韓国サラリーマンの哀歓…払えば惜しいし払わなければ…

スマートな割り勘ライフのためのヒント 

割り勘が良い悪いの問題ではない。どうしても多数の人が共にする組織生活で、上司と部下間の過去と現在のモラルが共存する中、人々の気分を害することもなく、ストレスをあまり受けずにすむのが良い。

▶出勤後

チームで一番若い後輩が席を立ちながらこう言った。「私コーヒーとサンドイッチを買ってきますけど、なにかいるものありますか?」あちこちから「私、コーヒーお願い」「私もサンドイッチ」と注文しながら代金を渡す。この時チーム長も手伝った。「私もサンドイッチセットを1つ」と万ウォン札を一枚差し出しながらこう言った。「お釣りは今くれたまえ」

▶残業中

AとBは同僚だ。残業中、先輩たちのお使いで夜食を買いに2人で出ることになった。いつも先輩たちに奢ってもらっているので申し訳ないと思っていたA。「今日は私たちが奢りますよ」と言い、先輩たちがくれる代金を断った。夜食を選びレジの前に立つとBが言った。「君が奢ると言ったんだからこれは君が計算しろよ」AはイライラしたがBは日ごろからとにかくケチなので我慢した。買ってきた夜食をテーブルに広げながらBが先輩たちを呼び集めた。「先輩たち~。夜食を召し上がってください。私たちが買ってきたんですよ~」なんという奴だ・・・!!

▶昼食前

今日はキム部長が昼食の約束があるという。そうなるとイ次長はまた私たちと一緒に行かないだろう。聞く必要もないけど、それでも礼儀上聞いておこう。「イ次長、お昼は召し上がられませんか?」「あ、私は片付けないといけない仕事があるので後で別に食べないとですね」そうですか、そういうと思った。部長なしで私たちと行くと食事代を自分が支払わないといけないから避けているって分かってますよ。昼飯代がどれだけ高いと思っているんだ。まったくケチな人だ。チッ

▶昼食時間

チームメンバーが一緒にランチを食べている。5名で行って蕎麦を1人前ずつ食べたら4万ウォンほどの会計になった。チーム長が「私が払おう」と進み出た。コーヒーを飲みに行く。各自自分の飲みたいコーヒーを注文するがチーム長のすぐ下の地位であるパク課長が「私はアメリカーノ」と言い2千ウォンを差し出した。その途端、他のメンバーも各自自分のコーヒー代を支払う雰囲気に一変する。一番年下の後輩がこの雰囲気を収拾した。「クーポンを全部集めたものがあるのでチーム長はお支払いされなくても良いですよ~」まだマシか?

▶会食

部署改編後、初めての会食。一次会は法人カードで、二次会は部長が支払い、その後先に席を立った。久しぶりに興に乗ったチームメンバーたちが三次会に行こうと雰囲気が盛り上がった瞬間、次長がこう言った。「三次会は誰が払うんだ?割り勘なら行こうじゃないか」オ代理の顔がみるみるイライラに満ちた。ふてぶてしいキム代理が「まぁどうにかなるでしょう。とりあえず行きましょう~」となだめる。しかし次長は続ける。「きちんと決めよう。割り勘にするかどうか。あとになって俺からぼったくろうとするなよ」血気盛んなオ代理は結局耐えられず「それなら次長は帰られたらいかがですか!」雰囲気は一瞬のうちにピリピリとし、楽しい雰囲気だった会食は結局言い争いで終わったという憂鬱な話だ。

これ以外にも全ての種類の割り勘をめぐる職場内でのエピソードと辛酸苦楚は計り知れないほど豊富だ。年俸が多いとか、部署の経費が多いとか、領収書処理ができるというのなら悩む必要もない。しかし大部分の会社で経費処理は難しく、さらにだんだんとタイトになってきており、今後もっと難しくなるだろう。しかし未だに韓国社会には「上の人」「下の人」という概念が存在するもの。これには食事代、酒代、コーヒー代程度なら上の人が払うのは当然だという前提が含まれている。一種のアノミーだ。

まず部長など中間管理職の給料が以前の基準とは異なる。数字がほぼ変わらないか、さらに高くなっているかもしれないがご存じのとおり高物価、私教育費などの支出比重が大きいため小遣い支出はとてもタイトな場合が多い。それに物価が上がったと言ってもあまりにも上がった。冷麺一杯に1万ウォン。キムチチゲも安くて7千ウォンだ。

「今日の昼食ブテチゲはどう?」なり「せっかくだしカルグククス(麺料理)でも食べようか」というサラリーマンの大きな楽しみである「メニュー選び」をする瞬間、一人当たりの食事代予算は1万ウォンからスタートする。3~4名で行くと3~4万ウォン、5~6名で行くと5~6万ウォンほどだ。たまに行くわけでもなく週に数回となると実に厳しい規模だ。にもかかわらず新しくオープンした大型建物のリッチな食堂街で首から社員証をぶら下げた会社員がランチメニューに1万5千ウォン、2万ウォンのメニューを注文する姿は割り勘でなければ負担が大きすぎるのではないかと感じる。

