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ソウル市地下水流出発生の現況…地盤沈下もたらす

未使用地下水1日5万7000tずつ地中に…30年以上の下水管5023㎞ 

  • ソウル市地下水流出発生の現況…地盤沈下もたらす
  • ▲ソウルで流出される未使用地下水 [データ=ソウル市、2013年12月基準]

最近ソウルで相次いで道路沈下現象が発生し、市民の不安が大きくなる中、市内で流出される未使用地下水が1日で5万7000tに達することが分かった。ソウル全体から出る地下水(17万8599t)の32%がそのまま地下に捨てられているのだ。

26日、毎日経済が入手した「ソウル市地下水流出発生の現況」資料によると、昨年12月基準で、市内の主要建築物ㆍ地下鉄ㆍ電力及び通信溝(cable tunnel)では1日5万6709tの未使用の地下水が流出した。

専門家達は、「この程度の地下水が流出すると、地盤がばさばさな脆弱な構造に変わっていくほかない」とし、「大規模な地盤沈下事故を防ぐためには適正地下水流出量に対する正確な実態調査が行わなければならない」と指摘した。

ソウル地下鉄1~9号線と盆唐線ㆍ空港鉄道で最も多く、2万7219tの地下水が捨てられ、市内の主要建築物 478カ所では2万2560tが流出した。

未使用地下水と建築物ㆍ地下鉄などで噴き出てくる地下水のうち、建物用水、清掃ㆍ造園用水として再活用されずにそのまま下水に放流される水を意味する。

専門家達は、未使用地下水の放流で地盤脆弱現状と下水管の破損問題が加速されているとみている。ソウル市立大土木工学科のイ・スゴン教授は「建築物ㆍ地下鉄などは、建造物の中に地下水が流出することを防ぐために持続的に地下水を放出する」とし、「建築物などが同時多発的に地下水を噴き出せば周辺沈下の危険性が大きくなるが、地下水の統合管理は現在皆無の状態」と指摘した。

市民団体であるウィリェ市民連帯のイ・ドゥクヒョン運営委員は、「地下水と土砂が共に流出され、地下洞穴(穴蔵)が大きくなっているというのが問題」とし、「地中の現状把握から始めなければならない」と強調した。彼は「特に江南、汝矣島など沖積層地域(地質脆弱地域)は、地盤が耐えられる地下水適量を算出して市当局が建築許可基準を設ける必要がある」と述べた。

地下水が流出される中間通路である下水管の老朽化現象も問題点として指摘されている。最近、シンクホールの発生が多かったソウル地域の下水道管は、全体の48.4%が30年以上経った老朽化した管だ。ソウル市によると、敷設されて30年以上になる下水管は総5023.3㎞で、ソウル~釜山間の直線距離(350㎞)を7回以上往復する距離に相当する。

通常、下水管の耐久年限は20~30年だ。耐久年限を超えた下水管は全体のうち半分を占め、下水漏水による地盤沈下のリスクが大きくなっていること。

ソウル市の関係者は、「下水老朽管が問題になる水準に達したが、交替予算が莫大で手をつけることができない状況」と述べた。環境部は、最近3年間、全国的に発生したシンクホールのうち、下水漏水に伴う地盤流失が原因となって発生した場所が全体の77%に達すると見ている。

一方、この日環境部は、地盤沈下の憂慮地域にある全国下水老朽管路を10月までに緊急点検すると明らかにした。漏水、破損など地盤沈下が現れることがある管路は、年末までに改善補修して下水による地盤沈下を防ぐための制度改善案も用意する。また、環境部は国土交通部の主管で構成された「地盤沈下対応・対策関係部処専門チーム(TF)」に参加し、地下埋設物の実態把握活動を強化する方針だ。
  • 毎日経済_キム・ジョンファン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-08-26 17:24:37




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