トップ > コラム > FOCUS > アイス・バケット・ルーゲーリック病患者、ルーゲーリック病とは?

アイス・バケット・ルーゲーリック病患者、ルーゲーリック病とは?

韓国にも3000人、未だに治療薬はない 

ルーゲーリック病(ALS、筋萎縮性側索硬化症)患者達が経験する痛みを感じてみるために、氷水をかぶって一定額を寄付する「アイス・バケット・チャレンジ(Ice Bucket Challenge)」熱風が拡散している。しかし、ルーゲーリック病に対する正しい認識より人気中心のイベント性として流れているという声が少なくない。

ルーゲーリック病は、もともと名前が「筋萎縮性側索硬化症」だ。文字通り「筋肉が栄養を失って衰弱し、脊髄の側面にある神経が石ころのように固まる」という意味だ。米国ニューヨーク・ヤンキース野球団の伝説的な4番打者のルーゲーリックが1938年、筋萎縮性側索硬化症にかかり、1941年にこの世を去り、この疾患はルーゲーリック(lou Gehrig)病と呼ばれ始めた。

ルーゲーリック病は天才物理学者スティーブン・ホーキング博士が50年目の闘病をしているが、ブラックホールに対する多様な理論を提示し、宇宙物理学の新しい歴史を書いて大衆に馴染む病気になった。

ソウル峨山(アサン)病院神経科のゴ・ジェヨウン教授は、「ルーゲーリック病は、脳と脊髄運動神経細胞に損傷をもたらし、意識と感覚、知能はしっかりしているが、四肢筋肉を動かすことができず、ついには呼吸筋麻痺で死亡に至ることがある恐ろしい病気」とし、「まだ根本的な治療法はないが、現在活発に治療薬が開発されている」と述べた。

ルーゲーリック病は原因が正確に明らかになっていないが、神経細胞に栄養を与えるグリア細胞 (gliacyte)が関与することが知られている。この病は10万人当たり2~6人の割合で発病し、約10人中1人が遺伝することが分かった。患者の中で約10%が家族歴という話だ。患者は大部分40~70才に発病する。症状が発病する平均年齢は55才だ。

ゴ・ジェヨウン教授は、「韓国のALSの患者は約3000人、全世界的に35万人に達する」とし、「臨床に使われているリルゾル(riluzole)のような治療薬は、数カ月程度生命延長を助けるだけで、根本的な治療法ではなく、ルーゲーリック病を希少難治性疾患に分類している」と説明した。

現在、米国にルーゲーリック病患者が約3万人いて、日本には約9000人いる。ルーゲーリック病の死因はたいてい呼吸不全や肺炎で、症状が現れてから3~5年以内に死ぬ。しかし、一部の患者は10年以上生きたりもして、そのうちの1人がスティーブン・ホーキング博士のような科学者だ。

ルーゲリック病は、幹細胞とホルモン領域で治療薬の開発が活発になされている。漢陽大学病院細胞治療センターでは4年以上研究して開発された幹細胞治療剤を今年1月、食品医薬品安全処で新規希少医薬品に指定を受けたことがある。
  • 毎日経済_イ・ビョンムン医療専門記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-08-25 17:05:17




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア