トップ > コラム > 米USTR、極秘裏に訪韓...韓国自動車を電撃調査

米USTR、極秘裏に訪韓...韓国自動車を電撃調査


米国は国家安全保障を理由に韓国と日本など、海外の自動車企業に高率の報復関税を検討している中で、米国通商代表部(USTR)がさいきん極秘裏に韓国市場を調査したことが確認された。

USTRの調査スタッフは25%に達する輸入車関税を適用する場合、現代自動車など韓国企業に与える影響と、市場の競争環境が変化するかどうかを集中的に聴取したことが把握され、来る11月に予定されたドナルド・トランプ大統領の最終措置の可否が注目される。業界ではトランプ大統領の訪韓を契機に、政府と青瓦台が高率関税の不当性を指摘して、韓国企業にたれこめた米国発の関税爆弾のリスクを取り除いてほしいと訴えている。

27日の韓国の自動車業界によると最近、USTRの職員らが韓国を訪問して自動車産業関連の民間団体を中心に、貿易拡大法232条の措置の可否に対する現場調査を行って去ったという。

訪韓した職員は現代・起亜自動車、双竜自動車、韓国GM、ルノーサムスンなどを主な加盟者とする韓国自動車産業協会と、外国の自動車ブランドで構成された韓国輸入車協会など複数の民間団体を相手に、意見聴取形式の調査を行ったものと把握される。業界の関係者は、「USTRの職員が(11月に)トランプ大統領による関税適用の可否を控えて、韓国自動車企業の立場について詳細に聞いて帰ったと聞いている」とした。貿易拡大法232条は外国産の輸入製品が国家安全保障を脅かすと判断した場合、緊急で輸入制限を行ったり、25%の高率関税を賦課できるようにした規定だ。もしも25%の高率関税が賦課されれば対米輸出量は激減し、中小の部品協力社までがドミノショックにさらされる。

米国に発する関税爆弾リスクが依然として解消されていない状況で、最近は米国通商代表部(USTR)の職員が極秘裏に訪韓して韓国市場を調査したことで、国内の自動車業界は大きくざわめいている。ドナルド・トランプ大統領は今年の初め、米国商務省では欧州連合(EU)・日本・韓国・カナダとメキシコなどの5カ国で製造され、米国の市場に輸入される自動車が自国企業の競争力を悪化させ、雇用消滅などの産業と安全保障に対する脅威になるという趣旨の報告を受けた。

米国政府は、各当該国に輸入関税25%を適用するかどうかを決定する1次措置の期限である去る5月に、「関税賦課決定を180日延期する」と述べた。 EUと日本を相手に別途の自動車貿易交渉を行い、貿易不均衡の問題を解くための最終的な決定を11月中旬に先送りした。

この過程で、韓国とカナダやメキシコなど残りの3カ国は関税免除措置を受けることができるという肯定的観測が提起されたが、トランプ大統領は残りの3カ国に対する関税免除の決定を下さずに、EU・日本とひとくくりにして最終措置期限である11月までさらに見守ることにした状態だ。

国内完成車業界の関係者は、「USTRの職員が現場調査で、特に韓国の自動車市場の公正な競争環境と韓米自由貿易協定(FTA)自動車部門の市場移行の可否を集中的に確認した」とし、「韓米間の公正な自動車貿易に関係するかどうかが、11月にトランプ大統領が最終的に関税措置を決定する際に、最も重要だと考える変数だという印象を受けた」とした。

現代・起亜自動車など韓国の自動車企業は、昨年5月に米国商務省が貿易拡大法232条の調査を開始した後、これまでにさまざまなシナリオごとの対応策を用意して25%の関税爆弾リスクに対応している。業界では対米輸出量に対する25%の高関税が発効すれば、現代・起亜自動車の現地価格競争力の悪化で年間3兆ウォンにせまる損失が生じると懸念している。

韓国経済にも多大な後遺症が予想される。韓国貿易協会によると、1~5月の完成車の輸出額は179億5634万ドルで、半導体製品の輸出額を上回って1位を占めた。業界の関係者は、「半導体輸出が低迷し、自動車産業が韓国輸出の支えの役割を果たしている」とし、「これに数万個の部品協力社の生態系が一緒に動く自動車産業にトランプ大統領が関税25%を押し付ければ、中小の部品メーカーから生存の危機に直面することになるだろう」と述べた。

自動車企業は29日のトランプ大統領の訪韓に合わせ、韓・米首脳間の議論の議題として必ず貿易拡大法と関税問題が含まれるべきだと声を高めている。完成車業界の関係者は、「昨年韓国が先制的に韓米FTAを再改正し、11月の関税措置で有利な決定を受けるだろうという観測があるが、これはナイーブな考えだ」とし、「トランプ大統領は徹底的に自国企業の競争力と関連し、雇用の状況にもとづいて何としてでも決定を覆すことがありうる」と述べた。

この関係者は、「米国自動車業界の1位企業ゼネラル・モーターズ(GM)が人員1万4000人の削減と5つの工場閉鎖・売却に乗り出したうえ、2位のフォードも構造調整に突入した」とし、「決して下半期に米国が韓国に互恵的決定を下すだろうと楽観できない状況だ」と重ねて声を高めた。

ある前職通商官僚も今回の文在寅(ムン・ヂェイン)大統領とトランプ大統領間の会合で、自動車関税リスクを取り除ける転換的契機が用意されるべきだと口をそろえる。米国の25%高関税のターゲットは韓国よりもEU・日本に向けられているというのが大体の評価だが、トランプ大統領が韓国だけを例外的に関税免除にするものと下手に予断してはならないという説明だ。

通商交渉本部出身のもと高位官僚は、「いままで韓米首脳間の出会いでは、残念ながら核心議題は北韓関連の議題に重点が置かれていた」とし、「韓米の同盟関係が安保と経済の二大軸で行われただけに、今回の首脳会談で自動車関税問題を真剣に取り上げなければならない」と指摘した。
  • 毎日経済_イ・ジェチョル記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-06-28 08:24:31




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア