしい」と強調している。

クォン副に対しては「専門知識を持つ生来の戦略家であるだけでなく、攻撃的で迅速な経営スタイルを持っている」という評価がある。これと共ともに、ビジネスや各種経営問題の脈を探ってほり出す能力が卓越しているという見方もある。財界の関係者は「クォン副会長の積極的経営スタイルと能力について高く評価する経営者が多い」と説明した。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/イ・サンドク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-03-16 06:37:19




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