奢ってもらったらそのぶんお返しをしなければならないのが負担だというマインドも広がった。いっそ、奢って貰わない代わりに奢らないという主張がだんだん増えつつある中、とくに女性社員が多い職場において、このような雰囲気がいち早く定着しつつもある。割り勘が良い悪いという問題ではない。ただ数名が共にする組織生活で、上司と部下間の過去と現在のモラルが混在する中、人々の気分を害することもなく、ストレスをあまり受けずにすむのが良い。

●小銭を活用せよ

上の人が気分よく自然に計算を済ませてくれるのが一番有難いことだが、上司の財布は打ち出の小槌でもなく、常に奢ってもらうことは難しい。全額を支払うのが負担な場合、小銭を除いた残りを払うのも一つの方法だ。例えば3人で1万7千ウォン程度だとしたら、1万ウォンだけ出し、2万8千ウォン程度の場合は2万ウォンだけ出すという具合だ。

●3・5・7戦略を駆使せよ

韓国人は3・5・7という数字に親しみを感じる。半分だけ払うとも言えず「これが全部だ」と煩わしく説明するのも面倒だ。それなら3万ウォン、5万ウォン単位で、1万ウォン札を数枚ずつ奇数で手渡す。現金で手渡せば自然な雰囲気になる。できるだけ5千ウォン札のような紙幣は混ぜず1万ウォン札であると良い。事前に現金の準備程度はしておこう。

●ちゃっかり者には努力する必要はない

常に奢ってもらってばかりという人が存在する。上の人には奢ってもらい、下の人とは堂々と割り勘だ。経済事情が良くなくて、というわりには広い家に引っ越しをしたり割と良い所に住んでいたりもする。腑に落ちない。このような人と2人でいる場合にはあえて5千ウォン、1万ウォンを更に払う必要はない。果敢に自分の食べた分だけを支払って店を出ても良い。だからといって本人が他の社員に「キム部長は私のソルロンタンの代金も出してくれないんですよ」と批判する立場でもない。批判などしようものなら自分が笑い者になるだけだ。

●割り勘にも選択と集中が必要だ

割り勘が楽なのは事実だが、それでもそれでも難しく悩みながら命脈を維持する理由は「情緒」のためだ。「私が今少し大変でもこうすることが今後部署の雰囲気の助けになるだろう」という考えが大部分だ。後輩たちの中にも自分より下の人を世話し、このように努力する人がいるならその後輩といる時にそのような先輩の姿を見せることがより効果的だ。

●たまには正直になってもよい

「私今月赤字なんです」「前回の1/n打撃が大きすぎたので当分キム次長にお世話になります」このように言うことができれば大概成功したチーム生活が送れていると考えても良いだろう。「あの人は普段よく払うから」という認識があるということだ。

● 能力の範囲内で解決しろ

どのみち小遣いの中から解決しなければならない。先輩で職位がある程度あり後輩との食事代などに対する負担があるのであれば、大体の予算規模を念頭に置いておく必要がある。一週間か一か月に一度の小遣いのうち大体どれぐらいまで運用(?)が可能かをチェックしてみてそれに合わせ、一週間に一度程度お茶代や食事代、あるいは居酒屋に行くなら大体いくらまで・・・というふうに基準を決めておくと役に立つ。いざその状況になればそこまで細かく考えたり実践するのは難しいが、基準があるのとないとでは明確に差がある。

●いつも奢ってもらうのは失礼

必ずしも職級における上下関係の問題であるとか、あの人は私より年俸が多い少ないの問題ではなく「いつも奢ってもらってばかり」ならたまにはお返しすることを知っていなければならないのが人の常だ。上の人が食事を奢ってくれたなら食後のコーヒー代程度は奢ってもらった人が計算するのが道理だ。時にはコーヒー代さえも上の人が支払う場合があるが、その時でなくとも次の機会にコーヒーや間食などを別途に差し入れるなど感謝の意味を受け渡しするのがマナーである。

●食事を終えたらお礼の一言は必須

先に述べたように上司の財布は打ち出の小槌ではないにもかかわらず、食べるだけ食べて会計が終わったらそのまま店を出るのが当然だと思っている人がいる。上の人であれ、下の人であれ、誰かがお金を多く支払ったなら少なくとも「御馳走様でした」の一言が基本の礼儀である。上の人に奢ってもらうことが当然だと思いお礼を言う時間に携帯でメールを送ったり他のことをしながら席を立つ場合が意外と多い。支払う人は必ずしもお礼が聞きたくてお金を出しているわけではないが、気持ちの良いお礼の一言は、お金を払った人の側にも「損得感情」を起こさせないようにすることでも。
  • Citylife_パク・ユンソン(コーポレートコミュニケーション&コンサルティンググループネオメディア編集長)
  • 入力 2011-08-17 12:00:00