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「疆土小國技術大國」…故具滋均の経営哲学


「電子・化学強国の基盤作り」「グループの売上げ1150倍に成長」「研究開発の拡散」「ラッキー金星をグローバルLGに」...。

14日に死去した故具滋均(ク・ヂャギュン)名誉会長の経営成果と哲学、韓国産業に対する意味と貢献などを集約する表現だ。 1950年にラッキー化学工業社(現LG化学)に入社して「生涯LGマン」の道に入ったク・ヂャギュン会長は、1970年から25年のあいだ会長を務めて企業の飛躍的な発展を導き、これが経済成長の肥やしとなった。ク名誉会長がグループを率いた25年間に、LGの売上げは260億ウォンから30兆ウォン台に1150倍も大きくなり、2万人だった従業員は10万人に増えた。同氏が全力を注いだ電子・化学関連会社は現在は韓国を代表する企業になり、同氏が設立した70か所あまりの研究所を土台にしてLGのR&D能力は世界レベルに上がった。

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  • 晋州中学校在学当時


ク名誉会長が建てた海外工場と50以上の海外法人は、「ラッキー金星(クムソン)」という韓国社名を持つ会社を、世界のどこでも通じる「グローバルLG」に成長させた。同氏は名誉会長に退任するひと月前の1995年1月に、社名を「ラッキー金星」から「LG」に変えた。

「疆土小國技術大國(国土は小さいが技術競争力に優れた国)」。ク名誉会長の経営哲学で、同氏が最も愛情を注いだ分野の一つが研究開発だった。「研究開発と技術の優位性が企業の成長の要諦」「技術に裏付けされなければ空念仏にとどまる」など、同氏の語録に見られるように技術に対する確固たる信念を持っていた。

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  • 金星社創立25周年


技術に対する信念は、まだ国内で研究開発への投資に対する意味が大きく浮上しなかった1970年代から光を放ち始める。ク名誉会長の会長在任期間に設立されたLG研究所は70ヶ所に達している。 1970年代半ばにラッキー蔚山・麗川工場が稼動する前から研究室を作ったほど、技術開発に対する意志が強かった。その中には「国内初」のタイトルをつけているものも少なくない。

1976年には金星社(現LG電子)の工場別に運営されていた小規模の工場では総合的な技術開発に限界があると判断し、民間企業としては初めて全社規模の中央研究所を設立した。 1979年には大徳(テドク)研究団地内に最初の民間研究所であるラッキー中央研究所を発足させ、高分子・精密化学分野を研究するようにした。 1985年には国内初の製品試験研究所を開設し、製品テストによって金星社の品質を引き上げた。この情熱は退任するまで続き、同氏は引退を三ヶ月後に控えた1994年11月、全国に位置したLG研究所19ヶ所を訪ねることもした。このような研究開発に対する伝統は、息子である具本茂(ク・ボンム)会長、孫である具光謨(ク・グァンモ)会長につながり、ソウル市江西区に造成されたLGグループの超大型研究団地「LGサイエンスパーク」で結実を見る。

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  • 全国経済人連合会会長に


ク名誉会長の研究開発に対する愛は電子・化学などのLGグループだけでなく、韓国の主力として育てる原動力になった。ク名誉会長が全力を投球した研究開発のおかげで、金星社は19インチカラーテレビ、空冷式セントラルエアコン、電子式VCR、プロジェクションテレビ、CDプレーヤーなど数多くの「国内初」製品を作り出して家電強者の姿を整えた。 研究開発を商品化と生産に結びつける企業精神の先制的決断も、同氏の面貌を見せてくれる。ク名誉会長はこの他にも冷蔵庫や洗濯機などを生産する昌原工場を建てるなど、LGの主要生産拠点の基礎を築いた。

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  • 時間があれば現場へ


ク名誉会長はLGと韓国企業の領土を世界に拡大させた。同氏は会長としてグループを率いながら、50あまりの海外法人を設立した。特に1982年に米アラバマ州ハンツビルにカラーテレビ生産工場を建てたが、これは韓国企業が海外に設立した最初の生産基地だった。当時、ニューヨークタイムズは「韓国企業が米国社会に成功裡に根を下ろすきっかけになった」としたし、ハーバード・ビジネス・スクールでは成功的な海外進出事例として研究した。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/ファン・スンミン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-12-15 18:31:53




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